ゆるゆるらいふ

とりあえず、今日も一日機嫌よく・・・

悪童 ~はじめてのライブ・ビューイング~

2015年09月07日 | 演劇

こんなにチケットが取れないとは

3年ぶりの舞台だという。

近くの映画館で千秋楽にライブ・ビューイングを上映するというので、申し込んでみたら、当たった

やってみるもんだ

で、珍しく夫と一緒に出かけてみた。

お話の舞台は、かつて町一番のレジャー施設「レジャーセンター竜宮」
今は閉鎖されて、廃墟となったこの建物の中に、一人の男が立てこもった。
男の要求は同級生の仲間4人をそこに連れてくること。
しぶしぶながら集まった仲間たちは、忘れていたり、記憶違いだったことを少しずつ思いだし・・・。

ある程度の年齢の地方出身者なら、思い浮かべるレジャー施設があるのではないだろうか。
ボーリング場とか、ゲームセンターが一緒になったような・・・。
そして、今はつぶれてしまって・・・。

警察に包囲されてるレジャーセンターに立てこもったチャックを演じるのは戸次重幸さん。
地元で家業を継いでいる。
警察に頼まれて、彼の説得を試みる市役所勤務の西クンを音尾琢磨さん。
チャックの要求で、かつての卓球部の仲間に必死で招集をかける。
その呼びかけに応じて一人、また一人と故郷を離れた仲間たちが集まってくる。
エリート会社員の紺ちゃんに森崎博之さん。
投資家として大金持ちになって、なんだか感じの悪い巻くんに安田顕さん。
昔からおちゃらけていて、今はそこそこ有名な芸術家となったエロッチに大泉洋さん。

なんとなく、みんなピッタリだ。

チャックはいつまでも昔の想い出の中に生きていて、心が前に進んでいない。
都会に出て成功しているかに見えるみんなも、実はそれぞれに色々な闇を抱えている。
実直な公務員の西クンは病気を抱え・・・。

そして、全員がかつて傷つけてしまった昔の仲間への苦い思い出がしこりのように残っている。

チャックの要求で昔の遊びをしたり、昔の想い出を話しているうちに、
それぞれが少しずつ記憶違いをしていたことに気が付く。

失意を胸に引っ越したと思っていた仲間が実は自分たちに感謝し、今は成功していることがわかったり、
とそれぞれの傷が少しずつ癒えて行く。


実はライブビューイングは初めて。

以前に舞台をテレビ中継で見たら、なんだかつまらなかったので、ちょっと敬遠していた、が、これがなかなか面白い

なにより映画館だとスクリーンが大きいので臨場感がテレビとは全く違う。
当たり前だ

それに席が後ろでも、よく見える。

舞台と違って、アップになっちゃったりするので、今しゃべってる人の表情がはっきりわかる。
ただ、その間、舞台にいる他の人たちがどんなふうなのかは全くわからない。

これが舞台との大きな違いな気がする。

ライブビューイングやテレビ中継はそこにカメラマンの意図が入ってしまう。
舞台だと、自分の好きなところに目を向けることが出来る。
それが、作者や演出家の意図するところとちがったとしても、だ。

ともあれ、NACSの皆さんの絶妙な間に大笑いしたり、じ~んとしたり。

何より、内容が私の年代にはなんとなくストライクな気がする。

仕事や子育てがひと段落して、ふと昔を振り返ったり、同窓会などで昔の仲間と会うことが多くなったり、
それぞれがそれぞれの「あのころ」を思いだし、胸が暖かくなったり、苦いものがこみ上げたり・・・。

昔の仲間に会うと一瞬にあのころの自分に戻ってしまう。

もしかしたら自分に都合のいいように記憶を違えているかもしれない。
けれど、あのころの自分が今の自分の背中をおしてくれるような。

こんな風に思うなんて歳とっちゃったなあ~、なんて思いながら、また明日も頑張ろうと思う。

演劇だけれど、長編の映画を観たような不思議な感覚になった、初ライブビューイングでした











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