渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ピュアホワイト 〜北海道〜

2023年07月13日 | open




北海道の友人からトウモロコシ
が沢山届いた。ピュアホワイト
だ。
江戸期は某藩の武士だったが、
明治以降に蝦夷地に入植した。
爾来、北海道の土地を開墾し、
農業をやっている。
二刀差しの武士たちが北海道に
入植した事例はごまんとある。
北海道の士族割合はもの凄い
のではなかろうか。
鋤も鍬も握った事の無い武門
の者たちが大地を開墾するの
は、筆舌に尽くせない苦労が
あった事だろう。
太政官布告で東京に全員が出て
帝都に住み官僚になった明治の
武家華族たちなどは、その苦し
みなど知りもしないだろうし、
知ろうともしない事だっただろ
う。

友人の家は、今では、うまい野菜
作りに命をかける本業農家になっ
ている。本職。
そして、作る作物は、殊の外うま
い。
プロだ。
ありがたく、一粒一粒を噛み
締めながらいただく。

諸君!
映画『北の零年』は観るべし。

猫の扇子 〜江戸扇子 伊場仙〜

2023年07月13日 | open



海保の剣友の二輪乗りから
江戸扇子が頂き物で届いた。
これは何とも有り難し。
国芳の猫の浮世絵の柄だ。
猫好きには堪らん一品。




老舗伊場仙。
道明の組紐といい、こうした物
はずっと続いて欲しいと願う。

刀の下緒は池之端の道明。
虎徹がすぐ近所に住んでいた頃
に開業した。
今でも、日本有数の江戸初期か
らの組紐屋として営業している。
落語家の真打昇進では道明で
羽織紐を作るのが定番。
また、江戸期から幕府の旗本
たちは刀の下緒には道明の下
緒をあしらった。
私は差料の拵のほとんどに道明
下緒を使っている。
女性の着物でも道明の帯紐など
は名品として現代でも扱われて
いる。一度、母にプレゼントし
たら喜ばれた。

伊場仙の扇子も、そうした江戸
文化を今に伝える逸品を提供し
ている。
ずっと残って欲しいアキナイで
ある。
伊場仙は戦国末期に創業し、江
戸初期から江戸の地において
紙や団扇を手掛けて来た老舗
だ。
京都に比べると、老舗といって
も400数十年程しか歴史が無い。
京都では創業100年200年などは
ひよっこすぎて老舗を名乗れな
い。千年王国だからだ。
だが、江戸は若い町。徳川家が
入った1600年代初期という若
い時代に街が出来た。
江戸幕府開闢の頃からの店とい
うのならば、江戸では老舗中の
老舗なのだ。

伊場仙の江戸扇子。
茶道の席とかで帯に差して行き
たくなる。いや、花火大会か。


マッセショット

2023年07月13日 | open


世界チャンピオンのジョー・
バルシスのマッセショット。

マッセはキャロム程ではないに
せよ、プールでも時々使う。

私のマッセショット。

私は左手でもマッセを使う。

多くの人がよくやる立てキュー
のカーブショットも、あれも
厳密にはマッセに入る。

マッセは手玉をどうコントロール
するかの特殊な撞き方なのだが、
立てキューによるジャンプドロー
ショットはマッセに分類されず
引き玉として扱われる。


だが、厳密には、キューを立てて
手玉を利かせるショットはマッセ
なのである。



達人の手に名刀

2023年07月13日 | open


Joseph Balsis 
ジョセフ・バルシス(1921~1995)
である。
通称ジョー・バルシス。Balsisは
米語発音ではボーシスが近い。
西部劇に出てくる典型的な悪役
ギャンブラー風なのだが、彼は
1966年と1968年に2度プール
の世界チャンピオンになっている。
10代の頃からジュニアタイトル
を総なめにした彼が戦後に選ん
だキューはTADコハラのキュー
だった。




チャンピオン獲得の時に使った
ジョーのTADコハラ作。
ハーベイ・マーティン・スタイル。


いわゆるTAD荒ネジと呼ばれる。


私のTADコハラ作のキューは、
このジョー・バルシスがチャン
ピオンを取った時の作り込みの
近似模写版となっている。バット
側のジョイントリングの象牙と
エンドリングの組木模様は使っ
ていない。それ以外は
ジョイントネジがブラスから

ステンレスに変更された程度で、
あとはまんまバルシスの仕様だ。
日本国内ではほぼ見かけない。


このTADのプレーアビリディは
かなり高い。「使えるキュー」
どころか、実際に使いまくった
し、20世紀末の製作2年後にこ
れを入手したが、今世紀に入っ
てからの私はリフィニッシュに
出す前まではプレー集中はこの
TAD一本だった。私にとっては
最高のキューだ。
ジョー・バルシスが世界チャン
ピオンをもぎ取った時のTADの
復元モデル。
装飾モデルではなく、実力一点
勝負にいぶし銀の強さを感じる。
まさに、実戦的な真実の利刀。
それがTADのTADたるところ。

ただ、ファンシーTADは金額が
高くなり過ぎた。
1990年頃はTADストレートの
中古は5万円くらいだった。
今、8倍程に値段が跳ね上がっ
ている。ファンシー物は180万
程になってしまった。

TADをまるでニッケルメッキの
コルト.45ピースメーカーのよう
に手にしてサロンでギャンブル
に臨んだようなジョー・バルシス
は、TADで世界王者となった。
若い時は当然別なキューを使っ
ていた。TADコハラさんがキュー
を作り始めたのは1963年から
だから。

映画『許されざるもの』で
リチャード・ハリスが演じた
イングリッシュ・ボブを彷彿
とさせる。

絶対に2丁拳銃で、チョッキの
ポケットには銀ピカのデリン
ジャーを隠していそう(笑