芸術の秋となった。演奏会シーズン(かつ合唱シーズン)の到来である。
1.新月会リサイタル2010(10/3)
10月3日(日)、勝どき晴海トリトンスクエアの第一生命ホールに新月会リサイタル
を聴いた。新月会はいうまでもなく関学グリーのOB合唱団のことである。
平成6(2004)年10月31日に同じ第一生命ホールで聴いた、北村協一先生指揮オー
ル関学グリーの「Old Kwansei」と「空の翼」を私は一生忘れないだろう。きっちり
した、切れのあるリズムが一糸乱れず、本当にすばらしかった。
当日のオープニング「Old Kwansei」を聴いた途端、あの日のことを思い出した。と
くに「バンザ~イ、バンザ~イ」でグッと来た。
オープニング 「Old Kwansei」
(1)林雄一郎編曲集(指揮;山田真也)
(2)Spirituals(指揮;辻伸高)
(3)男声合唱組曲「航海詩集」(指揮;広瀬康夫)
(4)BEATLES NUMBERS(指揮;高谷哲司)
いずれのステージも、それぞれの指揮者の持ち味を生かした関学らしい演奏だった。
(1)林雄一郎編曲集(指揮;山田真也。1982年度ベース・パトリ)
①からたちの花
②この道
③さくらさくら
④竹田の子守唄
⑤故郷
最初はやや安全運転だったが、しり上がりに調子が出た。⑤の最後のrit.に納得。
(2)Spirituals(指揮;辻伸高。1999年度指揮者)
①Set Down,Servant
②Deep River
③Ride the Chariot
④Were You There?
⑤Soon Ah Will Be Done
緩と急の選曲。4人(だったかしらん)のソリストが見事な声を聴かせてくれた。最
後の⑤pとfの転換の妙、最後は制御されたfffにノックアウトだった。
(3)男声合唱組曲「航海詩集」(指揮;広瀬康夫。1979年度指揮者)
(増補改訂版・初演)
①キャプスタン
②船おそき日に
③コンパスづくし
④わが窓に
⑤帆船の子
曲順を変え、新たに⑤を付け加えた増補改訂版。「帆索を『巻いて』」も関西弁の
『ソミミ』から標準語アクセント『レミミ』に変っていた。「日本語の関学」(--
「英語の関学」もあるけれど。)らしく子音の量が見事にコントロールされていた。
⑤の新曲はまさしくグリー調。若者の歌。
(4)BEATLES NUMBERS(指揮;高谷哲司。1972年度指揮者)
①DAY TRIPPER
②HERE, THERE AND EVERYWHERE
③OB-LA-DI, OB-LA-DA
④MICHELLE
⑤YESTERDAY
編曲者宮島将郎氏を客席に迎えての「ビートルズ」。当日のラストステージという
こともあってか、本番のアドレナリン、熱演だった。
②のカルテットはいかにも関学。Topは歌舞伎役者?④は好きな編曲、きれいなdim.。
⑤Mさんのソロは好調。往年の輝きが甦るといってはほめすぎでしょうか。ブラボ
ーを叫んだ。
アンサンブルのよさは関学の伝統である。①純正調の音程は無論、②母音の音色、
③子音の強弱、④リズム(縦の線)、⑤デュナーミク(とくにdim.)のタイミング
等--それらの統一感はいずれも長年の努力によって培われたものであろう。
関学グリーは、今年も現役が西宮の全国合唱コンクールに出場するという。
最後の「ウ・ボイ」は十八番だけに大いに盛り上がってサッと終わった。
ホール場内
ホールロビーからの眺め かなたに建設中の東京スカイツリーが見える
2010年9月4日付朝日新聞 「欧州守った英雄の最後 合唱曲『ウ・ボイ』」を
書いた石合力記者(マイク)とドラゴ・シュタンブク駐日クロアチア大使(左)
(レセプションにて)
「ウ・ボイ」物語は→こちら
2.第65回関東合唱コンクール(10/10)
10月10日(日)、関東合唱コンクールを聴いた。(市川市文化会館)
実際に聴いたのは、
