法華山一乗寺は兵庫県加西市山中にある天台宗の寺院。
西国三十三観音霊場の第26番札所でもあります。
天竺から紫雲に乗って飛来した法道仙人が610年に開いたとする寺伝を持ちます。
伝説の域を出ないものとは言え、兵庫県東部を中心に、多くの寺が法道開基を
伝えるところから、この地方に山岳信仰の中心となった人物が存在したことは
否定できないといわれます。
寺は山腹を長い石段で本堂に上っており、その途中に建つのが三重塔。
平安時代の終り(院政期ともいわれる)1171年の建立。今に残る三重塔では、
奈良、京都以外に存在する塔で最も古いものです。(国宝指定)
高さ21.8m、本瓦葺き。初重の大きさに比べ上層の逓減が大きく安定した感じ
を与えます。塔は時代が降るとともに簡略化、安定した構造へと変わりますが、
この塔は心柱が地上から初重天井上に移る最初期のもの。
初重、二層の中備えには最も古い形式の蟇股が見られます。軒下の木組みや
軒の二軒繁垂木は新旧の部材が混じりますが、仰げば古色の迫力と美しい流れ
を感じさせます。軒先の鬼瓦や風鐸も古色な趣のもの。
最上層の屋根はわずかな「照りむくり」を有します。屋根の上の相輪は唐草文様
の水煙を有するもので、塔の立つ位置で本堂の回廊から・・青天空の下の・・
その美しさを身近にみることができるのです。
西国霊場の札所ではありますが、その日は巡礼の姿は見掛けませんでした。
門前に唯一軒あるお店。「お茶をお接待しまーす」と女性の声に呼び止められます。
四国遍路以外で聞く、この「お接待」という言葉、懐かしいもの・・
「いやいや、札所巡りではないんです」といいながら、お茶を戴いて、三重塔と
その上の青い空を反芻しておりました・・










西国三十三観音霊場の第26番札所でもあります。
天竺から紫雲に乗って飛来した法道仙人が610年に開いたとする寺伝を持ちます。
伝説の域を出ないものとは言え、兵庫県東部を中心に、多くの寺が法道開基を
伝えるところから、この地方に山岳信仰の中心となった人物が存在したことは
否定できないといわれます。
寺は山腹を長い石段で本堂に上っており、その途中に建つのが三重塔。
平安時代の終り(院政期ともいわれる)1171年の建立。今に残る三重塔では、
奈良、京都以外に存在する塔で最も古いものです。(国宝指定)
高さ21.8m、本瓦葺き。初重の大きさに比べ上層の逓減が大きく安定した感じ
を与えます。塔は時代が降るとともに簡略化、安定した構造へと変わりますが、
この塔は心柱が地上から初重天井上に移る最初期のもの。
初重、二層の中備えには最も古い形式の蟇股が見られます。軒下の木組みや
軒の二軒繁垂木は新旧の部材が混じりますが、仰げば古色の迫力と美しい流れ
を感じさせます。軒先の鬼瓦や風鐸も古色な趣のもの。
最上層の屋根はわずかな「照りむくり」を有します。屋根の上の相輪は唐草文様
の水煙を有するもので、塔の立つ位置で本堂の回廊から・・青天空の下の・・
その美しさを身近にみることができるのです。
西国霊場の札所ではありますが、その日は巡礼の姿は見掛けませんでした。
門前に唯一軒あるお店。「お茶をお接待しまーす」と女性の声に呼び止められます。
四国遍路以外で聞く、この「お接待」という言葉、懐かしいもの・・
「いやいや、札所巡りではないんです」といいながら、お茶を戴いて、三重塔と
その上の青い空を反芻しておりました・・









