人生ブンダバー

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6/22 第68回東西四大学合唱演奏会(長文)

2019-06-28 05:00:00 | 音楽

6月22日(土)、第68回東西四大学合唱演奏会(四連)を聴く(於す
みだトリフォニーホール)。

あざみ野でゲリラ豪雨に合う。錦糸町を降りると降っていなかった。
会場へ向かっていると後ろから「やあ」と声を掛けられる。見るとTop
のH先輩だ。

開演20分ほど前に会場に着くと、いかにも四連らしく、ホール前は若
い人が集まっていた。


<プログラム>
エール交歓
1.慶應ワグネル)男声合唱組曲『青い小径』(男声版委嘱初演)
 作詩;竹久夢二 作曲;森田花央理 指揮;雨森文也 ピアノ;平林知子
2.同志社グリー)男声合唱とピアノのための組曲『回風歌』
 作詩;木島 始 作曲;松本 望 指揮;伊東恵司 ピアノ;水戸見弥子
--休憩--
3.関学グリー)『Messe Solennelle』
 作曲;Albert Duhaupas 指揮;広瀬康夫
4.早稲田グリー)男声合唱とピアノのための組曲『天使のいる構図』
 作詩;谷川俊太郎 作曲;松本 望 指揮;清水敬一 ピアノ;小田裕之
--休憩--
5. 合同ステージ)男声合唱組曲『IN TERRA PAX 地に平和を』
 作詩;鶴見正夫 作曲・指揮;荻久保和明 ピアノ;中島 剛
*合唱団名は略称です。



以下、いつもながら、つたないコメントにご容赦を
(極力「予見」、「先入観」を排したものを。一部、「どうでもいい
こと」を含む)。

入口でプログラムをもらい、まっすぐ座席(1F-4-28)へ。 今回は、
前から4列目の席で、どうかしらんと思ったが、結論的には声がバラ
バラに聴こえることもなく、このホールで合唱(声楽)を聴くにはな
かなかいい席だった(1階後方よりいいかもしれない)。

午後3時15分に「本日は・・・・・・」とアナウンス。 プログラムを「予習」
していると後ろから肩を叩かれる。ブログを愛読いただいている、早
稲田グリーの先輩Hさんだった。

3時25分にチャイム、「まもなく開演でございます」。
29分、「大変長らくお待たせしました。・・・・・・」。
左右から続々登場。山台は7段か、180人ほどが登場。
出そろったところで、4人の「学生指揮者」が拍手とともに入場した。


エール交歓
慶應ワグネル)
ドミソドの和音で始まる。力まない、アンサンブルを大切にした、柔
らかめの「塾歌」。そもそもアンサンブルはいい「塾歌」の必要十分
条件?信時潔はいいですね~。
同志社グリー)
ユニソン開始。速めのマーチ風。元気いっぱい(やや荒っぽかった?)。
関学グリー)
ミソの和音開始。「Kwansei」の表情が上手い。前半、Topは声を温
存、無理しなかった。
早稲田グリー)
1番はユニゾン。ユニゾンは意外と難しい。いつも、個人的に思うが、
「名をばたたえん」は多少やり過ぎの感。


今回あらためて思ったが--四連は東西四大学がそれぞれ力を入れて
いるだけに、毎回トップクラスの演奏を聴かせてくれる。指揮者、ピ
アニストもトップクラスであり、また演奏にあたっては無論全員が暗
譜であり、演奏自体悪いはずはない。

ご参考資料)下記は、この10年の団体別出演概算人数だ(年度は西暦
ベース)。 

   09  11  13  15  17  19
慶應  28  34  40  46  53  41
早稲田  70  82  50  56  53  52
関学  45  53  70  76  71  56
同志社  22  30  50  44  44  35



エール交換が終わり、ピアノや指揮台等の搬出等3分ほどで準備する。

[ ]内は演奏時間、概算人数
1.慶應ワグネル)男声合唱組曲『青い小径』(男声版委嘱初演)
 [16分30秒、41人]
作詩は、「大正ロマン」を代表するひとり、「宵待草」の竹久夢二だ。
夢二はナイーブな人だった?

拍手に迎えられてお二人の先生が登場。すぐに雨森先生(以下さん付
けに。)がワイアレスを握る。
 本日が男声版の初演です。学生の熱い想いから森田先生に編曲して
 いただきました(オリジナルは混声合唱)。森田先生ご本人からお
 話ししていただきましょう(作曲家の森田さんが客席から登場)。

(以下、森田さんのお話)
 この曲は私にとってもいろいろな想いのある大切な曲で、最初に学
 生さんからお話をいただいた時に、ちょっとお断りしたんです。
 というのは、例えば4曲目の「あなたの心」は圧倒的に女性の歌な
 ので・・・・・・。ところが、(学指揮の)山内さんがプログラムに書か
 れている、熱い想いをいただき、「あ~、この人は分かってくれて
 いるんだな~」と。
 スケジュールが厳しかったのですが、頑張りました。4曲目も本当
 に作品にしてくれて、学生さんに感謝します(拍手)。
というお話に、曲を聴く前にジ~ンと来てしまった(笑)。