一般A(出場;18団体)の5.浜松フラウエンコール(12:55)~14.マルベリー・チェ
ンバークワイア(15:03)。
一般B(出場;11団体)の1.緑フラウエンコール(16:35)~4.小田原少年少女合唱
隊(17:13)
の14団体だった。
審査員は今井邦男、片野秀俊、片山みゆき、古橋富士雄、堀俊輔の各氏。
優秀な団体が競う中、神奈川代表マルベリー・クワイア、マルベリー・チェンバー・
クワイア、小田原少年少女合唱隊(桑原先生指揮)の小田原3団体が金賞で全国大
会進出の快挙!を成し遂げた。
この3団体とも、いつも感じることだが、正統的な発声、はっきり目の子音、点取
り主義でない演奏にひきつけられる。桑原先生の、少しも派手さを感じさせない、
つつましやかできっちりした指揮振りから予想もつかない音楽と(合唱団の)ちょ
っとしたパフォーマンスが飛び出してくる。
これまたいつものことだが、小田原少年少女合唱隊の、無心の演奏を聴いていると
なぜか涙が出てくる。
マリベリー・クワイア
課題曲;Surrexit pastor bonus Giovanni Pierluigi da Palestrina曲
自由曲;Mendian Gora (高い山で) X. Sarasola曲
Zima(冬) L.Lebic曲
マルベリー・チェンバークワイア
課題曲;Ne timeas,Mria Tomas Luis de Victoria曲
自由曲;「合唱のためのコンチェルト」から 第4楽章 A.Schnittke曲
Kaisa-isa Niyan(たった一つ) N.B.Alcala曲
小田原少年少女合唱隊
課題曲;Surrexit pastor bonus Giovanni Pierluigi da Palestrina曲
自由曲;Esti Dal(夕べの歌) Z.Kodaly曲
Ate Netsik(気をつけろ あざらし君) 間宮芳生曲
マルベリー・チェンバー(混声)は優秀な女性に劣らず、男性陣もよく音色がそろっ
ていた。西宮の全国大会(11/20、21)も入賞間違いないでしょう。
なお、小田原3団体以外では、(聴いた範囲で)埼玉県Paradise Relax(石山明指
揮、女声25人)が個人的にはよかった!
本八幡の市川市文化会館 本八幡駅徒歩10分
大ホール入口 時計は12時50分
会場の大ホール
1.新月会リサイタル2010(10/3)
10月3日(日)、勝どき晴海トリトンスクエアの第一生命ホールに新月会リサイタル
を聴いた。新月会はいうまでもなく関学グリーのOB合唱団のことである。
平成6(2004)年10月31日に同じ第一生命ホールで聴いた、北村協一先生指揮オー
ル関学グリーの「Old Kwansei」と「空の翼」を私は一生忘れないだろう。きっちり
した、切れのあるリズムが一糸乱れず、本当にすばらしかった。
当日のオープニング「Old Kwansei」を聴いた途端、あの日のことを思い出した。と
くに「バンザ~イ、バンザ~イ」でグッと来た。
オープニング 「Old Kwansei」
(1)林雄一郎編曲集(指揮;山田真也)
(2)Spirituals(指揮;辻伸高)
(3)男声合唱組曲「航海詩集」(指揮;広瀬康夫)
(4)BEATLES NUMBERS(指揮;高谷哲司)
いずれのステージも、それぞれの指揮者の持ち味を生かした関学らしい演奏だった。
(1)林雄一郎編曲集(指揮;山田真也。1982年度ベース・パトリ)
①からたちの花
②この道
③さくらさくら
④竹田の子守唄
⑤故郷
最初はやや安全運転だったが、しり上がりに調子が出た。⑤の最後のrit.に納得。
(2)Spirituals(指揮;辻伸高。1999年度指揮者)
①Set Down,Servant
②Deep River
③Ride the Chariot
④Were You There?
