「ハムレットQ1」
作 ウィリアム・シェイクスピア
訳 松岡和子
演出 森慎太郎
2024/5/18 PARCO劇場
恥ずかしながら、ハムレットってどんなお話なのか、ちゃんと知らない。
無くなった王様の亡霊がなんとかかんとか・・・
シェイクスピアもいくつか観たけど、正統派って感じのは観たことないかも。
今回は若き王子ハムレットを演じるのが
そこそこベテランの女性である吉田羊さん
失礼ながら若くは無いし、男性でもない。
吉田羊さんは大好きな女優さんなので、どんなことになるかワクワクして出かけて行った。
始まってすぐの歩哨たちの会話が聞き取りにくいな~って思ってたところに
スッと話し始めた羊さんの言葉の聞き取りやすいこと!
大きな声ではないのに正面を向いてるわけでもないのにはっきりくっきり聞こえる。
そして、心地よい。
しゃべり方、仕草でどんどん若い王子に見えてくる。
気がふれたふりをしているときと、シリアスになるときの落差もすごい。
しゅっとして素敵な吉田栄作さんが策士で悪人のクロ―ディアスを演じると
優しそうで素敵なだけに怖さが倍増!
国王を病気に見せかけて殺した上に、王妃でハムレットの母親ガートルード(広岡由里子さん)と早々に再婚。
王妃もどうかと思うけど・・・
ハムレットも殺してすべてを手に入れようとあれやこれやと画策する。
王妃はすっかり騙されてるけど、最後に気づいて息子を守る。
ここで母性を見せたのがせめてもの救いだな~
可愛そうなのはハムレットの婚約者、オフィーリア。
敵を欺くには味方から、のハムレットのお芝居に気が付かず、
(まあ、これは絶対にわからない)
父を殺され、気がふれてしまう。
あげくおぼれて死んでしまうなんて、悲惨すぎる。
最終的に誰一人として幸せになれない。
確かに悲劇だ。
ハムレットってこんな話だったんだ、と今さら思う。
それにしても吉田羊さんがすごい。
母であるガードル―ドの変わり身の早さに傷つき、
オフィーリアをだましていることに後ろめたさを感じ、
亡くなってしまったときは深い悲しみに暮れ、
父の姿を追い求め・・・
大人と子供と次期国王の威厳との間を行ったり来たり。
つらい現実に苦しむ姿に見ている方も胸を締め付けられ、
もう「若き王子」にしか見えない。
いままでシェイクスピアの舞台って
まあいいか、と思ってそんなに観に行っていなかった。
人間の業のようなものがいろいろな形で散りばめられていて、
現代にもそのまま通じるのがすごい。
遠い昔から長く長く演じ続けられてるのがわかった気がする。
行ってよかった~
実はこのチケットは生協の抽選に申し込んでいたのだけれど、
そのあと股関節の手術で入院して、生協を止めていたので、
抽選結果を見ておらず、そのまま忘れていたところにチケットが送られてきてびっくりした。
一緒に行ってくれるはずの友人が前日に体調を崩し、
急遽2日前に別の舞台に一緒に行った友人に声をかけて付き合ってもらうこととなった。
突然の誘いに快諾してくれた友人に感謝!
体調を崩した友人とは6月にまた会えることになっている。
その日まで、お互いコンディションを整えておきましょう
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