日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

寒かった1m方眼点の打設

2013年02月07日 | インポート
結構寒い一日だった。

午後は、1m方眼の交点を現地に測設する作業をやらせてもらった。

今作業をやらせてもらっている遺跡発掘現場には、公共座標系における20mピッチの座標の交点に、頭が赤色のプラスチック杭が打設してあるので、それらの杭の鉛直上方にトータルステーション(測距、測角一体型の、記録装置が付属している測量器械)を水平に据え付け、他の座標が既知な基準点を視準し、ゼロ方向として初期設定をする。

あらかじめ、使用する基準点の座標値と、新たに測設する1m方眼の交点に点名を付けてX座標値とY座標値を記録装置(データコレクター)の中に登録しておく。

トータルステーションの測設機能を用いて、新たに測設する1m方眼の交点の点名で呼び出せば、その点名の位置に対する情報が計算されて、設定したゼロ方向からの水平角と水平距離という形で表示される。

その水平角の数値に、手動でトータルステーションの望遠鏡の視準線を合わせ、その方向に、ピンポールに取り付けた反射プリズムを持っている者(ミラーマン)を誘導する。

望遠鏡の視準方向にピンポールが入ったら、反射プリズムを視準して測距を実施する。

本来あるべき計算された水平距離と、測定した水平距離との比較情報が表示されるので、その情報によってピンポールの位置を前後に誘導する。

所要の精度にピンポールの位置が定まったならば、その地点に杭なり鋲なりを打設する。

そのような事を、打設すべきそれぞれの点について実施すれば、現地に1mピッチの方眼点を表示する事ができる。

現地に1mピッチの方眼点が表示された後には、それらの点に水糸を張り、その基準線を用いて、出土した遺構などの実測作図を作図班が実施するという流れになる。

もちろん、トータルステーションを用いて、遺構の三次元データを直接取得することも可能であるし、その他にも写真測量技術を駆使すれば詳細な三次元データを取得することも可能ではある。

風が吹いて冷たい中での作業だった。



豊田一喜