クリニックに勤務する長男の上司が(二人とも事務職)、お昼休みに近所のお店に食事に行って、ずーんとへこんで帰ってきたと言う。
隣のテーブルで食事をしているご夫婦の会話が聞こえてきたとのこと。
「医療従事者って服とか髪の毛にいっぱいウィルスをつけたまま、こういうお店でご飯食べたりするのかしら?」
一瞬、自分のことを知っていて話してるのか、とドキッとしたけど、どうもそうではないらしい。
夫が「そんな失礼なこと言うもんじゃない」と注意したので、ちょっとほっとしたものの、なんだかご飯は美味しくない。
近所の人の中には自分を知ってる人も少なからずいるので、しばらくは近所で外食するのは控えようかな、と上司。
テレビなどで、医療従事者への差別があるというのは見ていたが、やっぱりホントにあるのね、とちょっとびっくり&がっかり。
そんな話を息子たちが子供の頃お世話になった英会話の先生(オーストラリア人、現在オーストラリア在住)にSkypeで話したところ、彼はひとしきり憤ってくれた後でこう言った。
彼ら(長男を含む医療従事者)はunsung hero(アンサングヒーロー)だ、と。
英語の意味がよくわからず、ポカンとしていたら、日本語訳を画面に出してくれる。
讃えられない、歌詞に載らない、いわゆる「縁の下の力持ち」
このことを長男に伝えたところ、「縁の下の力持ちっていうよりなんだかかっこいい」とちょっと喜んでいる。
横で聞いていた次男は
「いいなぁ、俺も言われたい」
などと言っている。
ちなみに次男はエレベーターのメンテナンスの仕事をしている。
彼もまた縁の下の力持ちなのかもしれない。
じゃあ、unsung hero兄弟ってことで。
それにしても
3月ごろから、じわじわとstay homeとなり、家族がみんな家にいる中、長男は毎日きちんと出勤していた。
コロナ患者を受け入れるような大きな病院ではないけれど、コロナ以外の病気の人だってもちろんいるから、病院は休めない。
さらに、コロナの影響で赤字になり、ボーナスなんて1か月分もない。
よくやってられるなあ、と思っていたくらいだ。
それなのにそんな風に言われちゃうんだなあ。
夫も私もそれほど教育熱心ではなかったし、息子たちもお勉強が好きではなかったから、彼らは「いい大学」にも行ってないし、エリートでもない。
けれども、彼らは、地味で目立たないけれど誰かがやらなければならない仕事を休むことなく毎日黙々とこなしている。
買い物帰りの車の中できれいな夕焼けを見ながら、母はそんな彼らをちょっと誇りに思ったりしてるのだ。
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