昨年度をもってトレランは引退し、各種の情報へアクセスも遠のいていたが、ヤマケイのメールマガジンで、オイラが2016年、2017年参加していた「The4100D マウンテントレイルin野沢温泉」の65k部門に、今年参加していた62歳の男性がレース中道に迷い行方不明になり、関係者の懸命な捜索にもかかわらず1か月経過した現在まで見つかっていないことが分かった。
トレイル大会で「見つからない」事故は、初めてのことではなかろうか。驚きである。情報によると12k地点で最終目撃されており、第一セクションの赤滝登山口入り口から第一関門の毛無山山頂までの間で道に迷ったものと思われる。しかし、本人から大会本部に「道に迷った」との連絡が入ったのが午後2時過ぎということ。スタートが午前7時で、第一関門が11時(関門に到達していない)なので、本人が迷ったのは、おそらく午前9時から11頃の間と思われるが、午後2時まで一体どのような行動をしており、午後2時はどこにいたのだろう。
「まっさんのブログ」が教えてくれるように、GoogleマップなどのGPS機能でほぼ正確な現在地が緯度・経度で確認されるのであるから、大会本部とのやり取りでその辺の情報をやり取りして、その場所を動かなければ、確実に救われた命だと思うと、同年代の者としてなんとも悔しい。
おそらく本人は、現在位置を知ることがいろいろな事情でできなかったと思われる。山岳地帯では道に迷うと、楽な下方(谷側)に足を進める傾向があり、谷に転落して命を落とすパターンが多く、今回もそれではないのだろうか。
トレランでも、山歩き全般に言えることだが、迷ったらすぐに元の道に戻る。戻れないと必ずパニックになるが、完全に迷ったと自覚したら、上方(山側)を目指すのが鉄則なのだが、上が崖でにっちもさっちもいかなくなるパターンもあろう。その時は、とにかく落ち着いてじっと動かないことだ。電波が届かず連絡できない場合には・・・・とにかく見晴らしのいいところを選んで救援を待つ。
夏山なので凍死ということは考えられないが、それでも雨に打たれれば軽装のトレイルランナーは寒さで震えて夜を過ごすのだろう。そんな時、雨具とアルミシートにくるまっていれば、夏山なら何とかなる。そして、そうなんだ、「ココヘリ」の発信機があれば、上空のヘリが探知してくれるだろう。
などなど、偉そうに記してみたが、実際、事の次第は千差万別、どうして行方不明になってしまったたんだろう。本人なりの事情があったんだろう。外野があれこれ言っても本人は戻らない。
2016(62歳).2017(63歳)のことが頭によみがえってきた。赤滝入り口と毛無山の間は、何度か小さな沢を渡り、ぬかるんだ険しい沢沿いの山道が続くところ。遅いランナーだったので前後だれもランナーがおらず、沢沿いであるいは道を外せば、あらぬ方向に行ったかもしれないが、幸い山歩きには慣れていたので、登山道と踏み跡を区別することは容易で、慎重に先に進むと、まもなく鎖場などの急登が現れ、選手で渋滞していたので、一人ぽっちになることはなかった。毛無山頂付近のヤナギラン(2016年)の濃いピンクが、鮮やかに思いだされる。エイドの野沢菜とおにぎりは日本一の味だった。
2年間、天気にも恵まれ何とか完走でき、翌日の外湯巡りや、「故郷」「おぼろ月夜」の高野辰之先生ゆかりの村なので、「第二の故郷」と勝手に思い込み、再訪を期していた野沢温泉なので、なんとも、残念な知らせである。
長野県警情報
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/documents/n155_20190722.pdf
コースマップから 65kコース1週目緑色の赤滝入り口から毛無山の登山コース上で道迷いしたものと思われる。
http://s-mountain.com/nozawa/map/
まっつんさんのブログから
https://www.mattsunnosuke.com/run-walk/10169.html
2017年完走できたことがうれしくて残していたゼッケン