人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
現在は、暇に飽かして、日々更新。

11/20 フランツ・ウェルザー=メスト/ウィーン・フィル

2018-11-28 05:00:00 | 音楽

11月20日(火)、ウィーン・フィル in japan の演奏会(於サントリ
ー・ホール)。
今年の指揮者は、フランツ・ウェルザー=メストである。

チケットは、今年4月28日(土)10時発売と同時にネット注文し、10時
15分に「ゲット」(*)した。--普段の演奏会のチケット価格の10倍
以上を張りこんだものだ(新日本フィルの定期会員券年間分より高い[
笑])。
(*)「ゲッツ」だとダンディ坂野になってしまう。

プログラムの記載によれば、最近のウィーン・フィルの来日公演は、
〇第29回 2011年10月 C.エッシエンバッハ
 第30回 2013年11月 C.ティーレマン/R.ブッフビンダー
〇第31回 2014年9月  G.ドゥダメル
〇第32回 2015年10月 C.エッシェンバッハ
〇第33回 2016年10月 ズービン・メータ/小澤征爾
〇第34回 2018年11月 フランツ・ウェルザー=メスト
であり、〇印のシリーズの1公演を聴きに行っている。

ウィーン・フィルの演奏会とあって、普段の10倍は「正装」して出かけ
る。P席には和装のご婦人が二人数えられる。

開演5分前、右サイドの客席RDに屈強な背広姿が数人立っている。定
刻のアナウンスが終わると右サイドの客席にテレビカメラと照明が入っ
てきた。
はたして(!)、その後に皇太子殿下が大拍手に包まれて入場された。

右側の最前列に着席されると、30秒ほどでウィーン・フィルがトップ
から入場してきた。これまた盛大な拍手に包まれる。コンマスは、R.ホ
ーネックさんかしらん。長身だ。

<プログラム>
1.モーツァルト オペラ『魔笛』序曲 K.620
2.モーツァルト ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491*
--休憩--
3.ブラームス 交響曲第2番 ニ長調 Op.73
指揮;フランツ・ウェルザー=メスト
ピアノ;ラン・ラン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団


1.モーツァルト オペラ『魔笛』序曲 K.620
弦楽五部は12型(12-10-6-8-4)。序奏の出だしが、Liveらしく「ア
イン・ザッツ」が乱れ、味がある。

余談になるが、ザッツが乱れるということは、コンクール的に言えば、
バツ(×、減点)だが、音楽的には必ずしもそうとは限らない。真に
感動のある演奏(おもしろい演奏)は、もっと深いところにあり、コ
ンクール的にまったく乱れのないものとは違う。

一例をあげれば、マラ9で最も感動的な演奏(CD)は、バーンスタ
イン/ベルリン・フィルの1979年LIVEだと言われているが、それは、
<結果として(という点が重要だが)>「満身創痍」、キズだらけの
ものだ。

それはともかく、ウィーン・フィルを聴くといつも感じることだが、
弦の音量が大きく、管の音が柔らかい。フランツ・ウェルザー=メス
トは、膝を使わず、ほとんど直立の指揮ぶりだ。演奏後の拍手にはひょ
こんとしたおじぎ。

いったん第1ヴァイオリンが退席。その山台が下がり(油圧式?)、ピ
アノが正面へ。


2.モーツァルト ピアノ協奏曲第24番 ハ短調 K.491*
モーツァルトのピアノ協奏曲はほとんどが長調だ。第24番は少ない短
調の一つ。

出だしはベートーヴェン風だ。ウェルザー=メストはpの部分はほと
んど振らない。3分ほどの箇所でラン・ランの弾く弱音が美しい。ラン・
ランは上体を柔らかく動かす。粒立ちがきれいで、これ以上ないpp
も美しい(美しすぎる?)。木管が全体への「溶け込み」が上手く、す
ばらしい。ウェルザー=メストはほとんどピアノを見ない。

第2楽章もラン・ランのピアノはまことにロマンチックだ。ここでも自
己主張し過ぎない木管がすばらしい。すぐへの第3楽章、弦楽合奏に力
が入る。ラン・ランのppが美しい。

ラン・ランは初めて聴いたが、モーツァルトにしてはいささかウェット
だったかしらん(内田光子さんの顔が浮かんだ)。

演奏後の盛大な拍手の中、ラン・ランは、ウェルザー=メストと抱擁後、
コンマスと握手したところで正面を向き、拍手に応える。二人のご婦人
が客席から花束贈呈。ラン・ランは左手を殿下にあげ、ひざまずくよう
なおじぎをする。

アンコールは、何も言わずに着席、ゆっくりした左手の伴奏に乗って、
右手の音が美しかった。
ここでも客席から花束が「殺到」。ラン・ランは、また左手を皇太子殿
下方向へあげ、最敬礼をした。


3.ブラームス 交響曲第2番 ニ長調 Op.73
ブラームス交響曲第2番は、1877年ウィーン・フィルによって初演され
ている。指揮は、おもしろいことにワーグナー派と言われたハンス・リ
ヒターだ。

(1)弦楽五部は、1st15、2nd14、ヴィオラ12、チェロ10、コントラバ
ス8という構成。フルートは本ステージから金色、女性奏者になった。
前傾姿勢で吹く。

(2)低弦(チェロ&コントラバス)開始。どこと言って変わったところ
がない、堂々とした演奏だ。日本のオーケストラとどこが違うのかしら
ん?

(3)やや速いテンポの入り?ダイナミックレンジが大きい。細見の女性
フルートが食いつきそうな熱演。すぐ第4楽章へ。

(4)出だしからアドレナリンに満ちた、ものすごい全力投球。ウィーンで
もそうそう見られない光景だろう。ウェルザー=メストの動きは激しく
なり、腕の振りも大小入りまじる。pからfへのアイン・ザッツが集中
する。
ラスト3分は、「さあ行くぞ」とばかり、ムチが入り、全員がゴールを
目指し、必死に演奏した(ブラームスにしては張り切り過ぎ[笑])。

当然に、ブラボーの嵐に。チェロの最前列の一人が足早に上手に退場
(弦が切れた?)し、後ろから詰める。
オーボエ、フルート(女性)、クラリネット、ファゴット、ホルンと立
たされる。

アンコールはゆっくりとした出だしからウィンナ・ワルツへ。後半は大
きく揺れた。
ウェルザー=メストはさほどおじぎせず、2曲目のアンコールへ。こき
みよく、乗りに乗った演奏だった。
またもブラボーの嵐に全員が立つ。1分ほどでお開きとなった(9時16分)。

ウィーン・フィルが退場したところで、ウェルザー=メストが一人再
登場し、拍手に応えた。1階の客席が退場し始めるのと並行し、大きな
拍手に包まれ、殿下が会釈をされて退場された(来年は「天覧演奏」?)。


PS 
そういえば、評論家の東条氏が来ていた。この演奏会の氏の評論は読ん
でいないが。



チラシ


プログラム




16:50


16:56


17:01


17:04


17:35


17:44


17:47


17:48


17:56


17:59


18:01


18:01


18:02


18:04


18:07


18:07 チラシはパス(もらわない)。


18:19


18:20


18:21


18:21


18:23


18:33


18:37 2階通路側の席


18:39


18:46


18:48


18:48


18:49


20:00


20:02


20:02


20:10


20:13


21:21


21:24


21:26


21:29


21:37


21:40


21:51 青山一丁目


22:24 あざみ野へ戻る。


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