ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




あと一日。

大学を出て幸いすぐでしたから、音楽を生業にして、今年でかれこれ17年になります。最初はバンドにいたのですが、色々あって程なくバンドを辞め、フリーとして仕事をし出して、なんだかんだで14年位経ちました

フリーで仕事をするってことは、結局のところなんの約束もないものですから、言ってみれば明日の予定が常に分からないわけです。まぁ明日の、と言っては少し大げさですが、でもほんとに一ヵ月後、三ヵ月後、半年後に何をしているか、・・・ましてや一年後なんて、さっぱり分からないんですよね。この14年、一度たりとも想像通りになんてなったことはありませんし、そもそも想像がつかないんです。

怖い、と思う人もいれば、だから面白い、と思う人も居るでしょう。僕は、・・・最初怖かったけど(笑)、・・・怖いって思わないようになりました。そんな先の事を考えて怖がってたって、なるようにしかならないし、むしろ、なるようになる、って。考えようによっては、常に可能性は無限大。「いい年の大人が」、と笑われるかもしれませんが(笑)。

むしろ、遠くの未来は漠然と、見るともなしに視野に入れていれば十分で、それよりも足元にある毎日を、出来るだけ満足のいくように過ごすことが大切なんだよな、って思っています。ただ、毎日を満足のいくように、ってのが実は結構難しくて(笑)、何をしたいのか、するべきなのか、って事がそれなりにちゃんと見えてないと、これは中々実現出来ないんですけどね。偉そうな事を書いていますが、僕自身、度々、迷い、ちょいちょい見失いそうになります。何かを見つけた気になって、でも何かを失っていることに突然気付かされて。自分にささやかな自信が生まれたかと思ったら、実は何も知らないんだってことを知らされて呆然としたり。

でもね、今年一年を振り返ってみると、そんな不確かな日々の積み重ねの中でもね、やっぱり沢山得たものがありました。

 

春には、まるでバンドのような(笑)、長いレコーディングを経験できました。とっても、とっても、勉強になりました。また、あの期間の中で、素晴らしい体験も何度もさせてもらいました。沢山のミュージシャン達の仕事振りから学ぶことも、今更ながら本当に多かったレコーディングでした

 

その後、個人的に音楽理論のおさらいの期間を作りました。これは本当に目からウロコ・・・いや、ホンマグロが30匹くらい飛び出したくらいの(笑)、音楽的には今年一番の収穫だったと思います。数百ページに及ぶ英語で書かれたテキストでしたが、「そうか!そういうことだったのか!」と、とにかく面白くて面白くてね。毎日朝から夜まで辞書片手に、まるで受験生みたいでしたが(笑)、読み進められちゃいました。学校の受験勉強の1000倍の価値がありましたよ。ついでに、ちょっとだけ英語の勉強にもなりましたしね(←既にだいぶ忘れてる(笑))。・・・そうそう、そうなんですよー、英語もちゃんと覚えたいんですよね。でも、これはまた次の課題にします。でも、英語に対して、改めてそういう気持ちになれたってのも、また良かったです

 

あと、カメラね。これはまるっきり趣味ですけど、まさか・・・こんなにハマるとは思いませんでしたよ(笑)。まぁ技術が向上したかどうかなんてことはともかく(←全然自信が無い(笑))、何より写真を撮ることがこんなにも面白いってことに気付かせてくれたニコニコニコンのD40との出会いは、今年のプライベート面ではNo.1ニュースです。毎日、一眼を片から下げて歩くようになるとは。僕の部屋に、交換レンズが、いつのまにか5本もあるとは(←全然ここで書いてなかったですけど(笑))。そして三脚まで(笑)!・・・ただ、写真に関しても、課題が沢山です。でも、そんな課題に気がつくようになったのも、やっぱりこのブログがあったおかげです。そかし何事も、真剣にやろうとすればするほど、奥が深くて面白いものですよね(笑)。ちなみに今日も三脚は持ってなく、でも帰り道に見たレインボーブリッジがキレイだったので、堤防にカメラをどっかと置いて、シャッター速度6秒(←手持ちじゃ絶対無理です)。通ったユリカモメが光の線になってますが、小さくてよーわからないとも思います(笑)。うーむ、しかし夜景はやっぱり難しい。でも、楽しいかも(笑)。しかし、こんなことしてたらすっかり冷えました。冬は寒いのね(←格好が相変わらず秋だから(笑))。

 

