枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

昭和の初めを装う街で・・

2010-09-24 | 古いもの、昔の人
           広島県の瀬戸内海に面した古い街。
          この度は、敢えて街の名前は伏せておきましょう。
          たまたま、テレビドラマのロケが行われておりましたから。
          時代設定は昭和初期、太平洋戦争の前。
          エキストラさんが、通りの両側に、たくさん待機しておりました。
          ちょっと緊張の面持ちで。手に持っているものなんか、
          今風で変なのは仕方ないけれど、雰囲気はその時代・・
          うまいもんですねー。
          私の親が、若いころの時代、そんな昔ですけどね・・
          心の何処かに沁み込んでいるのでしょうか。
          なんだか、とても懐かしく、心ときめく気持ち・・
          そんな街の、通り道の表情でした。





































































朱の塔の柔らかな軒に・・、美作 長福寺 三重塔

2010-09-20 | 古い神社や寺で
          岡山県には、多くの三重塔が残されています。
          (国宝、重文の三重塔は、奈良、京都を除き、滋賀、兵庫と並ぶ6基を数える
          のです。)
          さて、三重塔を訪ねて・・、何基目になるでしょうか。岡山県の北部、美作市
          真神の真木山長福寺(真言宗御室派)の三重塔です。
          長福寺は、奈良時代の757年、唐僧、鑑真和尚の開基と伝えます。
          元は、背後にある真木山の山上にありましたが、昭和になって現在の山麓の
          地に移ります。三重塔は、本堂などより遅れ、昭和26年にこの地に移された
          ようです。
          鎌倉中期(1285年)の建立。岡山県最古の木造建築物なのです。
          純和様、初層、二層の中備えは三間とも間斗束の重厚なもの。軒の反りも
          控え目で上品。そして何といっても、この柿(こけら)葺の屋根の断面の厚み
          と柔らかさ。この塔の持つ最大の美点ではないでしょうか。

          昭和55年の修復により、朱色に鮮やかに蘇った塔。背後の緑の樹木の前に
          仰ぎ見る時、夢の世界に引き込まれるようです。これほど美しい三重塔に
          出合うことも稀有なことでしょう。












































































備前焼の街を見守って・・、備前 真光寺 御堂

2010-09-16 | 古い神社や寺で
   岡山県の東端、兵庫県と接する備前市は、鉄分を含んだ良質の粘土を産し、
          伊部(いんべ)地区の備前焼は全国的に有名。その市の中心、片上地区の
          街を見おろす高台にある御瀧山真光寺(しんこうじ)(真言宗御室派)。
          行基が寺の元を開いたと伝える古刹。
          本堂は、五間四面、単層入母屋造、向拝を有する。室町時代中期再建の
          三間堂を後期(1516)に大改修したものという。木肌の美しい風格ある御堂
          です。
          三重塔は、その様式から室町時代中期のものと想定されていますが、江戸
          時代の初め(1613)牛窓(現瀬戸内市)の蓮花頂寺にあった塔を移築した
          ものと伝えます。総高18.24m、二層、三層ともに軒が低く、全体にずんぐり
          した印象。初層は擬宝珠高欄を付した縁をめぐらし、中央間板唐戸、脇間
          連子窓の標準型。初層中備えは中央間蟇股(月輪に種子(梵字)が刻まれる)、
          脇間蓑束。本堂、三重塔ともに国重文指定。

          本堂に参ると、ご住職から「おはようございます」の声を戴きます。
          塔の裏手の山からは、備前の街が見渡せます。
          古くからこの街の人の心を支えてきた・・。そんな親しみを覚える寺でした。

















































































古い町屋の奥座敷に・・広島 竹原 松阪邸

2010-09-12 | 古いもの、昔の人
          広島県の南部、瀬戸内海に面した竹原の街。
          ここは、古くから港を控えた市場集落、「安芸の竹原」としてありましたが、
          江戸時代に入り、製塩業が盛んとなったのを端緒として、廻船の往来も活気
          を呈し、海運業、酒造業などで財をなし、西の小京都と言われるまでに栄える
          ようになったと言われています。
          今は、町並み保存地区として残る、古い街の中心部にあるのがこの松阪邸。
          文政の頃(1818)の建築を、明治12年に改築したもの。唐破風の屋根、
          菱格子の塗り込め窓、彫刻を嵌め込んだ出格子などが目を引きます。
          玄関に続く三和土(たたき)の表情や、茶の間の壁に残る紙片・・
          神棚を仰ぎ、奥座敷から見渡す内庭の緑の光に、ほっと息をついたりして、
          そこはかとなく感じられる生活の断片を追っているのでした。






























































宮島の赤いものなど・・、大鳥居、五重塔、千畳閣

2010-09-08 | 古い神社や寺で
          安芸の宮島、厳島神社辺りの赤いものと言えば、神社本殿がまさに
          そうなのですが、今回はそれはちょっと遠慮して、周囲をウロウロ・・
          まず、何といっても大鳥居。古くから何度も建て直されていますが、
          現在のものは明治8年に建てられたもの。平成18年の朱も塗り直され
          鮮やかになりました。日光、月光の彫り物、何処にあるかご存知ですか・・
          カラスはここでは神聖な鳥。
          それから、神社本殿の傍にある五重塔。室町時代後期の建立。
          神社に五重塔と訝りますが、昔は神仏習合。これが当たりまえ。
          桧皮葺の屋根。軒の反りが大きい、美しくなかなか立派な塔です。
          五重塔の横にあるのが千畳閣と呼ばれる豊国神社の社殿。
          もともと豊臣秀吉の命により建てられた仏教伽藍ですけど・・おっと
          これは赤くないけど、ついでに。
          といっても、今回は捻くれものが撮影。全体の形はよくわからんかも。
          それに、大鳥居は大分前の撮影。覚えのある方は黙っておいてください。
          では、どーぞ・・