今から11年前、小田原少年少女合唱隊の桑原先生との<出逢い>
については、長~い話がある(→こちら)。
先月、桑原先生からお手紙をいただき、中田喜直没後20年企画の
CD『中田喜直童謡名選集』を紹介いただいた。
早速取り寄せ、聴いてみた。
本CDは中田喜直の童謡60曲が2枚のCDにギッシリ詰まったもの
だ(全曲歌詞付き)。
先月から時間を見つけては繰返し聴いているが、不思議なほど何
回聴いても飽きない。
一人でも多くの方に聴いていただきたいCDだ。
以下は、Disk 1、2のご紹介(--とても書ききれなくて、「一部」
になってしまってゴメンナサイ。続きはこの次に。)を兼ねたつ
たないコメントである。
Disk 1
1.かわいいかくれんぼ(タンポポ児童合唱団)
サトウハチロー(1903-1973)の詩による、いかにも童謡らしい
童謡。1から10まではサトウハチローの詩が続く。
サトウハチローはいろいろあって不良少年だった。
2.シャベルでホイ(友竹正則)
昭和30年代から平成の初めにかけて活躍したバリトン、友竹正則
(1931-1993。国立音大卒)は懐かしい!
日本語らしい、やや明るめの発声で、ハッキリした言葉で歌って
いる。
3.もんしろ蝶々のゆうびんやさん(日本女声合唱団)
速めのテンポの歌。リズムが伝わってきて、指揮したくなる。一
糸乱れぬ演奏とはこのことだ。
昭和50年代初め、何がきっかけだったか一人で、三宅洋一郎指揮、
日本女声合唱団の演奏会を聴きにいった。解説は中田喜直さんだ
った。「アダムとイブ」を聴いたような記憶が・・・・・・。
家のどこかにプログラムがあるかも。
4.お月さんと坊や(フェリス女声合唱団)
3とは一転して、ゆっくりした曲。しっとりした情緒が「伝わっ」
てくる。曲想が転換する「かわいい坊やと 坊やのおじぎ」には
思わずハッとさせられる。滅多に聴けない演奏といえばいいのか
しらん。思わず拍手したくなる。
5.べこの子うしの子(ダークダックス)
ヤンパパッパ、ヤンパパッパのリズムの乗った、若々しいダーク
ダックスの歌声が聴ける。自然に身体が揺れてくる。4人の個性
が生かされたハーモニーが見事だ。
6.夕方のおかあさん(フェリス女声合唱団)
私の大好きな曲。微妙なデュナーミクがすばらしく、ス~ッと心
に入ってくる。指揮者三宅洋一郎さんはどんな指揮ぶりだったの
かしらん。1番と2番で編曲が違っている点も魅力的だ。
7.モショモショフムフム(ボニージャックス)
ダークに続いてデビューしたボニージャックス(早稲田グリー出
身)は、またダークとは違った「音」だ。
8.夏です(中野慶子)
中野慶子さん(→こちら)は眞理ヨシコとともに初代「うたのお
ねえさん」。
9.今日も鳴らそか(西由起子)
どちらかというと、「うたのおねえさん」的ではなく、声楽的な
発声で歌っている・・・・・・と調べていたら、西さんは小田原少年少
女合唱隊から藝大(さらに大学院)に進まれた声楽家だった。西
さんは本CDで18曲を歌っている。
思わず桑原先生にお電話さしあげた。
10.わらいかわせみに話すなよ(ボニージャックス)
テレビで何度も聴いた曲で懐かしい。ダークにしてもボニーにし
ても、さすがプロになるだけはあるな~(笑)。
11.大きなたいこ(ひばり児童合唱団)
12.チリンチリンじてんしゃ(石井健三、矢野康子とそのグループ
+α)
13.かざぐるま(中川順子)
14.あひるの行列(ボニージャックス)
15.ひらひらちょうちょう(フェリス女声合唱団)
16.えっちら山のぼり(ボニージャックス)
17.はなのおくにのきしゃぽっぽ(フェリス女声合唱団)
まさしく汽車が走る、速めのテンポの曲。その中での、一体とな
ったクレッシェンド、ディミヌエンドがすばらしい。合唱団とし
て、一人ひとりの実力が想像される。
18.せみのうた(萩野智子)
19.りんご ころん(友竹正則)
20.みどりのおにわ(水上美恵子)
21.もりのよあけ(フェリス女声合唱団)
上記4と同様ユックリとした曲、しみじみ、しっとりと聴かせる。
フェリス女声合唱団はこのような歌が実にうまい。「童謡芸術」
といっていいのかもしれない。
22.そよかぜゆうびんさん(西由起子)
23.ネズミはなび(西由起子)
24.豆っこ打ち(フェリス女声合唱団)
太鼓などの鳴り物入りが楽しい。これまた、1番と2番で編曲を変
えている。
25.つんとうつらら(中野慶子)
26.つゆ草さいた(西由起子)
27.カニサンオメメ(ボニージャックス)
28.大という字(斎藤誠)
29.めだかのがっこう(眞理ヨシコ)
30.日暮れ坊主(西由起子)
31.怪我(島田祐子)
NHKテレビでも活躍された二期会の島田祐子さんが西条八十の詩
を歌っていて興味深い。
Disk 2
1~26 (略)
<中田喜直 3大名曲>
27.夏の思い出(日本女声合唱団) 昭和24年
有名な曲であって、難しい曲。日本女声合唱団が歌うと難しいと
感じない。
28.ちいさい秋みつけた(ボニージャックス) 昭和30年・・・37年
ボニージャックスの十八番の一つ。懐かしき「昭和」を思い出す。
29.雪の降る街を(高英男) 昭和26年・・・27年
NHKラジオ放送劇で時間が余ったため、急遽作曲された曲。
シャンソン歌手の高さんがややポルタメントをきかせて、味のある
歌を歌っている。
このCDを聴くと、あらためて懐かしい昭和と童謡の世界を思い
出す。
ちなみに本CDの企画はフェリスOGの城所恵子さん。
*一部に桑原先生がFMおだわらで放送された原稿を参照させて
いただきました。あらためて御礼申し上げます。
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ピアノ伴奏した曲や歌った曲がいっぱいです。
「アダムとイブ」は、音楽高校だったので
合唱の授業で歌いました。
「はじめに空がありました」の
ユニークなオクターブの始まりで
谷川俊太郎さんの詩はすぐ頭に浮かんできました(笑)
十数年合唱祭の時だけ伴奏していた
先輩の合唱団で「もんしろ蝶々のゆうびんやさん」
「はなのおくにの汽車ぽっぽ」も伴奏しました。
妹が小学生の頃、声楽の先生のところで歌っていた
「わらいカワセミに話すなよ」の
「ケケケラ ケラケラ ケケラケラとうるさいぞ」が
また脳裏に浮かびました(笑)
素敵な童謡や歌曲の数々を作曲されていて
ずっと昔、大学の同窓会で氏の講演会を催した時
国民的美少女と言われた後藤久美子さんのお母さんは
ご自分の教え子さんだとおっしゃったのも
思い出されます。
誰にでも「子供時代」はありますが、このCDを聴くと瞬時に「子供時代」に戻るものですね~。
同時に楽譜も発売中です。