雨森さんは指揮棒を持たない指揮。平林さんには譜めくりがいない。
(1)鐘
前奏から始まり、合唱(主旋律)の出だしはス~ッと心に入ってくる。
単なるfとかpではない、大きなデュナミークを生かした、「感情」
の高まりに圧倒される。

(2)花火
前奏からベース系の主旋律へ。雨森さんはいつも同様拍を刻まない、
気持ちの発露を大切にした、フレージング重視の指揮ぶりだ。

(3)ゆびきり
ピアノの音取りからア・カペラ開始。ジャズピアノの伴奏に合唱の
「絶唱」がグッと来る。ここでも通り一遍のfやpでないものを感じ
る。平林さんはさっと譜めくり。

(4)あなたの心
ア・カペラ開始(同上)。まことにデリカシーあふれる歌い出し。雨
森さんは一緒に歌い(無論声を出すわけではない。)、ゾーンに入る
指揮ぶり。
主旋律と他のパートとのバランスがすばらしい。Sec.パートの、音色
がそろった、再びの「あなたの心は鳥のやう」に図らずもゾクゾクっ
とした。

終わると、大きな拍手の中、再び森田さんが登場、雨森さんに促され、
学生指揮者山内さんと握手をした。


2.同志社グリー)男声合唱とピアノのための組曲『回風歌』
 [19分、35人]
ピアノの位置をやや奥へ。イスも交換。
伊東さんの濃紺の服がすてきだ。
(1)ppの無声音から開始。ffの叫びへ。いかにも「木島始」。「う
そぶくな(っ)」にハッとする。Topは重量級がひっぱる。伊東さん
もいつも同様、指揮棒なしの指揮。
(2)ピアノの音取り。ここでも無声音の使い方が上手い。主旋律の浮か
びだし方も上手だ。

(3)ピアノの音取り。ffの「とびちる」がすごい。伊東さんはいつも
同様さほど力まない、時に膝を使う指揮ぶりだが、合唱の鋭い語気が
心に突き刺さる。終盤は重量級のTopが渾身のfを出した。
やや少人数ながら、それに見合う選曲だったかしらん。


--休憩--
Sさん夫妻と白ワインを飲みながら談笑。Sさんは赤(ワイン)だっ
た。


3.関学グリー)『Messe Solennelle』  作曲;Albert Duhaupas
 [28分、56人]
 指揮;広瀬康夫
デュオパ(1832-1890)の荘厳ミサ--「関学初演70周年」だとい
う。60人に満たない人数でデュオパを歌うのは冒険では?と思ったが
・・・・・・。

合唱団が出そろったところで、指揮棒を持った広瀬さんが登場。広瀬
さんがサインを送ると一斉に半歩広げ、歌う姿勢に(関学のルーティ
ーンだ)。広瀬さんは暗譜の指揮。「自家薬籠中の物」と言えるかし
らん。
(1)Kyrieは破綻のない、完璧と思える合唱。attaccaで(2)Gloriaへ。
(2)3人のゾリのアンサンブルもすばらしい。

(3)Credoが「Cre」と始まった瞬間に演奏を止めるハプニング。その
前にテナー系で一人が下手に退場したためだ。一瞬何が起きたのかと
思ったが、30秒ほどで、何事もなかったかのように、再び(文字どお
り)「Credo(信じます)」へ。

9分ほどの「Credo」が終わると、広瀬さんはさっと下手に退場。30
秒ほどで足早に登場。再び何事もなかったかのように、attaccaで(4)
Sanctusへ(退場した方は大丈夫だったかな?)。

(4)~(5)3人や8人のSoliがよくまとまっている。
(6)声を出す合唱が求められるAgnus Dei--きつい曲だ。
全部で30分近いステージを歌い切った。

広瀬さんは拍手の中いったん下手に退場。再びすぐ登場、全員でおじ
ぎをした(一部おじぎを予想していない人がいたかな?)


4.早稲田グリー)男声合唱とピアノのための組曲『天使のいる構図』
 [26分、52人]
松本望さんが初めて書いた男声合唱曲。いろいろな、谷川俊太郎の詩
から楽語のタイトルで組曲を構成している。初演は伊東恵司さんとな
にわコラリアーズだという。
今回の四連、早稲田だけが1年生が入っていなかった(!)。もしか
したら小田さんは四連デビュー?

