全国に緊急事態宣言が出た。
これまで以上に、感染対策をしなければならない。
新型コロナで外来診療を区分けした時から、看護師さんが待合室のおもちゃを片付けてくれていた。
患者さんは待合室には短時間しかいないが、本はそのままだった。
昨日、小児科の本棚に、カーテンをかけた(今日はここに楽しい掲示をする予定)。
大きい子向け本棚は、猫ののれんでカバー。
県医師会の朝倉先生が、MLで有益な情報を伝えてくださっている。
日経メディカルに掲載された大西淳子さんの記事「多くの環境下でSARS-CoV-2は長時間安定」は、
実験により得られた新型コロナの性質をまとめてあって、とっても有用。
「多くの環境下でSARS-CoV-2は長時間安定」
感染力のあるウィルス液を14日間一定温度に置くと、感染力保持期間は、
4度 14日
22度 7日
37度 24時間
56度 30分
70度 5分以下
高温では感染力が短時間でなくなるらしい。
室温22℃・湿度65%の環境下でウイルス液をいろいろな物体に滴下し、
一定時間後に輸送液(溶かす液は輸送液というらしい)を追加滴下し回収した液の、
感染力がなくなった(陰性化した)タイミングは、
コピー用紙・ティッシュペーパー 3時間
木材と布 2日
紙幣表面 4日
ステンレス・プラスチック 7日
サージカルマスク(内側) 7日
サージカルマスク(外側) 7日以上(=7日後まで感染力を持つウイルスが存在)
サージカルマスクに長期間ウイルスがいるということは、
サージカルマスクの細かい網目に絡め取られて脱出できないでいるのだろう。
つまり、それだけサージカルマスクは外から内からのウイルス侵入を防ぐということ。
ただし、サージカルマスクに溜まり続けるから、やはり使い捨てが好ましい。
あと、感染力がなくなっても多くがPCR陽性だったとのこと(ウィルス粒子そのものは残っている)。
そして、室温22℃でウィルス液15μLに通常使用する濃度の様々な消毒薬135μLを加えると、
家庭用漂白剤50倍希釈・同100倍希釈
消毒用エタノール70%・ポビドンヨード(7.5%)・クロロキシレノール(0.05%)
クロルヘキシジン(0.05%)・ベンザルコニウム塩化物液(0.1%)
いずれもも5分後に全てウイルスは感染力を失っていた。
ハンドソープ液のみ、1検体で5分後に感染性のあるウイルスが存在していた。
PHについては、室温22度で、pH3から10までの環境にウイルス液をおき、
60分後に感染価を調べたところ、どのpH下でも感染価はほぼ同様で低下は見られなかった。
つまり、通常の消毒液での消毒はすべて有効。
石けんでの手洗いはかなりしっかりやれば有効。
重曹や過炭酸ナトリウムなどのアルカリ剤ではウイルスは死なない。
以上を考えると、新型コロナウイルスを消毒するには、熱と消毒薬とていねいな手洗い。
一度ウイルスが物体面につけば、数日は感染力をもったまま居つづけると思ったほうがいい。
一度使ったマスクは、消毒液に5分以上浸すか、熱湯消毒。
私は手洗いした竹布マスクを脱水した状態で1分くらいアイロンを当て、高熱にしているから大丈夫かな。
サージカルマスクも繰り返し使うなら、しっかり消毒か熱処理せねば。
秋田はまだそれほどウイルス濃度は濃くないと思うけれど、
怪しくなってきたらいろいろ考えて消毒しないとならない。
靴のまま診療する病院では、靴底についたウイルスが外から持ちこまれる。
うちは玄関でスリッパに履き替えるけど、スリッパはこれまで以上にきれいにしないと。
で、次亜塩素酸液で私の診療サンダルも消毒したのだった。
だんだんウイルスの性質がわかってきているのはありがたいこと。
インフルだってノロだって、性質がわかるから対処できるのだ。
今日もびよよよ〜〜ん (*^ __ ^*)