『海の史劇』(新潮文庫)は日露戦争中の日本海海戦を描いた、吉村昭の「傑作」
である。友人に薦めたが、皆おもしろいと言ってくれた。

一種の戦記物であるし、日本海海戦は勝利した戦いであるが、「血わき、肉踊る」
というものではない。吉村昭は事実を一つひとつ冷静に積み重ねている。
敗軍の将ロジェストヴェンスキーは軍法会議の末、官位を剥奪され、失意のうちに
亡くなった。ロシアの指揮者ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーはその子孫では
なかったかしらん。
最後は、連合艦隊司令長官東郷平八郎の国葬の記述で終わっている。--「葬儀は
国葬でおこなわれ、葬列は1,524メートルにも及んだ」。(「1,524メートル」とい
うところが吉村昭らしい。)
である。友人に薦めたが、皆おもしろいと言ってくれた。

一種の戦記物であるし、日本海海戦は勝利した戦いであるが、「血わき、肉踊る」
というものではない。吉村昭は事実を一つひとつ冷静に積み重ねている。
敗軍の将ロジェストヴェンスキーは軍法会議の末、官位を剥奪され、失意のうちに
亡くなった。ロシアの指揮者ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーはその子孫では
なかったかしらん。
最後は、連合艦隊司令長官東郷平八郎の国葬の記述で終わっている。--「葬儀は
国葬でおこなわれ、葬列は1,524メートルにも及んだ」。(「1,524メートル」とい
うところが吉村昭らしい。)
日露戦争は、勝ち負けがはっきりしなかった所為か、この戦いの背景や戦後の影響、日露両国の認識等がばらばらして、実態を理解するのが難しいと思っていました。が、日露戦争100年の年に出た、横手慎二「日露戦争史」(中公新書)を読んでこのあたりのことが少し分かりました。吉村氏の日露戦争もの2冊と併せてご一読をおすすめします。
うございます。
横手慎二さんは慶應の教授なんですね。慶應の
政治学科には昔から中国、ソ連(ロシア)、北
朝鮮のウォッチャー先生がおられるのが伝統か
知らん。
『日露戦争史』は未読なので今度ぜひ読んでみ
ます。
また教えてくださいね~。