北に山を置いて、北極星を中心にした日周運動を撮影することに課題を置いた。
だが、岩手山を西に見る撮影スポットの焼け走り一体、オイラはここから月のない晴天の夜に、岩手山にかかる天の川銀河と白鳥座のデネブこと座のベガ、わし座のアルタイルらを結ぶ「夏の大三角」を写したいとかねてより願っていた。
天体観測手帳と国立天文台「今日のほしぞら」で調べてみると、例えば2023年9月15日前後が絶好の機会である。いわば、賢治さんが描いた銀河鉄道のルートと岩手山が重なる絵をとらえることが出来よう。
もちろん、寒さの和らいだ5月から10月ころまでは、月一間隔で撮影チャンスが訪れようが、9月は時刻が20:00頃なので、「最適」だろう。
後はお天気次第であるから、5月からの適期を手帳に書き留めておいてチャンスを待とう。
「日周運動」と「天の川銀河」、山にはよく似合う。
国立天文台「今日のほしぞら」 盛岡 2023.9.15 20:00
2020.9.5未明 岩手山にかかる月と火星
2020.8.18日光湯元 南西方向に天の川 左下方に木星と土星が並ぶ
日本百名山 MY SONG 41 草津白根山(くさつしらねさん・2171米)
【深田久弥・日本百名山から】
「草津白根は絶頂を極めて快哉を叫ぶといった山ではない。顕著な頂上らしいものもない。火口をめぐり一高一低の稜線が連なっていて、その最高点が頂上とは言うものの、この山の特色は頂上よりむしろ、断崖をなした火口壁や火口湖にある。」
「近年軽井沢から万座にバスが通じ、草津からも大きな道路が伸びている。スキーが盛んになって、弓池付近までケーブルがついた。そのうち草津白根一帯は、花やかな、しかし俗っぽい観光地の賑わいを呈することは必定である。」
森としていただきの道閉ざされし草津白根に休暇のごとく
【深田日本百名山登頂の思い出・再掲】
草津白根山を代表する観光スポット「湯釜」には、昭和53年(1978年)ころ最初の職場の慰安旅行で行っているので、長いこと草津白根山は登頂済みと考えていたが、最高峰本白根山(2174m)の探勝歩道の最高点?が山頂ということを知って、残り百名山を集中的に登っていた2007年6月30日(山頂付近の小石から判明)にその歩道を通って三角点まで行ってきている。
山容があいまいでダラダラした歩道を歩いており、いわゆる達成感というものはなかったが、火山性の砂礫地に美しいコマクサのピンクが点在していて心が慰められた思い出がある。
今日まで知らなかったが、深田さんの文章にもある通り、ふもとの万座温泉は年間営業で一番高いところ(1746m)にある温泉街ということだ。いまさらながら地図を見るとこの山域に芳ヶ平という広大な湿原地帯がある。草津から登って芳ヶ平に立ち寄り、湯釜方面まで歩き万座温泉へ下る名湯をはさんだ静かな旅もまたいいのだろう。高層湿原と世に聞こえた名湯には、山歩きを交えて立ち寄ってみたいし、味気なく登ってきた草津白根の価値をあらためて見出したい。
なお、現在この前の噴火により本白根山探勝歩道は立ち入り禁止となっている。2007年に歩けて良かったとつくづく思う。
雪こんこ草津白根の砂礫地のこまくさ眠れ砂の深くに
NHKBSP 「グレートトラバース3」より