こういう言い方をすると先生は嫌がられるだろうが、畑中良輔先生の謦
咳(けいがい)に接した方は、かりにワグネルだけとしても千人を超え
るだろう。その一人ひとりに、忘れえぬ先生の思い出があるに違いない。
5月24日(土)に三回忌を迎えた、何千人分の一つの「私」の、畑中先生
の思い出を記録しておこう。
いつからだったか、畑中先生には、演奏会のつたない感想をお送りする
ようになった。手紙だったり葉書だったり。「タンホイザー」だったり、
「祈りの虹」だったり、「東京景物詩」だったり。ブラボーと書いた簡
単なものだったり。ご迷惑だったかもしれない。
先生からは、お忙しい合間を縫って、一年に一度ほどお便りをいただい
た。
畑中先生は、塚田佳男先生とともに音楽の友ホールの「日本歌曲シリー
ズ」を監修、運営(という表現でいいのかしらん。)されていた。進行
役は畑中先生で、そうそうたるメンバーが出演していた。私も時々、聴
きに行ったが、先生がいつも原稿を持たずに、いろいろなお話をされる
のは驚きだった。
「詩人シリーズ」で堀口大學を取り上げられたことがあった。先生のお
話は大変おもしろく、勉強になった。それからしばらく経って、工藤美
代子著『黄昏の詩人 堀口大学とその父のこと』(マガジンハウス)が
発売になったことをご連絡したのではなかったかしらん。
先生からは早速、独特の走り書きのお返事を頂戴した。
いつも興味深いFAXありがとう。また、ていねいに小生の仕事ぶり
を眺め、聴いて下さって、勇気づけられています。何せ仕事の範囲が
フツーの人の10倍ぐらい拡がっていて、寝るのが明け方の4時過ぎに
なりますが、それでも仕事は片づきません。毎日の積み残しが溜る一
方です。
堀口大学の詩を調べていた時、この本を知りました(書評で)。まだ
買っていないのですが・・・・・・。(以下略)
平成13(2001)年5月14日
そういえば、その年は「マーラーの息遣いが聞こえます」と、夏のウィ
ーンから絵葉書をお出ししたことがあった。
その翌年、先生はウィーンでブラームス「ジプシーの歌/愛の歌」を録
音された。(2002/12/18発売)
私の絵葉書とは関係ないかな(笑)。
畑中先生指揮ブラームス「ジプシーの歌/愛の歌」のCD(2002年録音)
それから10年後、平成23(2011)年9月22日付畑中先生へ
(前段省略)
先日、ご存じかも知れませんが、日本画家の堀文子さんNHKテレビド
キュメンタリー「画家・堀文子93歳の決意」を感動をもって見ました。
(略)最近、堀さんは、昔自分で描いた絵を自分の個展で見て「しっか
りしなきゃ」と思ったり、「歳をとると、知らないことがどんどん増え
てくる」、「できるだけ、何事も慣れないようにしている」などなど、
畑中先生や吉田秀和さんのおっしゃることにも似て、大正年代の方は本
当にすごいな~と思いながら観ていました。新鮮な気持ちを失わない、
精神力のお強い方が長生きされているのでしょうか・・・・・・?
平成24(2012)年1月8日、先生最後のワグネル定演プログラムには、
先生のお言葉として
「年をとるたびに知らないことが増えてくる」という文章を読んでハッ
とした。知らないことを知るよろこび、探究心。・・・・・・(ワグネリア
ン)一人一人の人生を支え切る精神の勁(つよ)さが彼らの心の中に芽
生えますようにと祈りながら。
と書かれていた。
その年の5月24日、先生は亡くなられた。
* * * *
週間フォト日誌
5月18日(日)
午前中、西新宿の「新宿村」でパート練習。午後から義父のお見舞いへ。
アジサイ 開花はまだ
この色は東武車両
西新宿の成子天神
咳止地蔵尊
新宿村CENTRAL
きれいに書かれている。
練習室
普段の練習より集まった。
きれいなトイレにいつも感心(男性用)
西新宿の青梅街道(?)
ヤマボウシ
5月19日(月)
5月20日(火)
これは東急車両
5月16日付産経新聞「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」
報告書を読む。
5月21日(水)
ゲーテ『イタリア紀行(中)』(岩波文庫)
p19
ずいぶんとたびたび書き立てられ、褒めそやされたこの町の風光や名
所については、改めて記すことはなかろう。
"Vedi Napoli e poi muori!"と土地の人は言っている。「ナポリを
見て死ね!」
「ナポリを見て死ね」はゲーテ自身の言葉ではなく、「天は人の上に人を
作らず、人の下に人を作らず(といへり)」と同じく、引用かな?
5月22日(木)
OB練習日。池袋の東京芸術劇場地下にて。
東急車両
朝、「R.シュトラウス歌曲集」をおさらい。
夕食。この日は岩塩のスープ。
正教会のニコライ堂 正式には「東京復活大聖堂」
7時ジャストからラジオ体操
この日は小貫岩夫先生による発声の熱血指導 新鮮で大変勉強になった。
発声法も少しずつ進化しているといえるだろうか?
