人生ブンダバー

読書と音楽を中心に綴っていきます。
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尾崎秀実『新編 愛情はふる星のごとく』(岩波現代文庫)

2008-12-26 05:26:44 | 読書
ゾルゲ事件の主演がゾルゲとすれば、尾崎秀実(ほつみ)はさしずめ助演男優とい
ったところだろう。ゾルゲに触れた以上、尾崎を書かないわけにはいかない。


尾崎もまた昭和19(1944)年に処刑された。本書は尾崎の妻と娘宛の獄中書簡であ
る。初版は戦後昭和21(1946)年に発売され、大ベストセラーとなった。家族は尾
崎が逮捕されるまで「スパイ」であることは知らなかった。





木下順二の戯曲『オットーと呼ばれる日本人』とは尾崎秀実に他ならない。


なお、ゾルゲ事件と尾崎秀実に興味のある方は、尾崎秀実『上申書』もおもしろい
かもしれない。当然のことながら、いずれも「価値転換」がおきた戦後になって書
かれたものではなく、戦時中にあって獄中の尾崎が何を考えていたのかを知ること
ができる。


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