人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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金井徹作品演奏会 2010

2010-03-27 05:07:02 | 音楽
大先輩Sさんにお誘いいただき、在野のといっていいのだろうか、作曲家金井徹さ
んの作品演奏会を初めて聴いた。(3月21日(日)、内幸町ホール)金井さんは作
曲はまったくの独学だという。何にでも作曲なさるそうだ。

内幸町ホールは千代田区立、200席弱のホールである。

(プログラム)
1.歌曲集より
ソプラノ;本宮寛子
(1)半分かけたお月さま(作詩;小野ルミ)
(2)荒磯(ありそ)(三好達治)
(3)うぐいす(佐藤春夫)
(4)汽車に乗って(丸山薫)
(5)出さない絵葉書(新川和江)
(6)やさしい日によせて(堀場清子)
 本宮さんはデビュー40周年になるという。伊藤京子さんのような明晰な日本語に
 ひきつけられた。(1)はリフレインが多く、どこを歌っているか分からなくな
 りそう。(5)はなんともいえぬ世界に文学性を感じた。

バリトン;綱川立彦
(7)もらった火(竹中郁)
(8)逸題(いつだい)(井伏鱒二)
(9)酒説(しゅせつ)(城左門)
 間に、ちょっとした軽妙なおしゃべりを交え、多少の動きも入れ、歌い上げた。

ソプラノ;本宮寛子
メゾソプラノ;天田美佐子
(9)二人のソプラノによるバラード「菜の花と小娘」 原作;志賀直哉
 客席も使って、お二人でお芝居の世界を作り上げた。季節性を感じる、春らしい
 曲だった。


2.連作歌曲「五つの江戸小咄(こばなし)」 バリトン;綱川立彦
(1)小声
(2)間違ひ
(3)塩物屋
(4)悋気(りんき)・・・・・・やきもちのこと
(5)墓参り
 これはおもしろかった!落語といっても上方落語のように舞台中央に「見台」が
 置かれており、「めくり」もあった。綱川さんは和服で登場。表情たっぷりに小
 咄を歌った(演じた)。(4)の後では「ちょっと分かりにくかったですネ」と
 つぶやかれ、会場はクスクス。まさしくキャラクター・バリトンの面目躍如!?


3.メゾソプラノによるエッセイ「孫と私の時間」 
 原作;佐藤愛子 メゾソプラノ;天田美佐子
第1章 私はじいさんになる
第2章 サンタクロースが消える時
第3章 新しい言葉
第4章 百夜夜行(ひゃっきやぎょう)
第5章 子供の自然
 エッセイが歌曲になるとは!いかにも佐藤愛子の世界。第3章新しい言葉--
 「『自分さがし』の旅って何?」、「『癒し系』って何?」、「最近、心理学で『ウシ
 ウマ』ってよく聞くけれど。-- それもいうなら『トラウマ』でしょ」には大笑いだ
 った。

ピアノは、いずれも綱川惠さん。すてきな伴奏だった。


最近つくづく思うけれど、音楽って幅が広くて、なにより深いですね~。
Sさん、貴重な演奏会、本当に有難うございました!




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