人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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ベートーヴェン「第九」聴き比べ(1)

2010-01-16 08:31:10 | 音楽
クラシック音楽を聴かない人からしばしば受ける質問が「指揮者によって音楽は違
うんですか?」というものがある。詳しく説明しだすと時間が長くなるし、専門的
な評論家でもないのに衒学(げんがく)的ととられるのもいやなので、たいていは
「そうね~、結構」という答えになる。

今回は、ベートーヴェンの「第九」の聴き比べと洒落(シャレ)てみよう。名曲だ
けあって何十枚もの演奏が出ているが、私に2枚だけに絞れといわれれば下記の演
奏になるだろう。


1.フルトヴェングラー/バイロイト祝祭管弦楽団(1951/7/29、ライヴ)
 第二次大戦後、バイロイト音楽祭が再開された際の記念碑的な実況録音。この演奏のすば
 らしさについては、語りつくされているといっても過言ではない。
 第1楽章の出だしから第4楽章の終わりにいたるまで、いかにもフルトヴェングラー的、ロ
 マン的な解釈による演奏だ。デュナーミクの大きい、火を吹きそうな演奏といっていいだ
 ろう。50年以上にわたってベスト演奏の地位を維持している。
 録音が古いので、できればいい装置で再生したいものである。

2.クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団(1957/10~11)
 ヴィルヘルム・ビッツ合唱指揮のフィルハーモニア合唱団が魅力の一つである。クレンペ
 ラーとフィルハーモニア合唱団は、このほか、ブラームスの「ドイツ・レクイエム」、バ
 ッハ「マタイ受難曲」、ヘンデル「メサイア」、ベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」の
 名演を残している。
 少しもこせこせしたところのない、スケールの大きさを味わうことができる。第2楽章は
 上記「1」が11分57秒であるのに対して、15分34秒とゆっくりめであるが、リズムはいき
 いきとしている。フィナーレはフルトヴェングラーとはまったく違った、どちらかといえ
 ばザッハリッヒな、しかし堂々たる演奏。他の演奏とは器が違う。




フルトヴェングラー盤


クレンペラー盤

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