日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

かいらい(傀儡)政権?

2009年05月17日 | インポート
鳩山由紀夫氏が、124票対95票の29票差で、民主党の党首に選出された。

一部のマスコミや評論家は、小沢一郎氏の「傀儡政権」ではないかと表現している。

また、「小沢氏の秘書の違法献金事件」などという表現をしている、偏向した表現の論調まで出ている。

さらに、「説明責任」などという表現を用いて、あたかも小沢一郎氏が政治献金に関して説明をしていないかのごとき言い回しをしている、おかしな人たちがいる。

小沢一郎氏は、政治献金に関して、「現行の法律に則り適切に処理し、全て間違いなく届け出ている」という充分な説明をしている。

説明責任を果たしていないと主張するマスコミや評論家は、情報公開制度によって政治献金の報告書の入手は可能なのだから、それを入手して視聴者に公表してから、自らの論を進める必要があると私は思う。

もともと、おかしな逮捕劇に端を発している一連の流れである。

恣意的な情報操作を画策した人たちが、自分たちの既得権益を守るためにやったのではないかと推察されるような、公平性に欠ける公権力の行使であるように私の目には映る。

それにまんまと乗せられて、世論を換えてしまうマスコミや国民の情けなさを痛感する。

そのようなおかしな逮捕劇が、いずれは自分たち国民の側へ向かってくるかもしれないという危機感を、本来ならば抱くはずの所だが、それと真逆の反応をしてしまう、支配階層にとっては非常に都合のいい国民性だといえよう。

きちんとした判断能力があれば、小沢一郎氏に対する支持率、ひいては民主党に対する支持率は上昇傾向だったはずなのに、情報操作に乗せられて、簡単に世論が変えられてしまう。

民主党が主張している「無駄の排除」や「公務員改革」は、既得権益を得ている組織の人たちにとっては都合の悪いことである。

それを、公権力やマスコミや評論家などを使って、何が何でも阻止しようとしている構図に思える。

きちんとした判断能力が国民に備わっていたならば、小沢一郎氏や民主党の支持率の低下もなかっただろうし、結果として小沢一郎氏が民主党党首を辞任する必要もなかったはずだ。

今回の民主党の党首選挙は、僅差で鳩山氏が勝利するという出来レースだったとは思うが、そのような事をせざるを得ない状況に追い込んでしまった、情報操作に簡単に踊らされてしまう世論にこそ問題があるように私は思う。

今後の民主党が、一部のマスコミや評論家がいう小沢一郎氏の傀儡政権だというのは間違っており、本来ならば小沢一郎氏が引っ張っていくはずの政党が、世論の動向に抗しきれずにやむを得ず形を変えて存続するのだと解釈したい。

ただ、今回の小沢一郎氏の辞任劇の裏で、政権奪取をめざそうとする民主党の内部において小沢おろしが画策された事の方が、民主党に対する期待感を薄れさせてしまう。

目指している政策を実行できたならば、私たち国民にとっては理想であるが、その前に内輪もめをしているようでは、果たして政権奪取ができるのか疑問の残る所だ。

しかし、鳩山由紀夫党首には期待するところが多くある。

マスコミに媚びない姿勢を持っており、経験に裏打ちされた弁舌の確かさは、聞いていて安心できる。

彼が総理大臣になれるかどうかは、世論が、今後の既得権益組織からの情報操作に翻弄されるか否かにかかっているといえるだろう。


豊田かずき