渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『仇討』(1964)

2024年11月02日 | open

🎬 Adauchi (1964) | Japanese Full Movie | Don't Miss Out!

江戸期享保年間の武家の屋
の台所。
かなりリアル。

武家の屋敷もリアル。

本物の武家屋敷でのロケな
のかオープンセットなのか
判別がつかないほどにリア
ル。


そして、そのリアルさは、
作品の中味そのものの享保
年間の人間模様のリアルさ
へと繋がって行く。

今井正監督の名作。
久しぶりに観た。
この1960年代前半頃の日本
映画の時代劇は小林監督の
『切腹』(1962)にしてもそ
うだが、かなりシリアスで
幕藩体制時代の不条理な暗
黒面を描いた傑作がかなり
ある。
なお、本作は剣戟シーンで

は芝居用竹光ではなく、刃
引きだが真剣を使っている。

日本映画に時代劇あり。
これは世界の映画界でもあ
る意味恵まれたテーマ素材
を我ら日本人は持っている
ことを意味する。

そして、戦後作品には「武
士道」の虚飾
性を鋭く描い
た作品は多い。

戦後のこれらの日本映画の
時代劇における表現手法は、
武士の心のオートマティス
ムを描く事により本当の人
間の思考の純然性を検証し
ようとする試みでもあり、
その表現手法はブルトンの
シュールレアリスムの思潮
の延長線上にあるといえる
だろう。
カール・マルクスの革命思
想の視座とフロイトの精神
解析のアプローチが基軸と
なっている事は論を俟たない。

 

 
 





この記事についてブログを書く
« 【独自】転倒も… ホンダ原付... | トップ | 【昭和アニメ'70~'86】【197... »