全員が正面を向くフォーメーション(他の大学は湾曲型)。清水さん
は穏やかな表情で登場。演奏開始まで、30秒と長い時間をかけて集中
する。
(1)Prelude
ハミングからゆっくりしたテンポ。清水さんはものすごい集中力で力
が入る。ソロもいい声だ。

(2)Capriccio
「おんなでもおとこでも」の半音階が印象的だ。

(3)Tempestoso
ピアノが活躍。お上手だ。破たんのないfの tutti が胸に迫る。まさし
く「嵐」?清水さんは全身を使って、「大暴れ」の指揮ぶり。

(4)Intermezzo
attaccaで続く。いろいろなことが要求される--フルボイスもあるが、
デリカシーもある曲。母音が見事にそろう。撥音のタイミングもいい。
清水さんは両手を駆使した指揮ぶりだ。

(5)Finale
インテンポに刻む前奏から、いかにも「終曲」。パートの音色がそろっ
た、いい演奏だ。力任せでない、いいfがブンダバーだ(まことに失礼
ながら、早稲田グリーと思えない?)。

演奏が終わると、清水さんは譜面台方向へゆっくりおじぎ。合唱団の一
人ひとりに向かって指を指す。紅潮した顔で振り向いた。

 --休憩--
大きく言えば、いずれ劣らぬ演奏が続いたので、CDを注文する。--
いつにも増して高水準の四連だ。


5. 合同ステージ)男声合唱組曲『IN TERRA PAX 地に平和を』
 [26分30秒、170~180人]
作曲者による自作自演ステージ。ピアノも重要な役割。荻久保さんは、
ほぼ私と同世代だ。お若いと思っていたが、60代半ばとなった。眼鏡、
燕尾服(?)で登場。今回は、指揮棒なし。

(1)知った
暗譜の合唱はやはりいい。ダイナミックレンジに収まらないかのよう
なfに圧倒される。ピアノが負けるのでは?録音は大丈夫?
子音の使い方がうまく、「言葉」が伝わってくる。
曲間は30秒以上と長く取る。

(2)OH MY SOLDIER
荻久保さんは「心から」のジェスチャー。メロディーに「歌」がある。
「OH MY SOLDIER」では渾身の指揮ぶりだ。「気持ち」の音楽作り
が感じられる。
ここでも曲間は「ウンウン」とうなづきながら30秒以上の間。

(3)花をさがす少女
ベトナム戦争の写真が目に浮かぶ(今の若い人は知っているかしらん)。
パッションのカンタービレが涙を誘う。ピアノの間奏にも指揮。
みたび30秒のポーズ。

(4)ほうけた母の子守歌
ピアノの前奏がきれい。のびのびとしたカンタービレの合唱がいい。
合同演奏だが、Sec.パートがそろっている(そもそもそろっているの
が「合唱」だが。)

(5)IN TERRA PAX
一転してattaccaで(5)へ。一転して、感動的に明るくなる。合唱が大
きく歌い上げる。最後はコバケンならぬ熱情型の指揮ぶり。最後はブ
レスの入った「PAX」のffで終わった。

拍手とブラボー(私も)が起こり、荻久保さんはいささか放心状態で
指揮台をガクッと降りる。


アンコールは『季節へのまなざし』の終曲「ゆめみる」。
荻久保さんは間奏で、眼鏡をはずし、汗をぬぐう。ソロ部分を過ぎ、
後半はステップを踏むような指揮。「盛り上がり」は、これぞ男声合
唱!fからpへの転換にハッとする。荻久保さんは終盤に入ると譜面
をすべてめくってしまった。

最後のfのフェルマータが終わると、いくつかのブラボーが飛び交っ
た。荻久保さんはメガネをとり、初めて笑顔になった。学指揮4人と
握手して退場する。

ここでピアノを下手に搬出。譜面台も片づける。会場からは手拍子が
続くが、片付けが少人数で時間がかかる(2分半あまりが長い)。
最後は指揮台だ。ここで作業する人が、待ちくたびれた客席へ一礼す
ると「大受け」するのだが。

ステージストーム
慶應ワグネル)初めて聴くAllegroの曲。何語かしらん--「例えば」
インドネシアの合唱かな。最後は足踏みを一発。
同志社グリー)「黒人霊歌」。いささかお疲れ気味?だが、頑張る。
関学グリー)定番の「ウ・ボイ」。両腕の力が抜けた、いいフォーム
だった。
早稲田グリー)こちらも定番(?)「斎太郎節」。いつもながら掛け
声がすごい。

午後7時7分お開き。


帰りに再び早稲田OBのHさんと。「ブログはゆっくり書いてくださ
い」。
同期のMさんともバッタリ。駅まで一緒に歩いたが、詳しい感想を聴
き忘れた。



プログラム


13:24


13:27 雨の紫陽花


13:44 あざみ野


14:52


15:03


15:04


15:04 関学の広瀬さんがロビーに!出番までは2時間近く。


15:06 マイシートから


16:37 1回目の休憩


16:48


18:03 2回目の休憩 ロビーではCD、DVDを販売中


19:08 お開き


19:08


19:20


19:32 錦糸町 急行に乗る。


20:25


    *     *     *

中ソ対立から、中国はアメリカに接近した(1972年)。
米中対立の今、中国は日本に微笑みながら接近しているように見える。


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