2月6日(月)
昨夕、届いたばかりの『男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく』(1978・8 第21作)を見た。
マドンナは木の実ナナ、SKD(松竹歌劇団)の踊り子役。芸名は紅(くれない)奈々子。
この映画の圧巻は恋に生きるか、芸に生きるか、悩みに悩んだ奈々子が浅草国際劇場の最後の舞台で「道」を歌う場面だろう。
そして…奈々子は舞台で『道』を歌う
脇で踊ってくれるのは春日宏美さん千羽ちどりさん。
♪ひとつのセリフも無くて 泣いた日もある
人がきれいに見えて、自分を恨んだ日もある。
でも、さあ立ち上がり 夜空の星を見つめて
つらい涙ふいて この道を歩き続ける
あたしを愛してくれる 人たちがいるから
あたしは心のすべてを、信じたこの歌に託し、生きて来たの。
なんと…寅が最後部座席で奈々子さんの歌を聴いている。
奈々子が気丈夫に舞台に立っているのを見届けた寅は
歌の途中で国際劇場を出て旅に出発する。
奈々子の歌を聴いているさくら。
スタッフたちや後輩たちが舞台の影から最後の公演の奈々子を見守っている。
♪まぶたを閉じれば今も 今よみがえる
遠くさすらう日々の 幾人かの懐かしい人たち
時には叱ってくれた 優しい言葉であなたは
時にはつつんでくれた 温かい腕にあなたは
できるならもう一度巡り逢いたい
空を流れる雲を見つめ
若い日の夢を一緒に語りたいの
あたしを愛してくれる 人たちがいるから
もう泣かない あたしは
選んだこの道を歩き続けたいの
涙を潤ませるさくら。
出典●http://www.yoshikawatakaaki.com/lang-jap/torajironahibi18.htm#316
僕も30数年前の国際劇場の座席にいる気分で聞いた。
覚書
①SKDの華麗なる表舞台と汚い(?)裏舞台がともに映し出されている。SKD出身の倍賞千恵子の古巣だ。SKDも浅草国際劇場も歴史の彼方に消え去った今となっては「文化財」級の映画。一度は実演を見てみたかったなあ。
出典「浅草国際劇場」●http://vintaka.fc2web.com/kokusai.html
②SKDの舞台に「よさこい鳴子踊り」が登場したのには驚いた。寅さんシリーズでついにロケ地に選ばれなかったのは高知県だけと聞いたことがあるが、正調「よさこい」がきちんと記録に留めおかれていた。何となく嬉しい。
『男はつらいよ』●http://www.tora-san.jp/toranomaki/movie21/index.html