日々雑感「点ノ記」

備忘録(心の軌跡)

かじやさん

2013年11月02日 | インポート
佐世保市矢峰町から雲仙市愛野町の実家まで帰る途中で佐世保市三河内町(みかわちちょう)を通る。

三河内町には「三河内焼美術館」というのがあることを道脇に表示してある看板で知っていた。

3連休の初日は、そこの見学に充てようと思い妻を誘ったら、喜んで付き合ってくれた。

10時半ごろ車で家を出発して、11時40分ごろに東彼杵町の「彼杵の荘」にトイレ休憩のために立ち寄った。

出店のテントがたくさん設営してあって、大勢の人が集まっていたが、その中で「かじや」という表示が懐かしく、その出店に行ってみた。

包丁などの刃物が展示してあり、その中に研ぎこんで小さくなった、果物ナイフの様に細くなった刃物が置いてあり、興味を引いた。

なんだろうと思って見ていたら、出店のおかみさんが説明をしてくれた。

包丁の金属部分の全体に鋼(はがね)が叩き込んであり、研いで細くなってでも包丁として最後まで使えるという製品であるとの説明だった。

東彼杵町三根郷の「森かじや」さんで、息子さんが後をついで「かじや」をされているということで、修理などもやっているということだった。

「かじやさん」の包丁だったら信頼できると思い、購入させてもらった。

ついでに頑丈そうな、少し太い枝まで切ることができるという剪定ばさみも購入させてもらった。

予想外の買い物をした後、三河内町の「三河内焼美術館」に行ったが見学者はほかにおらず、妻とふたりだけで色々な陶芸家の焼物を見学させてもらった。

焼物美術館の隣りに「佐世保バーガー」の店があったので、そこで佐世保バーガーなる物を食べてみた。

濃いめの味で、若い人には好まれる味かなという感想。

帰りに波佐見町の道路わきで、陶器の展示即売をしていた「つちくら」という店に寄って、ご飯茶碗や焼酎などを飲む時に使える陶器を購入させてもらった。

その店では、商品を購入した客に対して、コーヒーを振舞うサービスをしている。

それも、カウンターの後に展示してある普段では使うことの無いような、高級なコーヒーカップの中から自分が好きな物を選んで、そのカップにコーヒーを入れて出してくれる。

なかなか素敵なサービスだと思う。

好みのコーヒーカップで、普段はめったに飲むことが無いコーヒーをいただかせてもらった後は、波佐見町の「やきもの公園」まで行ってみた。

テントがたくさん設営してあって、明日の「炎祭り」というイベントの準備中だった。

そこまで行ったら、以前働かせてもらっていた組織での業務で何回か行った事がある道だったので、記憶をたどりながら、やきものの里の「中尾山交流館」まで足を伸ばしてみた。

そこで、「三河内焼き」と「波佐見焼き」の違いについて説明してもらった。

三河内焼きは平戸藩のお殿様や大名への献上用に制作されてきた歴史があり、唐子などの絵付けに特徴がある。

それに対して波佐見焼きは、一般的に使用する陶器として制作されてきたのだということだった。

そこでも、庶民価格の茶碗と取手付きのカップを購入させてもらった。

山里の奥のやきものの里(陶郷)という風情が心地良い空間だった。

帰りに大村市を通ったので、竹松遺跡の発掘現場を妻に見せてから家に戻ったら、外は暗くなっていた。

穏やかな秋の一日を、のんびりと幸せな気分で過ごすことができた。



豊田一喜