フィルムカメラや使わなくなったレンズ群を売ったお金を原資に購入したニコンクールピクスP900の後継者P950くんが届いた。野鳥とお月様を中心とした天体写真に真面目に取り組むためこの機種を選択した。じつは、この機種は、MADE IN THEILANDなのだが、コロナ禍と半導体不足などが原因か、このところ品薄状態で、最初に注文したお店では「入荷待ち」であり、いつ頃届くか問い合わせたところ、「来年の4月」と回答されたので、キャンセルし、売値が5,6千円ほど高いのだが、在庫がある大型店に注文しなおした。
このP950くん、G3X君に代わって散歩の友としたいのだが、先週の足指切傷事故の後遺症のため、いまだカモたちがやって来ている広瀬川河畔さえ歩くことが出来ない。
ベランダに出て、すっかり葉を落とした銀杏の枝にとまっているスズメ君を試写。まずまずの出来であるが、もっとピントが寄る様に訓練しよう。しかし、P900君よりEV、電子ファインダーや手振れ補正が格段に進歩しているのが頼もしい。
それにしても、そろそろ虫たちも姿を消してエサも不足しているだろうに、スズメたちまんまるに太っているな。草の実が冬でも豊富なのだろうか。この冬、ベランダへの米撒き、すこし抑制しよう。
ふゆすずめ
はねはえだいろ
おなかはそらの
いろしてまろし
日本百名山 MY SONG 32 苗場山(なえばさん・2145米)
【深田日本百名山から】
「もし苗場が平凡な山であったら、ただの奥山として放っておかれただろう。ところがこれは人の眼を惹かずにおかない。そして一ぺんその山を見たら、その名を問わずにおられない特徴を持っている。すぐれた個性は、どんなに隠れようとしても、世に現れるものである。」
(鈴木牧之「北越雪譜」を引用して)
「是(この)絶頂は周一里といふ。莽々(まうまう)たる平蕪(へいぶ)高低の所を不見(みず)、山の名の苗場といふ所こゝかしこにあり。」
「牧之たちは頂上の小屋で一夜を過ごし、酒を飲み、詩を賦し、歌を詠んだというから、現今の登山者から見るとずいぶん風流である。翌朝御来光を拝して下山した。」
*莽々=草がぼうぼうと生えているさま 平蕪=平らかなこと
北越の奥山深山苗場山莽々平蕪絶頂に酔ふ
【日本百名山登頂の思い出・抜粋】
頂上一帯が広大な高層湿原の苗場山には、1975年から80年までに2回、みつまたかぐらスキー場方面から登っているが、あるいは1990年代にもう一度同じ道から登って、頂上の小屋に泊まって花の写真をとったのかもしれない。90年代半ばは、ラムダのザックに三脚を括り付けて、あちこち花の撮影をしていたが、苗場山頂で撮ったトキソウの思い出があるからだ。書棚の中から、当時撮っていたスライド写真を探せばメモぐらいあるのだろうが、今はそれを躊躇している。どこか別の湿原で撮ったトキソウを苗場山のトキソウだと幻想していて、真実が分かってがっかりしたくないからだ。それだけ、苗場山の山頂湿原はこれまで目にした湿原で、トキソウたちの花咲く最も美しい場所だと、ひょっとすると浄土なのではと幻想している。
木道にねそべりながらファインダーのぞいていたトキソウの夏
NHKBSグレートトラバース3から