人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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大澤武男『ローマ教皇とナチス』(文春文庫)

2009-06-27 06:36:57 | 読書
大澤武男氏(66)はドイツ在住、ドイツ・ユダヤ人史を研究している。歴史好きの
私は、昔からなぜか、「ユダヤ人」、「ヒトラー」に興味がある。したがって、大
澤武男氏の著作を読むことが多く、「人生ブンダバー」でも何冊か取り上げてき
た。大澤氏の、比較的最近の作『ローマ教皇とナチス』をおもしろく読んだ。

ここでいうローマ教皇はピウス十二世であり、その在位期間はヒトラーの侵略戦
争、ユダヤ人の迫害、虐殺の時期と重なる。ピウス十二世はなぜヒトラーに沈黙し
てしまったのか。それが本書のテーマである。

一読後の、私の整理では、ヒトラーか共産主義(--「宗教は阿片」として認めな
い。)の選択を迫られ、ナチズムを「許容」したのではないだろうかということに
落ち着いた。(--イタリア人のピウス十二世は個人的に親ドイツ感情を持ってい
た面もあるようだが。)

長期的にユダヤ人の迫害(最終的にはジェノサイドまで行き着くのだが。)にキリ
スト教教会が果たした「役割」も重たい問題である。ピウス十二世以後の教皇はユ
ダヤ人に対する謝罪を表明している。




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