枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

「ぶどう寺」 柏尾山大善寺に参る

2022-01-04 | 古い神社や寺で
          少々日が経ってしまいましたが、まだ秋の気配が色濃く残る頃、
          前掲、青白禅寺とともに参った大善寺についても載せておくことにしました。

          この寺はJR中央本線、勝沼ぶどう郷駅から3kほどにあります。
          ぶどうの丘を見ながらの道すがら・・

          養老2年(718)行基が夢に現れた葡萄を手にした薬師如来を建立したこと
          (また、行基が法薬として葡萄の栽培を伝えたとも)が寺の始まりと伝えます。
          ぶどう寺と呼ばれる所以。
          本堂の薬師如来の左手には一房の葡萄を載せた姿として復元されています。
          本堂は寄棟造、柿葺き、桁行五間、梁間五間。徳治2年(1306)竣工。
          (国宝指定)
          内部の厨子内に薬師三尊像(秘仏)、他、十二神将立像、日光菩薩像、
          月光菩薩像などが並ぶ。
          本堂の前に立つと、厨子前に薬師如来の写真パネル、その前に御前立
          の薬師如来(右手に葡萄を持つ)、堂内を巡ればその荘厳さに圧倒される思いです。




 山門










 山門の仁王





 本堂への石段(振り返る)





 本堂

















 本堂の軒











 ぶどうの丘











山梨、海涌山青白禅寺 初参

2021-12-13 | 古い神社や寺で
          ぶどう畑の中、梅の古木が散見する参道を辿れば、
          山門(総門)。左に大きな石地蔵。
          更に進めば、三門(鐘楼門)、仏殿、本堂が
          直線的に並びます。
          特に美しい仏殿は赤過ぎるもみじの中にありました。
          (山門から本堂への直線的配置が残されていることこそ
          この寺の特徴であるらしい。)
          夢窓疎石を開山として1333年に創立。
          仏殿は室町時代1415年の建立。
          鎌倉の円覚寺舎利殿、東京東村山の正福寺地蔵堂など
          と並ぶ禅宗様の代表的な遺構とされるこの仏殿。
          鳥の羽根のように反った檜皮葺き屋根、花頭窓、上部の
          弓欄間など特徴は明らかです。
          正福寺地蔵堂をひとまわりも二回りも小さくしお堂と
          感じさせます。

          何年かぶりに広島県の外に出たように思います。
          富士を背に参道を進めば、素朴な境内に美しい出会いが
          待ち受ける・・そんな青白禅寺です。



















































































安国寺不動院金堂に木の魂を見る

2021-01-12 | 古い神社や寺で
          広島市の唯一の国宝建築であるこの御堂、
          このブログにも何度目かの登場。
          戦国時代、この寺の住持であった恵瓊(えけい)が
          山口より移築したものと伝えます。
          恵瓊は関ヶ原合戦の西軍の一翼として、政治の世界にも登場します。
          今は寺の裏の高台の墓所に眠ります。
          御堂の前に立てば、日本独自に誕生した「禅宗様」と呼ばれる
          建築様式が形創る世界とその中に湧き出る木の魂に心打たれます。
          空に羽根を広げるような柿(こけら)葺きの屋根と庇。
          禅宗様固有の斗栱の詰組、花頭窓、垂木の連続、木鼻、
          礎盤石と沓石・・心惑わすような数々の仕掛けです・・






















































































赤い宝塔・・諸仏・水と

2019-07-11 | 古い神社や寺で
          何処も行くところがないものだから
          また、広島市内の三滝寺ですよ。
          その境内の一角に
          原爆の後、慰霊のために
          和歌山県の神社から移されてきた
          多宝塔があります。
          私はいつも強調するのですが、
          数多くの多宝塔の中でもこれは名塔ですよ・・
          もうじき赤くなるモミジに包まれるような
          赤い襞、赤い格子・・
          一筋の流れに沿って座し多くを語る
          観音さん、羅漢さん。
          強すぎる7月の光のなかの慰め。





















































































室生寺、お堂の軒にかかる紅葉

2017-11-21 | 古い神社や寺で
          奈良県の東の端(といっても南北に長い県、それほど奥まってはいません)
          宇陀の山中にある室生寺。
          天武天皇9年(680)、役小角の草創、8世紀末興福寺の僧により開基されたと
          伝えます。今は真言宗室生寺派の本山、古くより女性の参詣が認められていた
          ことから「女人高野」と呼ばれます。
          私にとっては何度目かのお詣り。近鉄大野駅からの道(広域農道)が来る度に
          広くなり、車、バスを使えば深山に入る気分を忘れます。
          紅葉の特別な名所という訳でもなさそうですが、室生川の水流と鬱蒼とした杉の
          林に囲まれた金堂、灌頂堂などの諸堂の軒の上・・
          降りかかるような紅葉は、地味でしっとりとして・・やはり特別のものです。