ネット上ではデタラメな情報が蔓延
している。
特に最近目立つのは、小銭稼ぎ目的
のユーチューバーの自称アウト
ドアマンたちだ。
全員が広告を貼っているので、動画
視聴者を収益のタネとして考えて
いるのだろう。
純粋に自分の動画を見せたいので
はなく、収益が主目的だ。
かくして、そこで展開されるノウ
ハウものは実にデタラメなものが
多い。
とりわけひどいのが刃物の研ぎに
関するもので、刃物店やメーカー
ではないユーチューバーの刃物
の研ぎ方は目もあてられない
ものが沢山ある。
水砥石を使っていながら研ぎ汁を
出さなかったり、オイルストーン
ではないのに油をつけたり、ひど
いのになると水道の蛇口から水
を出しっぱなしで刃物を砥石
でゴリゴリこすっているのも
ある。
動画からも見ることができる平面
の出ていない砥石でアングルぐだ
ぐだでしゃくりこすっておきなが
ら、オーソリティーのような顔を
して製品紹介をしたりする。
やり方は人それぞれ自由なのだが、
非常に鼻につくのが、アウトドア
系のユーチューバーは、デタラメ
な方法をさも自分がその道の練達
者でベテランであるかのように
動画で説明している点だ。
誤った方法、嘘デタラメのテケ
トンを広めている者が非常に多い
点だ。
そして、それを真似して、また
不見識な人たちが劣化コピー版
の動画を作ってアップしている。
悪貨氾濫のように。きらりと光る
本物の真実の人が解説する動画の
ほうが圧倒的に少ない。もうこれ
は本当に圧倒的に。
製品レビューなどしているユーチュ
ーバーの殆どがそれ。中身は解説
もかなり薄っぺらい。人真似だし、
自分の経験を積んだ実績に基づく
知見が皆無だからだ。
ネットの受け売りの猿真似で多く
が似たようなデタラメ解説動画を
作ってアップしている。広告
を何度も差し挟むようにして。
見る価値は無い。
私が日本刀以外の刃物を研ぐ時に
は、なぜ表裏で左右の手で持ち
替えて研ぐのか。
これの物理的な大きな意味について
理解が及ばないとしたら、全く
それは刃物の研ぎにはなって
いない。ただの身減らしの石
こすりだ。研ぐ以前の問題だ。
それは、そこには「切り」に対す
る理知が不存在だからそうなる
のだろう。
有り体にいえば、「解ってない」
となる。
これは私が切り屋だからという事
からではなく、私がどうであれ、
間違いは間違い。誤りは誤りだ。
デタラメな「その道の達人」(自称)
が多すぎるのがユーチューバー
のノウハウ系の全体像だといえる。
しかし、裏を返すと、それでも
再生回数からしてよく見られて
いるのは、それだけ「よく分か
らないから知りたい」という純粋
無垢な人が多いという事だろう。
ゆえに、尚更、誤ったことが拡散
されて劣化コピーが再生産されて
蔓延する要因の土壌にもなってい
る。
そこに乗っかって、多くの者が
劣化コピーの猿真似と受け売り
動画をアップする。
もはや、動画サイトのアウトドア
動画の情況はネット界にみられる
「玉石混淆」の域を超えている。
見る人が「見抜く目」を養うの
がどんどん難しい世の中になっ
て来ているからだ。
嘘もんニセモンだらけが溢れて
いるので。
時々たまに本物の本筋の軸を外し
ていない人の動画を見つけると
ほっとする。
しかし、それは文字通り希有だ。