7月11日(土)曇り・晴れ、新日フィルの定期演奏会(トリフォニーシリーズ2日
目。錦糸町)で大変珍しい大曲を聴いた。無論生れて初めて聴く曲であり、今後も
もう聴く機会がないかも知れない。
F.シュミット「7つの封印を有する書」
ヨハネ;ヘルベルト・リッベルト
ソプラノ;増田のり子
アルト;加納悦子
テノール;吉田浩之
バス;クルト・リドル
オルガン;室住素子
合唱;栗友会合唱団
合唱指揮;栗山文昭
指揮;クリスチャン・アルミンク
コンサート・マスター;西江辰郎
解説によれば、F.シュミット(1874~1939)は生涯のほとんどをウィーンで過ごし
た。現在のスロヴァキアの首都ブラティスラヴァに生れているが、オーストリアの
作曲家といっていいであろう。マーラーの時代、当初はチェリストとしてウィーン
宮廷歌劇場に就職している。本作品はウィーン楽友協会125周年記念として作曲さ
れた巨大なオラトリオである。
本作品のテキストは『ヨハネの黙示録』(単に『黙示録』ともいう。)からとられ
ている。このヨハネは『ヨハネによる福音書』のヨハネと同一だという説と別人だ
という説があるようだ。
同じく定期会員の、ミッション・スクール出身の叔母に「黙示録って何ですか?」
と訊いたら「よく知らないのよ」とのことだった。詳しくはウィキペディア「ヨハ
ネの黙示録」ご参照→こちら--難しい!)
あとで字幕と『ヨハネの黙示録』を較べたら、当然のことながらほとんど同じだっ
た。
全曲の構成は次のとおりである。
Ⅰ.プロローグ (プロローグ、第1部約70分)
1.序文と挨拶
2.神によるヨハネ召還
3.天上の礼拝
4.小羊こそ巻物を開くにふさわしい
Ⅱ.第1部
1.前奏
2.第1の封印
3.第2の封印
4.第3の封印
5.第4の封印
6.第5の封印
7.第6の封印
--休憩--(約20分)
Ⅲ.第2部 (約50分)
1.間奏曲
2.第7の封印
3.悪魔の追放
4.怒りの日
5.最後の裁き
6.ハレルヤ
7.朗唱
8.エピローグ
シュミットの音楽は、現代音楽的な要素があるのかと思ったが、さにあらず、後期
ロマン派で、分かりやすかった。
ソリストの中では、大役であるヨハネ役ヘルベルト・リッベルト(テノール)が、
フォームといい、ブレスといい、ディクションといい、passaggioといい、後半の
思い入れといい、発音といい、すばらしかった。
またバスのクルト・リドル(--リッベルトとともに190cmはありそうな長
身。)も響き渡る第一声「われはアルファなり」にしびれた。チラシには「超豪華
ソリスト陣」とあったが、むべなるかな。
日本人のソリストも持ち味を発揮。加納さんのメゾはいつもながらいい声。ソプラ
ノの増田さんはたしか初めて聴いたがなかなか強い声だった。リリコ・レッジェー
ロの吉田さんは気がついたら芸大の准教授になっておられた。
混声合唱は、120人くらいであろうか、滅多にやらない曲を譜面持ちとはいえ、ま
ったく破綻はなく、よく練習していた。推測だが、かなりのエネルギーを要し、半
年以上は練習したことだろう。あえて難をいえば、ドイツ語自体が聴き取りにくか
った。字幕(大きな字で読みやすかった。)があるから意味は分かるのだが、硬い
柔らかいの問題ではなく、いくら耳をそばだてても、録音の悪い合唱のようで、言
葉(ドイツ語)が聞こえなかった。(アルミンクは何もいわないのだろうか。)
ただ、終盤のグレゴリオ聖歌風男声合唱はよかった!そして、エピローグで冒頭に
戻り、ヨハネの「私はヨハネである。私は神の言葉、イエスの証し・・・・・・」のあ
と、「アーメン」に全会衆(合唱)が唱和、大きな盛り上がりとなって終わった。
ブラボーのない静寂が30秒以上続き、聴衆も手を高くかかげる大拍手となった。
(5:20)
「カーテン・コール」ではヘルベルト・リッベルトが一人で登場。大拍手とブラボ
ーで迎えられた。最後に、アルミンクが深々と一礼し、お開きとなった。(5:29)
C.アルミンクは2011年まで音楽監督の契約を延長。またダニエル・ハーディングが
Music Partner of NJPとして、指揮者陣に加わることが発表された。
オーケストラ・シーズンもいよいよ夏休みに入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/40/69ac268d7415388c593d29ce1904fbaf.jpg)
目。錦糸町)で大変珍しい大曲を聴いた。無論生れて初めて聴く曲であり、今後も
もう聴く機会がないかも知れない。
F.シュミット「7つの封印を有する書」
ヨハネ;ヘルベルト・リッベルト
ソプラノ;増田のり子
アルト;加納悦子
テノール;吉田浩之
バス;クルト・リドル
オルガン;室住素子
合唱;栗友会合唱団
合唱指揮;栗山文昭
指揮;クリスチャン・アルミンク
コンサート・マスター;西江辰郎
解説によれば、F.シュミット(1874~1939)は生涯のほとんどをウィーンで過ごし
た。現在のスロヴァキアの首都ブラティスラヴァに生れているが、オーストリアの
作曲家といっていいであろう。マーラーの時代、当初はチェリストとしてウィーン
宮廷歌劇場に就職している。本作品はウィーン楽友協会125周年記念として作曲さ
れた巨大なオラトリオである。
本作品のテキストは『ヨハネの黙示録』(単に『黙示録』ともいう。)からとられ
ている。このヨハネは『ヨハネによる福音書』のヨハネと同一だという説と別人だ
という説があるようだ。
同じく定期会員の、ミッション・スクール出身の叔母に「黙示録って何ですか?」
と訊いたら「よく知らないのよ」とのことだった。詳しくはウィキペディア「ヨハ
ネの黙示録」ご参照→こちら--難しい!)
