川越だより

妻と二人あちこちに出かけであった自然や人々のこと。日々の生活の中で嬉しかったこと・感じたこと。

放射能汚染される阿武隈川

2011-12-04 06:44:36 | 自然と人間(震災・津波・原発事故)

12月3日(土)☂のち☼☁

 前日から寒い雨模様。妻や娘は東京での観劇へ。「フクギの雫」。半世紀前の沖縄・宮森小学校ジェット機墜落事件を劇化したらしい。

僕は終日引きこもり。

 阿武隈川の放射能汚染に関わるニュースを読んだ。早朝に「川の汚染」が表面化するだろうと書いたばかりだった。

「あれが阿多々羅山 あの光るのが阿武隈川」 ‥「智恵子抄」。 高校生の昔から馴染んだ川の名。数年前には川筋をたどって河口の亘理や鳥の海を訪ねた。対岸に貞山掘というのがあって海岸沿いを仙台までたどった。この辺は今度の津波で途方もない被害を被った。

 その阿武隈川が‥。なんということだろう。

  http://www.youtube.com/watch?v=W57K0DERCgI

 

 阿武隈川から海に放射性物質12月3日 7時18分 動画あり twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島県と宮城県を流れる阿武隈川から海に流れ出た放射性セシウムは、8月には1日500億ベクレル余りに上ったと推定されることが、京都大学などの調査で分かりました。専門家は、「河口に蓄積した量や魚介類への影響を監視する必要がある」としています。京都大学などの研究グループは、福島県と宮城県を流れる阿武隈川によって運ばれる放射性物質の量を調べるため、ことし8月、宮城県岩沼市の河口付近で、放射性物質の濃度のほか、水量や流れてくる土砂の量などを測定しました。その結果、海に流れ出た放射性セシウムは、土砂1キログラム当たり6万2100ベクレル、河川の水1リットルあたり0.25ベクレルで、合わせると1日当たりの量は524億ベクレルに上ったと推定されるということです。これは、東京電力が、4月に福島第一原発から海に放出した比較的低い濃度の汚染水に含まれていた放射性セシウムの60パーセント余りにあたります。調査した京都大学の山敷庸亮准教授は、「陸地に降った放射性セシウムが少しずつ川に流れ出ていると考えられる。河口に蓄積した量や魚介類への影響を監視する必要がある」と話しています。


 奥さんの実家が郡山市湖南町にあるというキリスト教の牧師さんのブログを読ませてもらいました。土に生きる農民の怒りが聞こえてくるようです。

 

放射能汚染される阿武隈川・・・

 

 (前略)

 昔、筆者の妻の実家のある湖南町出身の小説家・諏訪三郎が、阿武隈川のほとりの田村町の農村を舞台に描いた小説に『大地の朝』というのがあります。その1節にこのようなくだりがあります。

<新しい菅の田植笠に、蓑をつけた恭介は、この新しい土に、祈るような敬虔な心を以て、全身濡れ鼠となり、膝を没する泥田にひたりながら、ひたすら、ぽつんぽつんと苗を植えていった。

あすの日が、雨か、嵐か、それは念頭になかった。秋の収穫がどうであろうとも、それも問題ではなかった。

ただ、田植こそは、百姓にとって、最も大切な土の行事である。土に生きるものの、尊い奉仕である。収穫の豊穣はもとより希うところであるが、それより大切な意義は、土と共に生きることである。土は、ある種の人間ほど、怠け者ではない。また、鈍感ではない。土には、命があり、魂があり、感覚がある。おのれの懐に宿る種子を、苗を、あたたかく抱擁し、あたたく被ってやろうとする。そしてこの世の一切の生命の成長を念じ、この地上を饒かなものにしようとしている。土こそは、この地上のすべてのものの清らかな母である。そして百姓こそは、この一切の母に仕える子である。

土を浄めよ! 土を被らしてはいけない。土の力を養うことが、この地上を、楽園にする唯一の道なのだ。そして、百姓こそは、尊い土の奉仕者なのだ>。

 耐用年数をはるかに過ぎたポンコツ原発を、大地震によって壊れるまで使い続けてきた国と東京電力、それを支えた御用学者たち・・・、福島の農民のその<土>を、放射性物質で穢した! その東京電力の事故を起こした原子力発電所から<飛び散ってしまった放射性物質は、もう他人の土地にくっついたのだから、自分たちのものではない・・・>、<飛び散った放射性物質を所有しているとは考えていない。したがって検出された放射性物質>には責任がなく<東電は除染に責任をもたない>・・・とうそぶいている!

 国と東京電力、それを支えた御用学者たち・・・、彼らは、福島の<命があり、魂があり、感覚がある><百姓>たちの<土>を、放射性物質で汚染させ、<土>とそこから採れる米や野菜を食べることができないようにした、史上まれにみる巨悪の犯罪者である!

 福島の大地を、阿武隈山系を阿武隈川から放射性物質を取り除き、<命があり、魂があり、感覚がある><地上のすべてのものの清らかな母である><土>返せ!

 生きている<土>を殺したり、瀕死の状態においやって、その原因となる放射性物質は<無主物>だから、国や東京電力、それを支えてきた御用学者には、<除染>・・・、<土>を浄める責任はないとはなんという言いぐさ、断じて許しがたい!

    出典●http://eigaku.cocolog-nifty.com/nikki3/2011/11/post-079e.html