人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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小林秀雄『戦争について』

2023-08-02 05:00:00 | 読書

小林秀雄が戦時中に書いたものをまとめた中公文庫が出た(2022
年10月)。

小林秀雄は戦争が終わった後、「利巧な
やつは反省するがいい」
という趣旨の発言をしたことは知っている。

では、戦時中は何を書いていたのか--戦時中の「同時代史」的
観点からまことに興味深いものだ。


小林秀雄は、高校時代、勉強の必要から読んだが、難しい。
かなりの国語力がいるものだった。
今読んでもなかなか難しい(笑)。


本書の巻末に掲載されている「座談 コメディ・リテレール」も
おもしろい。

これは、昭和21年に『近代文学』に招かれた座談会だ。『近代文
学』グループ--具体的には、荒正人、小田切秀雄、佐々木基一、
埴谷雄高、平野謙、本田秋五という「ある種のグループ」に囲ま
れて、見事に自己を主張している。

「僕は政治的には無智な一国民として事変に処した。黙って処し
た。それについて今は何の後悔もしていない。・・・・・・僕は歴史の
必然性というものをもっと恐ろしいものと考えている。僕は無智
だから反省なぞしない。利巧な奴はたんと反省してみるがいい
じゃないか」
という発言は、この座談会の後半に出てくる。

当時、小林秀雄はまだ43歳だった。

いい本が出た。


小林秀雄『戦争について』


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2 コメント

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Unknown (kenko@Nagoya)
2023-08-02 08:48:10
難しいものをお読みになるのですね。
私が今読んでいるものは「黎明日本左翼史・左派の誕生と弾圧転向1867-1945」(講談社現代新書)なるヤクザなものです。
返信する
Unknown (katsura1125)
2023-08-02 10:29:04
kenkoさま、早速のコメント有難うございました。

同書は、梅田の紀伊國屋書店で見つけました。荷物になるので、帰ってから買うことにしました(笑)。
返信する

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