1月16日(土)、ワグネル新年会を失礼して(ゴメンナサイ)すみだトリ
フォニーホールで新日本フィル定期を聴く。1月のトリフォニー定期は、
珍しく第551回、552回と2週連続開催される。
第551回は、ブリテンの大曲『戦争レクイエム』である。
ブリテンは平和主義者だった。第二次世界大戦中は、イギリスの兵役
を拒否して、アメリカで生活していたこともある。
『戦争レクイエム』は、英国コヴェントリー(市)のミカエル教会
(聖マイケル教会)に新たに建立された大聖堂の完成祝賀に委嘱され
たものである。
旧大聖堂は、第二次大戦中ドイツの空爆で破壊されている。私は、そ
れがその場所に復活再建されたものと思ったが、破壊された旧大聖
堂はそのままに、その隣に新たな大聖堂が建てられたようだ。
一見すると、通常のレクイエムかなと思ってしまうが、レクイエム(ラテ
ン語)の中に、ウィルフレッド・オーウェンの反戦詩(英語)が挿入され
ている。ご参考→こちら。
オーウェンの詩の部分は、テノールとバリトンがソロで歌う。
私には、カトリック典礼文もさることながら、反戦詩の方にウェイトが
あるように聴こえる。
本作の日本初演は、昭和40(1965)年というから世界初演(1962年)
から5年も経っていない時期だ。ソリストは、伊藤京子、中村健、立川
澄人だった。
一方、小澤征爾もレパートリーとしているもので、昭和60(1985)年に
新日本フィルと演奏している。当時も定期会員だった頃だから、もしか
すると聴いているかもしれないが、記憶にない。
<プログラム>
ブリテン 『戦争レクイエム』 ( )内は演奏時間概算。
1.Requiem aeternam(永遠の安息) (11分)
2.Dies irae(怒りの日) (28分)
3.Offfertorium(奉献誦) (10分)
4.Sanctus(聖なるかな) (11分)
5.Agnus Dei(神の小羊) (4分)
6.Libera me(われを解き放ちたまえ) (23分)
指揮;ダニエル・ハーディング
Sop.アルビナ・シャギムラトヴァ(ロシア)
Ten.イアン・ボストリッジ(イギリス)
Bari.アウドゥン・イヴェルセン(ノルウェー)
合唱;栗友会合唱団
合唱指揮;栗山文昭
児童合唱;東京少年少女合唱隊
児童合唱指揮;長谷川文恵
コンサートマスター;西江辰郎
室内オーケストラコンサートマスター;崔文洙
さて、いつもながら、つたない感想を・・・・・・
客席の入りは、大曲とハーディング登場に90%以上かしらん。
まずメンバー表でメンバー配置を確認、オーボエ(金子亜未)とクラリネ
ット(生方正好)が客演で珍しいと思いきや、「室内オーケストラ」が上手
寄りに配置されており、古部さん(Ob)、重松さん(Cl)はそちら側だった。
開演前には、10人ほどの管楽器奏者が盛んに楽譜をさらっていた。
定刻の14時から栗友会合唱団が入場。舞台狭しと5段に並んだ。おそ
らく140~150人はいるだろう。
続いてオーケストラ、コンマスの西江さんが登場。
14時6分に、二人の大男(身長は190cm以上あるのではないかしら
ん?)が登場。ボストリッジは初めて見たが、やせ形長身のテノールだ。
ハーディングは一歩下がって控える。あれ、ソプラノは?ステージの上、
パイプオルガンのところに立つ。こちらも大きい。175cm?
東京少年少女合唱隊は私の席からはステージに見られなかったが、
ステージの横で歌っていたのかしらん。
音楽は、核戦争の恐怖の世界を象徴するかのように始まった。どこを
切り取ってもフォーレのような美しいレクイエムではない。
英語の詩も、ボストリッジもイヴェルセンも子音(--とくに語尾)をハ
ッキリ発音していた。演奏するものにもよるのかもしれないが、英語の
発音やディクションの勉強になる。
ソリストも合唱もほとんどビブラートのない発声。合唱もソリストも全員、
譜面を見ての歌唱。
意外とボストリッジが譜面を見ていた。しかし、聴く限りは、譜面を見て
いないかの歌唱であるのはさすがだ(と言っては、プロにかえって失礼
だろうけれど)。
1.Requiem aeternam(永遠の安息) (11分)
2.Dies irae(怒りの日) (28分)
合唱が一斉に立ち上がる。ソプラノの第一声が強くて立派だ。
室内オケが熱い。女声合唱のレガート唱法すばらしい。
3.Offfertorium(奉献誦) (10分)
少年少女合唱と男性ソリストの掛け合い。
4.Sanctus(聖なるかな) (11分)
ここでもシャギムラトヴァはやや太めのしっかりした声。
5.Agnus Dei(神の小羊) (4分)
ボストリッジはノンビブラートで、子音強く「not hate」。
6.Libera me(われを解き放ちたまえ) (23分)
オケのpp--録音に入るかしらん。ソリスト3人、栗友会、東京
少年少女合唱隊がすべて登場。
最終「Let us sleep now(さあ、そろそろぼくたちも眠ろう」、
暗い色調に全員合唱(Libera me)がからむところは感動的だ。
聴き取れないほどに消えていくが、ハーディングの左手が止まった
まま下りない。ステージの全員が「祈り」を捧げる。10秒、20秒、
・・・・・・静寂が1分以上続き、ハーディングの左手がゆっくり降りた。
両手が降り切り、緊張が解けたところで大きな拍手となった。
カーテンコールでは、合唱指揮の栗山さん、長谷川さんも登場。
合唱団とともに拍手を浴びていた。
D.ハーディングは、どんなに熱くなっても、バランスを崩さない指揮
者だ。そしてけっして偉ぶらない。
この日も演奏後にサイン会を開催していた。お疲れだろうけれど。
(参考)生年月日等
ハーディング;1975/8/31 40歳
シャギムラトヴァ;35歳前後?
「夜の女王」、「ドンナ・アンナ」などでまだまだ活躍しそうだ。
ボストリッジ;1964/12/25 51歳
イヴェルセン;1977/7/28 38歳
プログラム 左がダニエル・ハーディング
芽が出始めた。
冬のドウダンツツジ
12:05 あざみ野
温泉に行きたいな~。
錦糸町着
錦糸町に来た時に立ち寄るTOBUBOOKS
アルカキット錦糸町の大バーゲン
チャールズ・O・ペリー「ロンド」1997
開場したばかり
開演前 ボーエン作曲 幻想的五重奏曲
終演後、右側はD.ハーディングのサイン会に並ぶ人々
錦糸町駅前 大道芸
つばめグリルで叔母さんと反省会
豚肉盛り合わせ
錦糸町
最新の画像[もっと見る]
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
-
2/4 『フィレンツェの悲劇』、『ジャンニ・スキッキ』(新国立劇場) 18時間前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます