かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

秋の蝉

2019-08-09 19:58:33 | 日記

新暦8月8日の立秋を過ぎると、歳時記の季節は、秋を迎える。夏の季語だった蝉がしきりになくが、カナカナとツクホウシは、秋の季語なのだが、蝉全般は、夏の季語となる。

温暖化のせいもあり、戸外では、ニイニイ、アブラ、ミンミン、カナカナ、ツクツクボウシが盛んに鳴いているが、俳句で総じての蝉を読むには「秋の蝉」という五音で表す。

盛んだといっても、もう半月もすれば、ツクホウシ以外は令和元年の戸外には聴き取れなくなるのだから、何とも儚い。

窓外では、秋の蝉たちの正調の調べのほかに、「悲鳴」とも感じる破調も時折聴こえる。スズメやカラス、ハチやカマキリといった天敵にひどい目にあって生を全うできないものも多いのだろうし、他の勇猛なオスに跳ね返されてついに交尾かなわず天寿を全うするオスも多いと聞く。

受精したメスはメスで責任を全うし、木々の樹皮に丁寧に卵を一個ずつ産み付け、その卵は、翌年の梅雨明けに孵化し、幹を這い下り、地下に入り、5~7年もの間、モグラやケラの天敵におびえながらひっそりと樹の根から樹液を吸い、生き残った者だけが、満を持して未来の盛夏に地上に現れ、恋の季節を謳歌しようとするのだという。なんとも、儚く、美しい人生というか蝉生である。

庭の針葉樹に朝から、「コゲラ」のオスがやってきて、盛んに幹をつついて餌を探している。あるいは、せっかく産み付けた蟬君たちの卵を探してついばんでいるのかもしれない。それはそれで、天の摂理なのだから、「コゲラ」をひどい奴だとは思わないが、「少しでも生き延びて!。」と「秋の蝉」たちに、いやおうなしでもエールを送らざるを得ない。

 

 

後頭部に赤い羽根が見えるのが♂だという。

 

 

 

コゲラはコゲラで子育てで忙しいのだろう。

 

 

 

 

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