2年前とほぼ同様の企画に笑ってしまったが、やはり本日発売と同時に買ってきました「山と渓谷新年特別号・日本百名山最新案内」。2年前の新年号が売り切れという珍しい現象をおこして、そっくり同じものをあとから再販したことに山と渓谷社さんは気を良くしていたからに違いない。
ちなみに、2021年と2023年の概要は、
2021年、「大特集・深田久弥と『日本百名山』本誌234p、付録「日本百名山ルートマップ2021」、「山の便利帳2021」、特別定価1300円(税込み)
2023年、「日本百名山最新案内」本誌234p、付録「日本百名山地図帳2023」、「山の便利帳2023」、特別定価1320円(税込み)
で、概要と、ぱらぱらとめくった感じでは、中身もほぼ同様の内容である。定価の抑制はありがたい。
だが、詳細に見てみると、百名山の紹介記事、筆者、写真は更新されているし、登山ルポも新しく、最新火山情報なども掲載されている。地図帳も、前回とほぼ同じモノクロ(主要ルートのみ赤字)ではあるが、最新情報は更新されているし、最短ルートが実線赤字で記載されているなど、手抜きはしていないと思った。山の便利帳は、山小屋、とくに避難小屋、長距離バスの動向等重宝している。
ということで、「買って損はなかった」と言い聞かせよう。
モノクロ地図は、何冊あっても意外と重宝するもので、いつも手元に置いてある。2023年は、この地図に「深田さんが歩いたルート」を百名山や他の紀行文で調べて蛍光ペンで書き入れてみよう。そして、オイラが今後歩きたいルートがあったら、別色の蛍光ペンでなぞっておこう。
日本百名山 MY SONG
33 妙高山(みょうこうさん・2454米)
34 火打山(ひうちやま・2462米)
【深田久弥・日本百名山抜粋】
(妙高山)
「妙高山は越後の名山である。越後富士とも称せられる。越後のみならず、私は日本の名山だと思っている。その均整の取れた山容の気品と言い、ドッシリと安定した量感といい、のびやかな裾野の雄大さと言い、名山としての名に恥じない。」
(火打山)
「笹ヶ峰から見晴らしのよい富士見平まで登ると、初めてこの山の大きさを知らされる。なんと広々とした山腹であろう。その上に火打の頂がスッキリと潔く立っている。」
妙高の広き裾野を下り行けばワラビ生ふる野に野尻湖霞む
ライチョウの遊べるゴーロひと上りアルプス白き火打山かな
【深田日本百名山登頂の思い出・ 再掲】
妙高山と火打山は、1970年代の後.半にセットで登っている。学生時代だから(社会人になっても)経済問題と人だかりを避けるため小屋泊まりはほとんどやらないので、笹ヶ峰から登って、まず高谷地ヒュッテ前に一人用テントを張ってから火打山を往復し宿泊、翌日テントを担いで妙高山に登り、どのコースを選択したか不明であるが、燕温泉方向に下った。燕温泉だったか関温泉だったか、真っ白な気持ちの良いお湯があふれる広いヒノキの露天風呂で汗を流して帰った思い出がある。
そのお湯にもう一度入りたいこともあって、2007年9月に再び燕温泉方向からテント持参で入山。暗くなってから燕温泉について、たしか登山口近くにある露天風呂近くの草原に勝手にテントを設営し露天を堪能した。翌日、妙高山を時計回りに周回し、燕温泉の別の露天風呂に入って帰ったのだが、1070年代の真っ白な気持ちの良いヒノキの露天風呂は探せなかった。関温泉だったかもしれないが、いまだに覚えているのだから、よっぽど気に入っていたのかもしれない。
妙高はともかく、火打山には笹ヶ峰からもう一度登ってみたい。ハイマツ帯がササなどに冒され始めているとのことだが、北限のライチョウ家族がまだ確認されているとのことで、ぜひあって「がんばれよ~」と声をかけてあげたいので。
妙高のひのきの白き湯はいずこ関(せき)の燕(つばめ)の煙(けむ)立つとこ
ライチョウの食む草木を守らんと笹刈る男ら火打に勇む
雪倉岳から、白馬大池の向こうになだらかな火打山と右端にのかつい妙高のシルエットを遠望する。
(2019.9)