⑤Soon Ah Will Be Done
緩と急の選曲。4人(だったかしらん)のソリストが見事な声を聴かせてくれた。最
後の⑤pとfの転換の妙、最後は制御されたfffにノックアウトだった。
(3)男声合唱組曲「航海詩集」(指揮;広瀬康夫。1979年度指揮者)
(増補改訂版・初演)
①キャプスタン
②船おそき日に
③コンパスづくし
④わが窓に
⑤帆船の子
曲順を変え、新たに⑤を付け加えた増補改訂版。「帆索を『巻いて』」も関西弁の
『ソミミ』から標準語アクセント『レミミ』に変っていた。「日本語の関学」(--
「英語の関学」もあるけれど。)らしく子音の量が見事にコントロールされていた。
⑤の新曲はまさしくグリー調。若者の歌。
(4)BEATLES NUMBERS(指揮;高谷哲司。1972年度指揮者)
①DAY TRIPPER
②HERE, THERE AND EVERYWHERE
③OB-LA-DI, OB-LA-DA
④MICHELLE
⑤YESTERDAY
編曲者宮島将郎氏を客席に迎えての「ビートルズ」。当日のラストステージという
こともあってか、本番のアドレナリン、熱演だった。
②のカルテットはいかにも関学。Topは歌舞伎役者?④は好きな編曲、きれいなdim.。
⑤Mさんのソロは好調。往年の輝きが甦るといってはほめすぎでしょうか。ブラボ
ーを叫んだ。
アンサンブルのよさは関学の伝統である。①純正調の音程は無論、②母音の音色、
③子音の強弱、④リズム(縦の線)、⑤デュナーミク(とくにdim.)のタイミング
等--それらの統一感はいずれも長年の努力によって培われたものであろう。
関学グリーは、今年も現役が西宮の全国合唱コンクールに出場するという。
最後の「ウ・ボイ」は十八番だけに大いに盛り上がってサッと終わった。
ホール場内
ホールロビーからの眺め かなたに建設中の東京スカイツリーが見える
2010年9月4日付朝日新聞 「欧州守った英雄の最後 合唱曲『ウ・ボイ』」を
書いた石合力記者(マイク)とドラゴ・シュタンブク駐日クロアチア大使(左)
(レセプションにて)
「ウ・ボイ」物語は→こちら
2.第65回関東合唱コンクール(10/10)
10月10日(日)、関東合唱コンクールを聴いた。(市川市文化会館)
実際に聴いたのは、
一般A(出場;18団体)の5.浜松フラウエンコール(12:55)~14.マルベリー・チェ
ンバークワイア(15:03)。
一般B(出場;11団体)の1.緑フラウエンコール(16:35)~4.小田原少年少女合唱
隊(17:13)
の14団体だった。
審査員は今井邦男、片野秀俊、片山みゆき、古橋富士雄、堀俊輔の各氏。
優秀な団体が競う中、神奈川代表マルベリー・クワイア、マルベリー・チェンバー・
クワイア、小田原少年少女合唱隊(桑原先生指揮)の小田原3団体が金賞で全国大
会進出の快挙!を成し遂げた。
この3団体とも、いつも感じることだが、正統的な発声、はっきり目の子音、点取
り主義でない演奏にひきつけられる。桑原先生の、少しも派手さを感じさせない、
つつましやかできっちりした指揮振りから予想もつかない音楽と(合唱団の)ちょ
っとしたパフォーマンスが飛び出してくる。
これまたいつものことだが、小田原少年少女合唱隊の、無心の演奏を聴いていると
なぜか涙が出てくる。
マリベリー・クワイア
課題曲;Surrexit pastor bonus Giovanni Pierluigi da Palestrina曲
自由曲;Mendian Gora (高い山で) X. Sarasola曲
Zima(冬) L.Lebic曲
マルベリー・チェンバークワイア
課題曲;Ne timeas,Mria Tomas Luis de Victoria曲
自由曲;「合唱のためのコンチェルト」から 第4楽章 A.Schnittke曲
Kaisa-isa Niyan(たった一つ) N.B.Alcala曲
小田原少年少女合唱隊
課題曲;Surrexit pastor bonus Giovanni Pierluigi da Palestrina曲
自由曲;Esti Dal(夕べの歌) Z.Kodaly曲
Ate Netsik(気をつけろ あざらし君) 間宮芳生曲
マルベリー・チェンバー(混声)は優秀な女性に劣らず、男性陣もよく音色がそろっ
ていた。西宮の全国大会(11/20、21)も入賞間違いないでしょう。
なお、小田原3団体以外では、(聴いた範囲で)埼玉県Paradise Relax(石山明指
揮、女声25人)が個人的にはよかった!
本八幡の市川市文化会館 本八幡駅徒歩10分
大ホール入口 時計は12時50分
会場の大ホール
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