そして、なんと言っても、ライブ。これは今年に限ったことではありませんが、やっぱり今年も一年、さまざまなライブを通して学んだことは、そのリハーサルの過程も含めて、本当に大きかったです。そして学んだ、ということだけじゃなくて、やっぱり気持ちいいんですよね。これ、生きていく上で、一番大事ですね(笑)。ステージという場所に上ると、いや、帰ると、全身一杯のドキドキ感と共に、いつも何故だかホッとするんです。お客さん達と創る空間と時間が、あんなにも気持ちの良いものだなんて。この思いは、なんだか毎年、濃くなっていっているような気がします。また来年も、ステージに沢山上がりたい、何度も何度も、ステージに帰りたいな、と思っています。とにかく今年もね、一生思い出に残るステージを何度も経験できました。嬉しいことです。ありがたいことです

 

それから、実は今年の終戦記念日のブログを書いたのが個人的には大きなきっかけになったのですが、そこから「あれ?ってか、そもそも何で日本はあの戦争を始めたんだ?第二次世界大戦って、そもそも、何?」と調べだし、それを知ることからどんどん広がっていって、それまでは真剣に考えもしなかったような世界、そして日本の事を、考えるようになりました。原爆、東京裁判、GHQによる占領、WGIP(戦前の日本を「悪」と徹底して教え込む戦後教育)、中国や韓国、北朝鮮などご近所さんとの関係、そして世界中の紛争、戦争、病、地球の環境問題も含む人の巻き起こす悲劇。これは、今も続くアメリカによる、言ってみれば世界支配の歴史、現状(「パックス・アメリカーナ」と言います)がとっても大きな原因だということが分かったのがポイントでした。そしても、日本も今、環境も思想もどんどんアメリカ化しているということの、怖さ。ちなみに、おかげでアメリカという国の認識が、僕の中で今年、ビックリするほどガラリと変わりました。それまでは、ただ見えてなかっただけなんですけどね。あ、別に一人一人のアメリカ人が全部嫌い、とかいうワケじゃ全然ありませんよ。アメリカそのものは、概して好きです。僕の大好きな音楽や映画は、アメリカ抜きは語れませんもの。ただ一部の人と、国策がおかしい、自国の国益しか考えてない身勝手すぎる振る舞いが許せない、僕達も要注意、という事です。

とにかく、こういうことを知っていくうちに、「なんで?」の答えが一つずつ自分の中で、見えてくるのがわかりました。そしてその一つの答えが、色々なことに繋がっていることが分かってきたんです。日常レベルでもね。勿論大半は、答えのようなもの、答えに行き着くであろうきっかけ、というレベルです。僕はまだまだ勉強不足です。思いがけず実は簡単に答えがある問題(しかし解決はとてつもなく難しいケースがほとんど)と、複雑怪奇に入り組んで、答えどころか、いつの間にか問題の本質すら見え辛くなくなってしまって泥沼化してる問題もあります。ただ、それでも知れば、知ったなりに疑問は少しずつ解消していくわけです(争いに関することは特に、知って、なおさら頭にくることが多いですが)。そしてまた、次から次へと沸き起こるのは分かっていますが。

そんな情報の目下のよりどころは本です。今までは手にしなかった沢山の本と出合えました。「DAYS JAPAN」もその一つです。まだまだほかにも、沢山読みたい本があります。過去の本だけじゃなくて、これかも大切な本がどんどん刊行され続けるでしょうが、とにかく、向き合っていこうと思っています。世界の歴史、そして現状に目を向けるということは、僕らも世界に生きている限り、一生付き合っていく問題です。未来は、過去、そして現在の積み重ねですからね。

しかし、その気になればこういう問題に対して目を閉じているのも簡単なんだな、とも思いました。僕自身が、つい先日までまるっきりそうだったように、僕達は当面、何も知らないでも生きていける国に住んでいますから(知らされない国、とも言えます)。ただその代わり、その分誰かが大きな代償を支払っているんだ、ということも分かりました。「戦争で今日、苦しんでいる人々のことを知らない、知ろうとしないということは、見殺しにしていることです。被害者からしたら、それは加害者と同じなのです」という言葉に出会いました。この言葉は、あれからずっと、グッサリと僕の胸に深く突き刺さっています。これは・・・いじめ問題なんかを例えに考えてもらうとわかりやすいですかね。そして、自分に何ができるかは、おのずと見えてくるでしょう。とにかく、まずは知ってみることからじゃないでしょうか。とにかく今年、こういう「問題」を知らないままの自分じゃなくなれて、本当に良かった、と思えます

 

それと、・・・このブログ。今年は、一日も休むことなく続いちゃいました。凄いですよ。僕としては、実は今年一番の偉業かもしれない(笑)。上に書いたことも、ブログがあったからでも、大いにあるわけですし。いやー、これほんとに。でもね、それは100%、今日も読んでくれているあなたのおかげなんです。いつもお付き合いくださって、どうもありがとうでした

 

さて、明日は今年最後のライブにして、2008年最初のライブです。楽しみましょう!僕も張り切って、楽しむぞー

ではー。



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