枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

吹屋、ベンガラの里の想い その3

2009-05-31 | 古いもの、昔の人
          江戸時代末から明治にかけて、吹屋が最も栄えたころ、
          その街では、こんな俗謡が歌われたといいます。

            吹屋よいとこ 金吹く音が
              聞こえますぞえ 窓坂え
            吹屋よいとこ 金掘るところ
              掘れば掘るほど 金がでる
            場所じゃ 場所じゃ 吹屋は場所じゃ
              東城やせ馬 来る場所じゃ

          輝く木の廊下、中庭に面した石州瓦の色、格子戸越しに見る
          街の道・・。活気に満ちていた古の時に思いを導きます。







































吹屋、ベンガラの里の想い その2

2009-05-27 | 古いもの、昔の人
           吹屋の町並は、重要伝統的建造物保存地区に指定されていますが、
          その殆どの家は、昔の姿を残したまま今も住まわれているのです。
          特に古く、立派な家が2軒、保存家屋として維持保存され、見学者を
          受け入れています。
          いずれもベンガラ窯元の有力者の家で、江戸時代末期から明治初期
          に建てられたものです。
          屋根は石州本焼で葺かれ、栗、桜、欅の良質の角材をふんだんに使い、
          きめ細かな石州の宮大工の技が投入された立派な造り。
          玄関を入れば、清々しい座敷があり、しっかりと使い込まれた壁の、
          廊下の、調度の、煌めきの中で、長い時が語る言葉を確かに聞くことが
          できたように思ったものです。






































吹屋、ベンガラの里の想い その1

2009-05-23 | 古いもの、昔の人
          岡山県、中国山地の懐深く、標高550mの山に囲まれて、古い町屋が建ち並ぶ街吹屋があ
          ります。
          江戸時代から明治にかけて中国筋第一の銅山の町として、江戸後期からは、特産品として
          のベンガラの生産が重なり大いに賑わったと言われます。ベンガラ(弁柄)とは、酸化第二鉄
          を主成分とする赤色顔料の慣用名で、陶磁器の赤絵、漆器の色付け、衣料の下染め、家屋・
          船泊などの塗料として使われ、この吹屋では、昭和40年頃まで生産されていたのです。
          これらの銅や鉄、ベンガラは、かつては、荷馬に負われ成羽へ、そこから高瀬舟で瀬戸内海
          に面した玉島の港に集められ、上方や西国に運ばれたと言います。吹屋は、これら経由地
          の繁栄をももたらしたのです。
          そんな吹屋の町を訪ねるのは、以前からの願いでした。成羽の市街からは、山道に近い狭い
          車道を辿ります。
          山の向こうにポッカリと現れた町は、100年の時を遡った、ベンガラ色の夢の町でした。








































けしの花と実

2009-05-19 | 四季それぞれに
  街路の傍の、ほんのちょっとの
          土の上で、隠れるように
          咲いている けし。
          昔から・・ 惹かれる花と実です。
          目を近づけて見ると、
          その実には何やら大事なものを
          蔵しているようにも思えるけれど、
          花を見て想う言葉は、
          憂愁・・。








































木曽路宿場印象(1)

2009-05-14 | 古いもの、昔の人
     ここには、
     さわやかな日陰と、
     清涼な水がある。
     白壁に落ちる木陰、
     本陣の土間の陽だまり、
     その奥の光る板床。
     活気ある声が、
     飛び交ったであろう。
     豊かな時間があったであろう。
     木曽路の宿場で想う。

     (江戸時代、京と江戸を結ぶ中仙道、その木曽路の宿場、妻籠、馬籠
      が今に残されています。馬籠宿は、島崎藤村の出生地として有名。
      落ち着いた妻籠宿にくらべ、やや観光化の印象が強いのですが、
      石畳の道や、白壁や、店先の佇まいから、当時の活気と豊かな時間が
      偲ばれます。)