「骨と軽蔑」
作・演出 ケラリーノ・サンドラヴィッチ
2024/3/21 シアター・クリエ
午後から雨や風が強くなる、と言われている春分の日、チケットを無駄にはできないので、大学時代の友人ともちろんでかけていく。
ケラさんの舞台は
びっくりするくらい長いときがあるので、チケットを買う時はちょっとドキドキ。
今回は先に観た人に
時間を聞いていたので安心して
観られた。
あんまり長いと腰にくるのよね😅
今回の出演者は全員女性
軍需工場で財を成した父親の元、「お城」と呼ばれる豪邸に住む
父親は2階で闘病中で余命いくばくもないけれど、かなりの暴君の様子
母グルカが峯村リエさん
小説家である姉マーゴが宮沢りえさん
妹ドミーが鈴木杏さん
この家の家政婦ネネは犬山イヌコさん
マーゴのファンで異国から訪ねて来たナッツは小池栄子さん
父親の秘書でどうやら愛人らしいソフィーは水川あさみさん
編集者ミロンガと虫(?)を堀内敬子さん
この7人が舞台でしゃべくりまくる
豪華なお屋敷の部屋のセットの窓の向こうには映画のように美しい映像が流れ、季節の移ろいを感じさせる。
最初、雷鳴かと思って聞いていたら、それは砲弾の音で、どうやら西と東の両国で長い長い戦争をしているようだ
家は豪華だけど、秘書の画策で家族はかなり困窮し、母は酒浸りで禁酒を命じられているし、姉の夫は招集を逃れ行方不明だし、妹は姉の夫に想いを寄せて夫からの手紙を隠している。
なんだかくら〜い雰囲気の中、空気を読まずにとんちんかんなナッツと絶妙なタイミングで客席に話しかける家政婦ネネが笑いを誘う
時間の経過とともに、戦争の悲惨さが増してくるのがセリフの端々から想像できる。
女性や子供まで兵役につかされ、子供でも扱える兵器を作ろうとしたり
今、世界のあちこちで起こっている戦争や内戦でもきっとそんなことがおこっていることだろう
母グルカが命を救った者になりすまして(ホントはナッツが助けた)、助かった虫から願いを一つかなえてもらうとき、虫が「例えば平和を願うとか?」と提案したら「武器を作ってる工場なんだから、それはダメ」と自分だけの幸せを願う。
こういうことも世界のあちこちで起こり、戦争で儲けてる人もたくさんいるんだろうな、と背筋が寒くなる。
マーゴの小説も売れ、母もやや残酷な形で幸せを手に入れ、なんとなくパッピーエンドっぽくなってきたラストに大どんでん返しが💦
いったいどうしたらこんな話を思いつくのだろう。
そして、どうしてこんなタイトルを考えつくのだろう?
ケラさん、恐るべし‼️
そして女優さんたち一人一人のかけあいが見事で、緊迫したり緩んだり、目が離せなくてあっという間に1時間半が過ぎ、休憩時間
その後もラストまで一気に駆け抜けた感じ。
え?ってなって照明が落ち、え?のままカーテンコール
その後の展開に余韻を残して舞台は幕を閉じた。
見応えあったな〜
実は股関節の手術を控え、翌日入院することになっていた私
そんなギリギリまで、遊んでしまったけど、チケットは手術が決まる前に買ってたからもちろん行っちゃう。
行ってよかった〜
退院してスイスイ歩けるようになったらどこに行こう?
とちょっとワクワクしています。