あとで字幕と『ヨハネの黙示録』を較べたら、当然のことながらほとんど同じだっ
た。
全曲の構成は次のとおりである。
Ⅰ.プロローグ (プロローグ、第1部約70分)
1.序文と挨拶
2.神によるヨハネ召還
3.天上の礼拝
4.小羊こそ巻物を開くにふさわしい
Ⅱ.第1部
1.前奏
2.第1の封印
3.第2の封印
4.第3の封印
5.第4の封印
6.第5の封印
7.第6の封印
--休憩--(約20分)
Ⅲ.第2部 (約50分)
1.間奏曲
2.第7の封印
3.悪魔の追放
4.怒りの日
5.最後の裁き
6.ハレルヤ
7.朗唱
8.エピローグ
シュミットの音楽は、現代音楽的な要素があるのかと思ったが、さにあらず、後期
ロマン派で、分かりやすかった。
ソリストの中では、大役であるヨハネ役ヘルベルト・リッベルト(テノール)が、
フォームといい、ブレスといい、ディクションといい、passaggioといい、後半の
思い入れといい、発音といい、すばらしかった。
またバスのクルト・リドル(--リッベルトとともに190cmはありそうな長
身。)も響き渡る第一声「われはアルファなり」にしびれた。チラシには「超豪華
ソリスト陣」とあったが、むべなるかな。
日本人のソリストも持ち味を発揮。加納さんのメゾはいつもながらいい声。ソプラ
ノの増田さんはたしか初めて聴いたがなかなか強い声だった。リリコ・レッジェー
ロの吉田さんは気がついたら芸大の准教授になっておられた。
混声合唱は、120人くらいであろうか、滅多にやらない曲を譜面持ちとはいえ、ま
ったく破綻はなく、よく練習していた。推測だが、かなりのエネルギーを要し、半
年以上は練習したことだろう。あえて難をいえば、ドイツ語自体が聴き取りにくか
った。字幕(大きな字で読みやすかった。)があるから意味は分かるのだが、硬い
柔らかいの問題ではなく、いくら耳をそばだてても、録音の悪い合唱のようで、言
葉(ドイツ語)が聞こえなかった。(アルミンクは何もいわないのだろうか。)
ただ、終盤のグレゴリオ聖歌風男声合唱はよかった!そして、エピローグで冒頭に
戻り、ヨハネの「私はヨハネである。私は神の言葉、イエスの証し・・・・・・」のあ
と、「アーメン」に全会衆(合唱)が唱和、大きな盛り上がりとなって終わった。
ブラボーのない静寂が30秒以上続き、聴衆も手を高くかかげる大拍手となった。
(5:20)
「カーテン・コール」ではヘルベルト・リッベルトが一人で登場。大拍手とブラボ
ーで迎えられた。最後に、アルミンクが深々と一礼し、お開きとなった。(5:29)
C.アルミンクは2011年まで音楽監督の契約を延長。またダニエル・ハーディングが
Music Partner of NJPとして、指揮者陣に加わることが発表された。
オーケストラ・シーズンもいよいよ夏休みに入る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/40/69ac268d7415388c593d29ce1904fbaf.jpg)
これ、聴きたかったんですよ。
ただちょっとこの演奏会の情報を手に入れるのが遅すぎて、土、日ともつまらない用事で都合が付けられませんでした。
素晴らしい演奏だったようですね。やっぱり行きたかったです。
「黙示録」は終末の話ですけど、わたしも良くわかりません。しっかり読んだこともないです(><;)。適当なクリスチャンです。
あらためて書くほどではない続き。
適当なクリスチャンなので、「黙示録」はほとんど学んでいません(ハズカシ)
合唱指揮の栗林文昭先生(武蔵野音大教授)のせいかどうか、若い方、学生風の方々もかなり来ておられました。
「(封印の)書」は、「巻き物」などと訳されたりしていますが、要するにBuch(Book)なんですね~。
この曲、まだまだ秋山さんとか下野さんとかが取り上げるかもしれません。