「音楽史」部門で持っているCDはほとんどないが、D.マンロウを取り
上げたのを機に、あらためて作曲された年代順に整理してみた。
いずれもシンプルないい音楽であり、いい演奏だ。
1.『十字軍の音楽』D.マンロウ/ロンドン古楽コンソート
私は日本史で受験したこともあり、その後も昭和史の本ばかり読んで
いたこともあり、世界史に弱いが、実は高校時代の担任のお一人は世
界史の先生(私より一回り上の、当時はお若い先生だった。今もお元気
で、今年も年賀状を頂戴した。)である。今からでも世界史の大きな流
れは勉強し直したいと考えている(考えているだけ?)。
十字軍とは?--11世紀から13世紀の時代だ。キリスト教世界から
見れば、聖地イェルサレム奪還の「聖戦」だが、イスラム世界から見れ
ば「侵略」されたということになるのだろうか。
十字軍遠征の影響で東西の交流が活発になった。また、十字軍の失
敗で、教皇権が衰退し、逆に国王の権威は高まった。
2.『インスブルックよ、さようなら~マクシミリアン1世の宮廷音楽』
N.アーノンクール/ウィーン少年合唱団他
マクシミリアン1世(1459~1519)は、ハプスブルク家の隆盛を築い
た(ハプスブルク帝国は、第一次世界大戦まで650年続いた)。マク
シミリアン1世は、神聖ローマ帝国の皇帝だった。マクシミリアンは音
楽好きで、ウィーン少年合唱団の前身である宮廷礼拝堂少年聖歌隊
がこの時代に創設されている。
ハインリヒ・イザーク(1450?~1517)の「インスブルックよ、さよう
なら」やコスタンツォ・フェスタ(1480~1545)の「だれが私たちの目
に涙の泉を」(マクシミリアン1世の死をいたんだ曲)は、今聴いても
感動的だ。
3.『イタリアのマドリガーレ集』
アマリリス・コンソート
「マドリガーレ」とは?にわか勉強だが、一般的にはルネサンス・マド
リガーレを言う。つまりは16世紀~17世紀の音楽--とくに世俗声
楽曲である。16世紀と言えば、宗教改革だが、イタリアではまだまだ
ローマ教会の権威が強かった?ここでは、ラッススあたりからモンテ
ヴェルディまでが収められている。
ちなみに東京都美術館では「ボッティチェリ(1445?~1510)展」が
開かれている。
4.『愛の笛/デイヴィッド・マンロウ・リコーダー名曲集』
D.マンロウ、C.ホグウッド他
このCDでは、17世紀後半~18世紀前半の音楽が収められている。
「ソナタ ヘ長調 op.1-11」はヘンデルの初期の作品であり、バロッ
ク音楽に近づいていると言えるのかしらん。
5.『18世紀フルート協奏曲集』
ランパル(フルート)、J.ルーセル/アンティクァ・ムジカ・オーケストラ
フルート(横笛)が活躍し始めるのは17世紀後半になってからである。
それまでは縦笛、すなわちリコーダーが主流だった。
ここでは5人の作曲家のフルート協奏曲が収められている。「フルート
協奏曲 ハ長調」は、プロイセン王のフリードリヒ2世(1712~1786)
の作品だ。フリードリヒ2世は啓蒙専制君主だった。ドイツにジャガイ
モの栽培を広めたらしい(サツマイモを広めたのは青木昆陽?)。
最新の画像[もっと見る]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます