映画『彼のオートバイ.彼女の島』
(1986)のロケ地検証。
映画『彼のオートバイ.彼女
の島』(1986)で主人公たち音大
生の溜まり場である「スナック
道草」のあった場所はどこか。
音大といえば中目黒・代官山
近辺だが・・・。
S字のガード下と両側のガード
レール歩道があるのが特徴だ。
「けた下2.2M」は実物表示と
思われる。東急線独特の書き方
が見られる。
鉄道のガードも東急線独特の
特徴あり。
「道草」の場所はここでは。
(2023年現在)
東急線が部分的に地下鉄となり、
地上部分は土盛りされて地形が
変わっている。高架線を廃止し、
地下鉄にしたのだ。かつては
低い鉄道ガードがあった。
この建物が「道草」の跡地では
なかろうか。
旧ガード跡を反対側から見る。
鉄道のガード手すりはまだ残
されている。
違うかも知れないが、「けた下
2.2M」の東急線ガードを抜けた
先にある「スナック道草」の
撮影場所はここかと思われる。
店内は広島県尾道のライブハ
ウス「満鉄と金ボタン」の
ようだ。
なお、尾道に実在した同ライブ
ハウスは火事により全焼消失し
た。再建はされなかった。
「けた下2.2M」の場所がここで
確定だとすると、『彼のオート
バイ.彼女の島』(1986)で撮影
場所が特定できていないのは、
狭い坂の路地にある主人公
コオのアパート(窓の外が墓
地)と、最後のラストカットの
草原の場所と他数地点のみとな
る。
コオのアパートに向かう狭い
路地。寺院脇の坂道。
規定道路幅員に達していない
ので、住居再建築不可の地区
に見える。
コオのアパートの部屋には最初
冬美が通い詰めていた。
ミーヨと信州で出会い、東京に
戻ったコオは冬美と別れた。
泣く事と料理を作る事しか知ら
ないつまらない女だというのが
理由だ。
「あたしはね、一緒にいられる
だけでいいの」
冬美の甲斐甲斐しさはコオには
苦痛となった。
やがて、瀬戸内海の小さな島から
ミーヨが東京のコオのアパートに
転がり込む。
コオの仕事仲間が事故に遭い、
急遽コオが代理でバイク便の
原稿を届けることになる。
雨だし近くだから250で行くと
コオはミーヨに告げて出かけた。
「いってらっしゃい」と見送る
ミーヨ。
ミーヨは残されたカワサキを見
つめて頬ずりして抱きしめる。
そこから物語は急展開する。
仕事を終えてコオがアパート
に戻ると、カワサキが無い。
ミーヨもいない。
ミーヨはどうしても乗りたかっ
たからと勝手にコオの革ジャン
を雨の中着てカワサキW3に乗
って走っていたのだった。
中型限定は持っているので、
限定解除車を条件違反で走らせ
た。(無免許運転ではない)
戻って来たミーヨにコオは詰問
し、大雨の中、殴り合いとなる
二人。
コオはミーヨの覚悟と熱意を感
じ、ナナハン免許(自動二輪限
定解除の当時の俗称。現在の大
型免許とは異なる法規制)を
取ることを許すのだった。
教習所では取れない一発試験
のみの免許だ。
現在の実技試験免除の教習所で
取れる大型免許と全く異なり、
フル排気量免許を取らせな
い為の制度なので、8〜10回
受験は当たり前、という実情
だった。
返事が悪いと不合格、白いジェッ
トヘルメットに黒いブーツでな
いと不合格、お辞儀の礼が悪い
と不合格、言葉使いが心象悪い
と不合格、という試験実態だっ
た。新人警察官と同じ態度、同
じ運転の実行が求められた一発
試験制度だった。
「それから半年過ぎた」
コオに大きな変化が起きた。
ミーヨとカワサキが忽然と消え
たのだった。
そしてドラマはクライマックス
に進む。
過去記事
映画作品の時間軸『彼のオートバイ.彼女の島』(再掲) - 渓流詩人の徒然日記
映画『彼のオートバイ.彼女の島』の時間軸の確認。本作品は、主人公橋本功(コオ)の回想録としてナレーションで語られる表現が採られている。そのため、映像において時間軸...
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