渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

アメリカ人職人と日本人職人の手法の違い

2022年06月02日 | open

Meucci Pool Cue Restoration Part 1


1984年製オリジナルメウチキュー
のリペアの動画。
打痕等を完全除去し、クリアコート
しなおしている。
クリアリフィニッシュのやり方は、
二液性エポキシをまず手塗りし、
そして磨ぎ均してからシアノアクリ
レートをやはり手塗りして、効果
促進スプレーも使い、凝固後にサン
ドペーパーで磨いて平面を出して
いる。

日本人のキュー職人の場合、メーカー
も個人ビルダーも製造工程の重要
部分は動画サイト等では作業内容を
公開していない。
また、日本の個人ビルダーやリペア
マンは一切自分の作業動画を公開
していないようだ。
私が実際に専門家の職人たちのリ
ペア作業を見聞するに、日本では
米国人のリペアのようにエポキシ
で塗り固めて、さらに瞬間接着剤
でコーティングするというビリヤ
ードのキューのリペア手法を聞い
た事が無い。
10数年前に廃業した私の友人だった
バディーズの藤田さんのリペアで
は、部分的に実験的にシアノコート
をしていたのは知っているが、他の
人たちではエポキシやシアノでの
コーティングは耳にした事がない。
一部ではガラスコーティングを
施工するメニューを表示している
個別業者さんもいるが、私はその
仕事は実見していない。
また、日本のメーカーのアダムと
三木のクリア仕上げはスプレーに
よるウレタンクリア吹きでのコー
ティングであり、エポキシやシアノ
を手塗りする事はしない。

ビリヤードキューの塗膜については、
アメリカンカスタムの場合、現実的
な仕上げを知るには、クリアの磨ぎ
落しをするとよく分かるとリペア
マンから聞く。
二つの方向性にキューのクリア仕上
げが二分されるのだ。
たとえば、ショーンキューなどは
まるでガラスコートのようにキュー
をカチカチに固める方向性でクリ
ア仕上げを施している。
その真逆がTADカスタムキューで、
たとえクリアが経年変化で黄化し
ようともウレタンや二液エポキシ
やシアノやガラスコートではなく
ラッカーニスにこだわっている。
それは、キューの木材の動きを
殺さないためだ。高級弦楽器に
はシュラック塗りが基本である
ように。ウレタンは木を殺す。

実際にビリヤードキューを自分で
いじるようになると、外塗りの
クリア塗装を剥がしただけで、
同じキューなのにまるっきり動態
特性が変化する現実を知覚する
事ができる。
私の知人の東京のビリヤード場の
店長も、自分のキューを自分で
リペアしようとクリアを剥がした
らとんでもなくキューが変身して
良くなったと言っていた。
私の場合、自分のTADがかなり
黄化したので綺麗に剥がして
ウレタン塗りしたら、まるで
TADらしさが消滅してただの棒
のようになってしまった経験が
ある。
それは再度剥がして、極薄塗り
仕上げに本職塗りで戻して、よう
やく本来のTADの持ち味が復活し
たが、それは知り合い店長の逆
パターンの現象が現出した事を
示していた。
爾来、私は自分の持ちキューの
自己リペアの際には、ウレタン
塗料は回避するようにしている。
TADコハラさんは「勝手に塗り

直しをしたTADキューはTADキ
ューではない。見たくもない」
と生前語っていたが、それは
TADの撞球性能の秘密はストラ
ディバリや高級弦楽器の常識
であるニス塗りにあるからだ
ろう。
でも、TADさん、一般的には
リペア受け付けてくれないの
だけどね(笑)。元ポケット
ビリヤードのプロで世界的な

キューコンダクターのラッキー
菱沼さんの依頼以外は。
TADさんは義理堅い人で、日本に

は大阪に代理店があって、そこ
通しでないと卸販売も一般的に
はしないというのがコハラさん
だった。なので、並行輸入以外
はTADキューを手にするのは

難しかった時代も続いた。
インターネットが無い時代には、
アメリカンカスタムキューの
入手経路は、大抵は米国からの
持ち帰り。アメリカで直に仕入
れて来て、国内販売網に乗せる
というルートが90年代半ば頃まで
のセオリーだった。

私の場合も、前オーナーが90年代
にTADさんにスペアシャフトの
製作を直に打診したら「日本には
大阪の吉村さんがいるから、彼
お願いしてよ」と日本語で断ら
られた事
がある。結果、実際に
吉村さんにスペア
を手掛けても
らった。

TADコハラさんが日本人で唯一
信頼していたキュー職人が吉村
さんだったが、今世紀初頭には
既にキュー製造業から引退して
いる。時々TADそっくりなキュー
がオークションなどに出るが、
見ると吉村キューである事が
結構ある。構造はTADに似て
いるが、吉村さんのキューは
独特の手癖があり、鑑定上の
見極めどころというのがある。
吉村さんは知る人ぞ知る狭い
業界でのキュー製作者として
「名人」だった。打球性能は
押しがよく利くキュー。
私のTADのスペアシャフトは

吉村製で、オリジナルのTADの
シャフトと吉村製がセットに
なっているので、ある意味、
TAD-吉村ラインとして貴重な
存在だ。
共にAテーパーで入れに強く、
切れも鋭い。
日本人初のポケットビリヤード
の世界チャンピオンである奥村
プロが大昔に使っていたTADの
実物を手に
取って見たことが
あるが、象牙
先角が短くカット
されていた。

