青葉の森のエゴノキや同じエゴノキ科のハクウンボクは花の終わりを告げているけれど、昨日お詣りした近所の観音堂や今日訪れた野草園のエゴノキは、満開の季節を迎えていた。
真っ白な小さな花が数えきれないばかり咲いていて、樹下は落ちた花弁で真っ白の彩られている。
木の下に赴くとなんだかいい匂いがして、とてもいい気持になってくる。
さまざまな種類のハチがやって来て花の蜜を求め頻りに飛び回っていた。これだけ花があると、もう選り取り見取り、ハチたちもうれしくてたまらないのだろう。
花の蜜はハナバチたちにくれてやり、葉の幾枚かはエゴツルクビオトシブミたち甲虫のゆりかごとなってあげ、秋までに熟すたくさんの実は、果皮にサポニンという毒素があるもののヤマガラやキジバトの好物なのだという。また、冬芽にはエゴノネコアシアブラムシが寄生しネコアシのような虫エイも作ってあげるのだという。
美しく、清楚で、匂やかで、あらゆる生きものに生を恵むような広い心を持ち合わせたかのような小高木。エゴノキの花は、あの法華経序品に登場するマンダラゲ(曼荼羅華)のように天上から雨のように降る花のように慈悲に満ちた花を咲かす菩薩様のような木ではないか。
この歳になってエゴノキ科のエゴノキやハクウンボクが好きでたまらなくなった。もう、バラ科のサクラやウメを凌駕しているのかもしれない。
花のあと、初夏から冬にかけて、この木に身を寄せるさまざまな生きものたちを観察して、この木の慈悲の深さを教えてもらおう。
マルハナバチだろうか黒い真ん丸ハチがやってきていた
ソフトフォーカス編集
今週もう一度野草園に行って、もっとピントの効いた写真を撮ってこようぜ。