枯雑草の写真日記2

あの懐かしき日々を想いながら・・つれずれの写真日記です。

伊丹の町屋の面影の濃さ・・旧岡田家住宅

2013-01-28 | 古いもの、昔の人
          「いたみのさけ(を)けさのみたい」 どちらから読んでも同じ文章、「回文」と
          言うのだそう・・酒好きの方はご存知でしょう。
          そこに読まれた伊丹の造り酒屋の建物が、街中に残されています。
          店舗(15.4m×15m)、酒蔵(16.2m×15m)、その間に釜屋、洗い場
          (21.6m×8m)より構成されます。
          店舗は江戸前期(1674)、酒蔵は、少し遅れて1715年頃に建てられたと
          言われます。所有は、初期の松尾与兵衛から二家を経て、明治の岡田家へと
          移り、昭和59年まで酒造りが行われていました。
          店舗部分は、東側に土間、西側に居室部で、店の間二室、板敷きを経て、中の間、
          次の間、奥の間と続きます。二階にも物置や座敷など五室が並ぶ豪勢なもの。
          蔵部分は木材を格子状に組んだ堅牢な土壁に囲まれ、見上げれば、4間の
          大梁を二通り架けた豪壮な小屋組み。天窓からの外光が息をつかせます。

          表通りに面した構えの見事さ。薄暗い屋内に目を凝らせば、江戸時代初期から
          発展してきた豪勢な町屋の雰囲気がしっとりと伝わってくるのです。