小林秀雄が戦時中に書いたものをまとめた中公文庫が出た(2022
年10月)。
小林秀雄は戦争が終わった後、「利巧なやつは反省するがいい」
という趣旨の発言をしたことは知っている。
では、戦時中は何を書いていたのか--戦時中の「同時代史」的
観点からまことに興味深いものだ。
小林秀雄は、高校時代、勉強の必要から読んだが、難しい。
かなりの国語力がいるものだった。
今読んでもなかなか難しい(笑)。
本書の巻末に掲載されている「座談 コメディ・リテレール」も
おもしろい。
これは、昭和21年に『近代文学』に招かれた座談会だ。『近代文
学』グループ--具体的には、荒正人、小田切秀雄、佐々木基一、
埴谷雄高、平野謙、本田秋五という「ある種のグループ」に囲ま
れて、見事に自己を主張している。
「僕は政治的には無智な一国民として事変に処した。黙って処し
た。それについて今は何の後悔もしていない。・・・・・・僕は歴史の
必然性というものをもっと恐ろしいものと考えている。僕は無智
だから反省なぞしない。利巧な奴はたんと反省してみるがいい
じゃないか」
という発言は、この座談会の後半に出てくる。
当時、小林秀雄はまだ43歳だった。
いい本が出た。
小林秀雄『戦争について』
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私が今読んでいるものは「黎明日本左翼史・左派の誕生と弾圧転向1867-1945」(講談社現代新書)なるヤクザなものです。
同書は、梅田の紀伊國屋書店で見つけました。荷物になるので、帰ってから買うことにしました(笑)。