○呼吸法は大切だ。吸うことよりも、まずは吐くことから。
○まず、思いっきり吸って--これはよくない。
○少しずつ吐く。多くは吐き過ぎ。少しずつ吐く要領で声を出す。
○おへその下を意識。吐くと少しずつへこんでいくが、横隔膜は上げない。
○発声は背中、後ろを意識。
○響きを大切に。口、のどを固くしない。
○「mi」は口を開けすぎると響かない。響きのピントを自分の耳で探す。
○いきなり大きな声を出そうとしない。響き、ポジションをつかんで少しずつ。
○上半身に絶対に力を入れない。
●言うは易く、行うは難し、かな。
5月23日(金)
お昼前後に虎の門病院。治験12週目。この日は心電図、採尿、採血。
「採血は11本ですか」
「そうですね・・・・・・あ、いや、12本です」
2週間後には主治医の鈴木先生にもデータが開示される(ドキドキ)。
神田駿河台3丁目のイチョウ並木
本日のコーヒーは、スターバックス ブレザ ブレンド」
「さっぱりしております、いかがですか?」、「あ、じゃ、それ」
紙袋の中身は治験薬 残量に間違いがないか?チェックして返す。
薬の「在庫確認」はすごく大切。
お昼のコンサートをやっていた(虎ノ門2丁目タワー)。
ランチタイムコンサート「ピアノとトロンボーンの響きでお届けするジャズ」
(森トラスト(株))→こちら。
マッカサー道路(新虎道路) 左が虎の門病院
とんかつの「かつくら」で夕食
三元豚(さんげんと)のロースとんかつ。
初めて知ったが、三元豚は掛け合わせた豚のようだ。
5月24日(土)
<急速に進歩するC型肝炎の治療>
午後2時からニッショーホールにて肝炎市民公開講座「急速に進歩する
C型肝炎の治療~副作用の少ない治療法を目指して~」(講師 虎の門
病院分院長 熊田博光)を聴く。
虎ノ門に行くのは2日連続。
<入門編;鈴木義之先生>
C型肝炎患者数;世界で2億人、日本は150万人
1979強ミノC
1984ウルソ
1992インターフェロン(IFN)単独療法(α、β)24w
2003ペグインターフェロン
2004ペグIFN+リバビリン併用療法
2011ペグIFN+リバビリン+テラプレビル(3剤併用療法)
2013ペグIFN+リバブリン+シメプレビル(〃)→こちら。
→こちらも。
病気の進行;急性C型肝炎→慢性~→肝硬変→肝がん
治療法の決め方
○年齢
○全身状態
○C型肝炎の病期判断 血液検査、肝生検、フィブロスキャン
○ウィルス量
○ジェノタイプ(遺伝子型) 日本人は1b型が多い。
治療を急ぐのか?新薬を待つのか?
<熊田先生>
ペグINF+リバブリン+シメプレビル 海外より日本が早く使えるように
なった珍しい例。2013
・初回治療 →「現在」は、ペグINF+リバブリン+シメプレビル3剤併用
が第一選択。 (前提条件をおっしゃったカナ?)
・再燃例(に対して)
・無効例(に対して)
「虎の門病院の全データをお見せします」(熊田先生)
--性別、年齢、前治療、検査結果など
ジェノタイプ(遺伝子型)1bで高ウィルス量の人に対して
(参考)新薬ができるまで
基礎研究→非臨床試験→第Ⅰ相試験→第Ⅱ相試験→第Ⅲ相試験
→承認審査→新薬発表
ダクラタスビル+アスナプレビル 経口2剤 2014年の認可?→こちら。
→こちらも。
現在開発中の薬--新薬が続々登場することに・・・・・・
3、4の薬(経口薬)が治験中。
当日の配布資料
・「とらのもん」2014.5
・「消火器のひろば」2014.春号
・「肝臓のことでお悩みの方へ 私たちがサポートします」
(虎の門病院肝疾患相談センター TEL03-3560-7672)→こちら。
・「健康管理手帳(HC)」(東京都)が参考になった。
C型肝炎に関する知識
-日常生活の留意点-(p14)
1.バランスのとれた食事をとる
2.アルコールを避ける
3.過労を避け、規則正しい生活を心がける
※握手をする、抱き合う、同じお風呂に入る、食器やコップの共用、くしゃ
み、咳では感染しません。(p16)
A little learning is a dangerous thing.(生兵法は大けがのもと)
必ず肝臓専門医にご相談を!
田園都市線急行8500系
新橋方面
虎ノ門交差点
病院の通り
新橋方面
日本消防会館
休憩中
熊田先生
質問コーナー 左熊田先生 右鈴木(義)先生
日本消防会館 いろは四十八組の町火消
義士洗足の井戸
笹川良一孝子の像
マッカーサー道路(新虎道路) 両側はカフェテラスになるのだとか。
○ドリームジャンボ宝くじ連番10枚購入
3億5,000万円、当たったら、どないしょ?
5月25日(日)
カラヤン盤「カヴェレリア・ルスティカーナ」を聴く。コッソットがいい。
No.「15」「No, no, Turiddu」の絶唱が心に響く。
午後、小田原少年少女合唱隊&マルベリー・チェンバークワイア第51回
定期演奏会(小田原市民会館ホール)を聴く。この模様はまた来週。
<Book>
半藤一利『山本五十六』(文春文庫新刊)
戦前の昭和史を山本五十六を軸として振り返った力作。新しい
発見もあり、オモシロイ!
<チラシ>
8/23、24新国立劇場 指揮;佐藤正浩
ジャミン・ゼブ
オペレッタ「こうもり」 ピアノ;永澤友衣
[本稿は書き掛けです]。
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いくら吸っても全部吐いてしまってはダメですね。還暦にしてもう一度発声をやり直したいです。
発声は難しく、永遠の課題ですね~。そのうえ、発声練習のように歌いのが難しい。どうも力んでしまいます(笑)。
教わったことを本文に付け加えました。