あれは奥村さんの自己改造かと
思われる。トビ減少狙いの80年
代改造だろう。ザンボッティを
使う前の奥村さんのTADだ。
現在はあるキューコレクターが

その個体を所有している。
往年の奥村ザンボッティを所有

しているのはラッキー菱沼さん
だが、奥村TADは別な人が持って
いる。

私も90年代には自分のキューで
その改造を施していた。
90年代末期にそのキューを持って

西日本に転住した時、そのキュー
を撞球場で見た四国と中国地区
の地方の人たちは、こんなのは
初めて見た、と口にして興味深く
見ていた。
スマホどころか携帯電話のメール
さえ
無く、インターネットも普及
して
いない時代、携帯電話がよう
やく普及し始めた時代、特に地方
では中央
の情報には疎かったの
だろう。広島県三原市にはメジャー
コンビニもマックも一軒も存在
しない時代だ。

だが、それらの改造はキャロムの
世界では昔
から常識的な改良策で
あり、関東では、キュー遣いの
撞球人兼探求者は多くが自主改造
していた常識的な事だった。

ポケットの世界で木部のガード
目的の先角の軽量化が全国的に
一般化し
たのはハイテクシャフト
開発が
開始されてから暫く過ぎた
今世紀初頭からであり、近年で

さらに先角は短小軽量化させる
事が
一般化して来た。
ただし、キューというのはトビ
を減少させて手玉直進のみに
特化させる方向は誤りである
事は論を俟たない。
それが事実には、直進シャフト
流行の途中からソリッドシャフト
の動きを復元させるハイテク
シャフトが登場し始めた。
論より証拠、これが現実だ。
手玉が何が何でも直進すれば
「よいキュー」とする発想は短絡
思考であり、撞球道具としての
キューの深淵からどんどん乖離
して行く。
だが、今もってその真理真実を
見抜け
ない潮流や人間はまだ
多く残存
している。

キューの動きを妨げない為に一番
良いのは木の無垢木のまま
何も
塗装しない事だと思うが、
それだ
と木製品はどんどん劣化
するので、
やむなくコーティング
する。
もしかすると、ビリヤードキュー
のフィニッシュもオイルステン
などが最適かもしれないが、
オイル仕上げも耐久性の面では
化学塗料塗布よりかなり劣るの
で、現在では一般的にはウレタン
コートが為されているのだろう。
ただ、日本国内でのキュー工作
においては、エポキシとシアノ
の塗布は行なわれている事が
今のところ確認できない。
仮にやっていても例によって公開
はしないのだろうが。

キューはその製造設計段階で仕上
げコートに何を使うか、どの
よう
な硬度の物にするか方針は
決まっ
ている。思い付き仕事など
は製造
者はやらない。マスプロ
メーカー
だろうと個人ビルダー
だろうと。
かなり製作構想は練りに練る。

そしてフィールドでテストを繰り
返して改良を重ねて方向性の検証
と絞り込みを更に進める。
ビリヤードの道具のキューにおい
ては、バット塗装をカチカチに固
る方向性と、柔軟な動きと振動
自然に収束させる高級弦楽器と
同じ方
向性を求めるラッカー塗り
の二つ
の方向性が存在する。
なので、その個別のキューがどち
らの方向に位置づくキューである
のかを熟考せずにリペアでクリア
を吹くのは愚たる作業だと断言
できる。キューをダメにする可
能性が高いからだ。

道具のリペアとは、再生作業であ
り、
見た目見てくれだけを綺麗に
する
事ではない。
かなり慎重に取り組まないと、
見せかけだけキューが蘇っても、
実は中身無しのダメキューにさせ
てしまっていてはリペアの意味が
無い。性能はリペアにより向上
させる事はあっても、絶対に個体
の本来の能力以下にさせてはなら
ない。
業者でなく個人リペアであっても、
道具のメンテやリペアにおいては、
モノヅクリをする人たちは気を付
けなければならないところだろう。




ほかべん

2022年06月02日 | open


これは期待したい。
6/9新発売。

地上絵

2022年06月02日 | open


南米ペルーのナスカ地上絵は有名
が、地上絵は世界中に存在する。
そして、ナスカはよく知られてい
のだが、近くのパルパの地上絵
はあまり知られていない。


これなどはナスカと同じく鳥類を
描いたものだろう。

これは星だと説明されている。
だが、果たしてそうか。


また、説明のつかないこれなどは、
儀式用の器具などと説明される。

違うと思う。

多分、これだろう。


いわゆるこれ。


これね。
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西日本上空は晴れ。日本海から太平洋まで見渡せるほどに視界良好だった。琵琶湖上空。空の色が肉眼で見ても地上で見る色とは違う。静岡上空辺りから雲海が広がってきた。富...

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日本国内だと、富士山付近は未確
認飛行物体がよく出現するが、
広島県もやたらと飛行している。
UFO銀座、という程に。
神奈川県、東京都ではそれほど見
なかった。
広島県と島根県の県境付近の山間
部に夏に行くと、夜になるとやた
らと飛んでいる。空中でサッとU
ターンする発光飛行物体が。
それどころか、理由はわからない
が、広島県三原市上空にもよく出
現する。山肌にではなく、空に。
そして、観察していると、突然、
パッと消える。瞬間移動のように。