枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

着飾った貴婦人のように・・向上寺三重塔、再訪(その1)

2014-09-21 | 古い神社や寺で
          しまなみ海道が通ずる生口(いくち)島。瀬戸田(今は尾道市瀬戸田町)、
          何処からかしおの香りが匂うような「しおまち商店街を行きます。
          何年ぶりでしょうか・・でも、見おぼえた通りの街の表情です。
          人に聞き、向上寺への表参道の石段を上ります。
          山門を通り、新築なった本堂に参り、三重塔へ。そこは四国の写し霊場の道でも
          あります。石の仏の遠い表情に出会えます。
          石段の上の緑に囲まれた赤きお堂。振り仰げば、その美色に圧倒されます。
          確か3度目のお参りと記憶しますが、その度に新たな印象を受けるのです。
          この三重塔は、室町時代の初め1432年の建立。和様を基調としながら、初重の
          扇垂木、花頭窓等、禅宗様が採り入れられています。
          また、随所に波や蓮華の華麗な彫刻があしらわれています。
          しかし、この塔の素晴らしさは、何といっても、凛として立つ貴婦人のようなその
          全身像と、秘めた情熱を表すような軒下の木組みの見事さにあると思わせられます。

          建立以来の年月を、潮風に晒されたにもかかわらず、昭和38年の解体修理で、
          用材の大部分は建立当時のものと確認されたといいます。
          600年に近い日々。三重塔は、今日もまた、港を見下ろす丘の上から、
          瀬戸田の街と、瀬戸内の海を見守り続けているようです。




 表参道





 参道の新四国仏

















紅き御堂









































 裏参道










雲が湧く・・しまなみ海道、多々羅大橋

2014-09-10 | 海からの声を聞く
          広島県の尾道と愛媛県の今治を結ぶ「しまなみ海道」には島を結ぶ7つの橋があります。
          そのなかで生口島と大三島を結ぶ多々羅大橋は特に美しい橋です。
          この橋は、建設当時世界最長の斜張橋と言われました。
          しまなみ海道の道では、サイクリングを楽しむ多くの若者や親子連れにお会いしました。
          「どこから きたのー・・・」
          お話したり、カメラのシャッタを押したりしたものです。
          橋のまわりの空には入道のような雲が湧いていました。
          海道の橋は天空の道でもあるのです。












































































尾道の寺再訪・・浄土寺多宝塔・阿弥陀堂

2014-09-05 | 古い神社や寺で
          尾道の街は、狭い瀬戸の水道を前に、山が海に落ち込むわずかな隙間に拡がっています。
          その街並みの最も東にある大寺、それが、転法輪山大乗院浄土寺(現在は真言宗泉湧寺派
          大本山)です。推古24年(616年)聖徳太子の開創と伝えます。
          海岸の道から、山陽本線の下を潜り、急な石段を上ると山門に。
          境内、左より本堂、阿弥陀堂、そして多宝塔と並ぶ様は圧倒されるようです。
          (本堂、多宝塔は国宝、阿弥陀堂は重文)
          一際美しい姿で、迎えていただくのが多宝塔。
          1328年、この地の富豪道蓮、道性夫妻の発願により、本堂とともに建立されたと伝えます。
          和様を主に、大仏様、禅宗様を採り入れた様式と言われ、牡丹唐草に蝶、法輪などの彫刻の
          ある板蟇股(かえるまた)も見事。二層軒下の幾重にも重なる木組みを見ていると、
          心が吸い込まれるようです。
          多宝塔の左に建つのが阿弥陀堂。
          1345年の再建と伝えます。桁行5間、梁間4間、寄棟造、本瓦葺き。
          今は真言宗の寺ですが、このお堂には蓮如の六字名号「南無阿弥陀仏」の額を有するなど、
          浄土真宗との縁が強く感じられます。
          浄土寺にあって私の最も好きな建物はこの阿弥陀堂です。緑の山をバックに
          その雄大で簡潔な表情に接すると、心躍るような気持ちにさせられるのです。




 山門と本堂





 多宝塔



































 阿弥陀堂























 浄土寺を下る