秋晴れの穏やかな土曜日、友人にも誘われて茅ヶ崎美術館にでかけてゆく。
茅ヶ崎に行くのは初めて。
そして、この友人とこんな風に遠出をするのも初めてだ。
この数週間前、彼女も含めた保育園からの友人たちと地元で飲んだとき、私がちょっとへこんでいたので、気にかけて連れ出してくれたのだと思う。
優しい心遣いがうれしい。
「日曜美術館」というテレビ番組で観た「小原古邨」という画家の作品が心に残ったので、ぜひとも展示を見たい、と彼女はいう。
美術関係の知識が薄い私は、好奇心だけで言われるままについていく。
木々に囲まれた美術館はこじんまりとしているけれど、建物はスタイリッシュ。
土曜日ってこともあるし、テレビで紹介されたこともあって、思った以上に混みあっている。
とはいえ、都心の美術館のような融通のきかなさはなくて、自由にゆっくり鑑賞でき、かつ撮影も自由。
淡く、繊細な色彩の花鳥画に心が穏やかになってゆく。
1回観たあと、引き返して気になる絵をもう一度観たり、と自由にいったり来たりして、美術鑑賞を楽しんだ。
記念に古邨のクリアーファイルとポストカードを。
帰り道に素敵な図書館があり、ちょっと寄り道して中に入ってみる。
子供のころ住んでいた小さな町には、こんな風な公共の図書館なんて無くて、学校の図書室しか利用したことがなく、何となく図書館は敷居が高い。
なので、ほとんど図書館を利用したことがない。
入ってみるととてもゆったりとした空間。
奥のほうにはアトリウムのような壁一面の大きな窓のある読書スペースがあり、裏山の緑がその窓から降ってくるようだ。
こんな図書館が近くに会ったら入り浸ってしまうかもしれない。
図書館の中をなんとなくぶらぶらして、駅前の居酒屋でランチの海鮮丼を食べて、私たちは鎌倉へ向かう。
鎌倉なんて大学一年生の時に女友達3人で行って以来。
何年ぶりだろう・・・。
友人も私もそもそも計画性がなく、行き当たりばったりの性格なので、茅ヶ崎美術館の道順以外何の下調べもしていない。
友人は私を誘った責任を感じて、前日にガイドブックを買ったという。
とりあえず鶴岡八幡宮に向かって歩き出したものの、小町通りは原宿の竹下通りのような混雑ぶり。
あっという間に挫折してとりあえずお茶を飲む。
彼女が唯一行きたい、と決めてきたお店があるというので、お茶とケーキをいただいたらそこへ向かおう。
今来た道を戻り、途中でわき道に入るといきなり人が少なくなる。
テナントビルも何気におしゃれ。
1階の雑貨屋さんをうろうろ。
こんな普通の民家みたいなところで
作家さんが陶器の展示をしている。
なかなかお高い・・・。
古賀邸、と書いてある門からはるか向こうの洋館では、結婚式が行われているらしい。
人通りのない道を「こっちでいいのかな・・・」と不安げに歩き続け、急に人がたくさん並んでいる有名なのかもしれないくずもち屋さんを曲がり、何やら怪しげなトンネルを抜けたら目的のお店が見えてきた。
もやい工藝というこのお店は工芸品のセレクトショップ。
とってもいい雰囲気。
裂き織という手法で織られたコースターと薬缶敷きが目に留まる。
花器の下に敷くものをずっと探していた。
思わず手に取ってしまう。
裏と表で模様が違う。
お店の年配の女性がこの織りかたの難しさ説明をしてくれて、購入を決定。
友人もカレンダーとか細々したものを買っている。
お皿やカップなどの食器も欲しいが、重いし、なにより収納スペースがない。
少し片づけたらもう一度来よう。
包んでいる間にお茶を入れてくださり、お店の奥のテーブルでお庭を見ながらのんびりと待つ。
時間が止まっているようだ。
駅へ向かう途中で、文房具を売っているお店にふらっと立ち寄り、かわいい筆ペンとレターセットを購入。
いつも慌しい家族の旅行にはないこのまったり感。
そうだ、私はこんな風なぼんやりゆっくりした旅行がしたかったんだ、としみじみ思う。
駅前で、鎌倉のお土産と言えばあまりにも有名な鳩サブレを買って、帰りの電車に乗り込む。
コテコテだけど、鳩サブレはやっぱり美味しいのだ。
朝8時に待ち合わせて、家に着いたのが夜の8時近く。
12時間ののんびり旅行が終わった。
このところの心の中のもやもやが晴れた気がする。
自分一人では決して行かなかっただろう日帰りの遠出に誘い出してくれた友人に感謝
明日からまた頑張ります
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