犬蓼;赤のまんま(タデ科)話言葉は、あなたのために役立たい。粒状の紅色の花を赤飯になぞらえてこの名がある。夏から秋にかけて、赤い小花を枝先に群がりっける。花びらはなく萼が五つに深裂する。高さは20~50㎝ほど。「蓼食う虫も好き好き」のことわざの蓼で種類も多い。食用に栽培されるものは「柳蓼」「藍蓼」とその変種の「紫蓼」「細葉蓼」「あざぶ蓼」「糸蓼」などである。若い葉を摘んで、香辛料として刺身のつまや吸い物などに利用する。独特の香りとピリッとした辛味がり、「青蓼」をすりつぶして酢とだしで伸ばした「蓼酢」は鮎の塩焼きには欠かせない。「本蓼」「真蓼は」柳蓼」の別名。「灯を置いて飯食ふ蓼の豪雨かな 西嶋麦南」「給水の波打ちゆく蓼の溝 山口青邨」「大蓼や遠見に見ゆる牛の市 三好達治」「日ねもすの埃のままの赤のまま 高浜虚子」「長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女」「さゞ波のここまでよする赤のまゝ 池上不二子」「晩年の景色に雨の赤のまま 今井杏太郎」「赤のまま記憶の道もここらまで 下村ひろし」「犬蓼にちりちりと陽が谷底まで 川崎展宏」。(夕べには蓼酢と酒は欠かせない ケイスケ)