日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

案の定(あんのじょう)

2009年10月29日 | インポート
昨日の毎日新聞に、長崎市の人事異動記事が出ていた。

「課題検討PT専従スタッフ」を置くポストを創設するという。

以下はその記事。

長崎市は27日、2020年夏季五輪招致の検討をするため、田中洋一・定額給付金室長を総合企画室主幹に任命する人事を発表した。

田中氏は、五輪招致の課題を検討するプロジェクトチーム(PT)の専従スタッフになる予定。

発令は11月1日。
PTにはスポーツ振興課や平和推進課などの職員が参加する見込みで、近く発足する。

以上、毎日新聞記事。

その他にも、同日の毎日新聞紙上では、「両市長、都庁で副知事と面会」「大村・松本市長招致活動を支援」「長崎市長らに五輪招致で助言・猪瀬東京副知事」などの太い文字がおどっている。

案の定、やっぱりねという感じ。

定額給付金の給付が終われば、そのポストにいた役人の役職は不要になる。

マスコミを使い、短期間に、オリンピックの招致活動を長崎市と広島市が行なうという既成事実のような情報を流布させ、すでに両市ともそのモードに入ってしまっている。

走り出したら止まらない、従来の大型公共事業の推進と発想の根底は同質である。

おろかなことだと思う。

後ろに控えている関連利権吸引組織に公金を流すための準備が、着々とマスコミを巻き込んで進められようとしている。

冷静に考えてみれば分かる。

日本の国の中のどこかの都市が、入れ替わり立ち代り、必ず五輪の招致に名乗りを挙げている。

何のためにそのような事が必要か、簡単である。

要するに、そのような招致活動の助言や資料等の準備を請け負う○○県知事だった人が天下っているような団体もしくはコンサルティング会社が、常に仕事を受注できるようにするには、常にどこかの都市が五輪招致に名乗りを挙げていなければならない。

あるいは、○○市○○計画の策定というような仕事を作り出さなければならない。

本来ならば、そのような仕事は役所内部で役所の職員がやるべき仕事であるはずが、日本の役所ではそのようにはなっていないようだ。

能力が無いのか最初から自分達でやるつもりがないのか、私は後者だと思う。(本当は前者でもあるといいたい所だが、中には能力のある人も多いので後者だとしておこう)

後ろに控えている、そのような仕事を飯の種にしている天下り有力者を抱えている組織に公金を支出するための仕事作りが目的なのだから。

五輪を招致できるかどうかではなくて、常に招致活動をしている都市がある事が彼らのめしの種になるだけのことの様に思える。

そして、きっとそのような組織が受けた公金の支出を伴う仕事は、ほとんど丸投げの形で、本当の専門家企業に横流しされるのであろう。

長崎・広島両市は五輪検討招致委員会を31日に設立するそうだが、委員会というからには委員が必要になってくる。

選挙で落ちた元国会議員や元○○県知事だった人などの受け皿としてはもってこいのポストだ。

そして、オリンピックを誘致するには、競技施設や道路網の整備が必要になってくるという、従来型の公共事業に大義名分をつけるためのアリバイつくりにもなろう。

そしてそのようなことは地域における景気対策にも繋がるなどという理屈をこじつけて走り出してしまいつつある。

五輪招致活動に関して、どのような組織にどのような形で公金が支出されるのか、関心を持って監視する必要がある。

東京都では、オリンピックの招致活動のためという大義名分で、150億円もの公金が支出されているそうだから。

怖い怖い。


豊田かずき