人生ブンダバー

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1/16 新日本フィル第551回定期

2016-01-19 05:00:00 | 音楽

1月16日(土)、ワグネル新年会を失礼して(ゴメンナサイ)すみだトリ
フォニーホールで新日本フィル定期を聴く。1月のトリフォニー定期は、
珍しく第551回、552回と2週連続開催される。

第551回は、ブリテンの大曲『戦争レクイエム』である。
ブリテンは平和主義者だった。第二次世界大戦中は、イギリスの兵役
を拒否して、アメリカで生活していたこともある。

『戦争レクイエム』は、英国コヴェントリー(市)のミカエル教会
(聖マイケル教会)に新たに建立された大聖堂の完成祝賀に委嘱され
たものである。

旧大聖堂は、第二次大戦中ドイツの空爆で破壊されている。私は、そ
れがその場所に復活再建されたものと思ったが、破壊された旧大聖
堂はそのままに、その隣に新たな大聖堂が建てられたようだ。

一見すると、通常のレクイエムかなと思ってしまうが、レクイエム(ラテ
ン語)の中に、ウィルフレッド・オーウェンの反戦詩(英語)が挿入され
ている。ご参考→こちら

オーウェンの詩の部分は、テノールとバリトンがソロで歌う。
私には、カトリック典礼文もさることながら、反戦詩の方にウェイトが
あるように聴こえる。

本作の日本初演は、昭和40(1965)年というから世界初演(1962年)
から5年も経っていない時期だ。ソリストは、伊藤京子、中村健、立川
澄人だった。

一方、小澤征爾もレパートリーとしているもので、昭和60(1985)年に
新日本フィルと演奏している。当時も定期会員だった頃だから、もしか
すると聴いているかもしれないが、記憶にない。


<プログラム>
ブリテン 『戦争レクイエム』 ( )内は演奏時間概算。
1.Requiem aeternam(永遠の安息) (11分)
2.Dies irae(怒りの日) (28分)
3.Offfertorium(奉献誦) (10分)
4.Sanctus(聖なるかな) (11分)
5.Agnus Dei(神の小羊) (4分)
6.Libera me(われを解き放ちたまえ) (23分)

指揮;ダニエル・ハーディング
Sop.アルビナ・シャギムラトヴァ(ロシア)
Ten.イアン・ボストリッジ(イギリス)
Bari.アウドゥン・イヴェルセン(ノルウェー)
合唱;栗友会合唱団
合唱指揮;栗山文昭
児童合唱;東京少年少女合唱隊
児童合唱指揮;長谷川文恵
コンサートマスター;西江辰郎
室内オーケストラコンサートマスター;崔文洙

さて、いつもながら、つたない感想を・・・・・・

客席の入りは、大曲とハーディング登場に90%以上かしらん。

まずメンバー表でメンバー配置を確認、オーボエ(金子亜未)とクラリネ
ット(生方正好)が客演で珍しいと思いきや、「室内オーケストラ」が上手
寄りに配置されており、古部さん(Ob)、重松さん(Cl)はそちら側だった。
開演前には、10人ほどの管楽器奏者が盛んに楽譜をさらっていた。

定刻の14時から栗友会合唱団が入場。舞台狭しと5段に並んだ。おそ
らく140~150人はいるだろう。
続いてオーケストラ、コンマスの西江さんが登場。
14時6分に、二人の大男(身長は190cm以上あるのではないかしら
ん?)が登場。ボストリッジは初めて見たが、やせ形長身のテノールだ。
ハーディングは一歩下がって控える。あれ、ソプラノは?ステージの上、
パイプオルガンのところに立つ。こちらも大きい。175cm?

東京少年少女合唱隊は私の席からはステージに見られなかったが、
ステージの横で歌っていたのかしらん。

音楽は、核戦争の恐怖の世界を象徴するかのように始まった。どこを
切り取ってもフォーレのような美しいレクイエムではない。

英語の詩も、ボストリッジもイヴェルセンも子音(--とくに語尾)をハ
ッキリ発音していた。演奏するものにもよるのかもしれないが、英語の
発音やディクションの勉強になる。

ソリストも合唱もほとんどビブラートのない発声。合唱もソリストも全員、
譜面を見ての歌唱。
意外とボストリッジが譜面を見ていた。しかし、聴く限りは、譜面を見て
いないかの歌唱であるのはさすがだ(と言っては、プロにかえって失礼
だろうけれど)。


1.Requiem aeternam(永遠の安息) (11分)
2.Dies irae(怒りの日) (28分)
 合唱が一斉に立ち上がる。ソプラノの第一声が強くて立派だ。
 室内オケが熱い。女声合唱のレガート唱法すばらしい。
3.Offfertorium(奉献誦) (10分)
 少年少女合唱と男性ソリストの掛け合い。
4.Sanctus(聖なるかな) (11分)
 ここでもシャギムラトヴァはやや太めのしっかりした声。
5.Agnus Dei(神の小羊) (4分)
 ボストリッジはノンビブラートで、子音強く「not hate」。
6.Libera me(われを解き放ちたまえ) (23分)
 オケのpp--録音に入るかしらん。ソリスト3人、栗友会、東京
 少年少女合唱隊がすべて登場。
 最終「Let us sleep now(さあ、そろそろぼくたちも眠ろう」、
 暗い色調に全員合唱(Libera me)がからむところは感動的だ。

 聴き取れないほどに消えていくが、ハーディングの左手が止まった
 まま下りない。ステージの全員が「祈り」を捧げる。10秒、20秒、
 ・・・・・・静寂が1分以上続き、ハーディングの左手がゆっくり降りた。
 両手が降り切り、緊張が解けたところで大きな拍手となった。

カーテンコールでは、合唱指揮の栗山さん、長谷川さんも登場。
合唱団とともに拍手を浴びていた。


D.ハーディングは、どんなに熱くなっても、バランスを崩さない指揮
者だ。そしてけっして偉ぶらない。

この日も演奏後にサイン会を開催していた。お疲れだろうけれど。



(参考)生年月日等
ハーディング;1975/8/31 40歳
シャギムラトヴァ;35歳前後? 
 「夜の女王」、「ドンナ・アンナ」などでまだまだ活躍しそうだ。
ボストリッジ;1964/12/25 51歳
イヴェルセン;1977/7/28 38歳



プログラム 左がダニエル・ハーディング




芽が出始めた。


冬のドウダンツツジ


12:05 あざみ野


温泉に行きたいな~。


錦糸町着


錦糸町に来た時に立ち寄るTOBUBOOKS


アルカキット錦糸町の大バーゲン


チャールズ・O・ペリー「ロンド」1997


開場したばかり


開演前 ボーエン作曲 幻想的五重奏曲

















終演後、右側はD.ハーディングのサイン会に並ぶ人々


錦糸町駅前 大道芸


つばめグリルで叔母さんと反省会






豚肉盛り合わせ


錦糸町

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