ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




「ただいま。じいや、帰ったよ。」

「お帰りなさいませ。」

「うむ。今日のディナーは何かな?」

「はい、餃子ですよ。」

「うむ。確か、昨日も餃子だったが」

「えぇ、今日で連続2年と143日目になりますよ。」

「うむ。まぁ、よかろう。じゃあ、食べようか、じいや。」

「いえ、私はもう結構です。・・・いい加減。」

「うむー。そうか、美味いがなぁ。もぐもぐ。」

 

・・・んなこたーない(笑)。写真は、限りなーくイメージ映像です。たまたま、帰り道にこんなお家があったので、何となーく撮ってみただけなんです。で、妄想してみただけです。えー、題して「餃子御殿の若旦那ならぬ、バ○旦那」。(ここで一度読み返す)。うーむ、・・・ほんっと、くだらないですねー。わっはっは(笑)

 

家と言えば(←若干強引)。家を出る時に忘れもをのすることって、ありますよね。・・・あ、ありますよ、ねっ!?えぇ、勿論僕は、あります(笑)。

アクセサリーやカメラ程度ならまだしも(これも結構ショックは大きいですけど)、時間ギリギリで家を出て、駅まで行って、改札の前で財布を忘れたことに気が付いて途方に暮れたり、「じゃ、現地着いたら、適当に連絡取り合って落ち合おう。」って言っておいて、現地着いたら、携帯忘れてたり(笑)。まぁ、たまに、ですけど。・・・ほんと極々、たまに、ですけど(笑)。

なんでこんな話かというと、・・・いやたまたまね、今日、家を出る時に「よし、今日はリハーサル最終日だ。一際ビシッと気合入れていくぞ。」ってね、キリッとシャワー浴びてさっぱりして、今日必要な資料やら何やらの最終チェックをして、バッグに携帯、財布なんかがあるかを確認して、洗い立てのフレアパンツを穿いて、シャツを着て、お気に入りの皮のジャケットを羽織って、カメラ持って、電気消したの確認して、家の鍵をきちんと閉めて、颯爽と(←実際颯爽としてたかどうかは知りませんが(笑))クルマに乗り込んだわけですよ。そして、エンジンスタート!よし、出発!

で、少し走って、・・・あれ?アクセルの踏み心地が・・・

と、ここで気付くわけです。足元を見ると・・・。

あー、何だよー、これー。

・・・ビーチサンダルじゃーん(前にハワイで買った、あの黒いサンダルね)。あなた、今からゴミ出しに行くんですか?って感じですよ。まったくねー。あっはっは・・・はぁ(笑)。

 

昔、学生時代に、とあるアルバイトで、一人暮らしのおじいさんの家に入った時のことです。古い一軒家だったんですが、仕事を終えて帰る時、玄関の引き戸に一枚の貼り紙があることに気が付きました。

そこには、太いマジックで、大きく、こう書いてありました。

「外出時、忘れ物、確認!」

おじいさんは、外出の時に忘れちゃ困るものを書いて貼っていたんですね。そしてそこには、三つのものが書いてありました。おじいさんにとって、忘れちゃ困る、三つのもの。僕は、あの貼り紙、今でも字体までハッキリ思い出せます。

一、「財布」

二、「携帯電話」

 

・・・ここまでは、まぁ普通ですよね。そして、三つ目。これが凄かった。僕なぞの予想をぶっちぎりで超える、この強烈な言葉。

 

三、「魂」

 

・・・か、かたまり!?

 

いやいや、たましい、だってば。失礼な

 

まぁ冗談はさておきですが(笑)、いやー、なんか凄かった。思わず、振り返ってそのおじいさんの顔、もう一度まじまじと見ちゃったもの。僕達を送り出すおじいさんは可愛らしいチワワを抱いて「どうもごくろうさまね」って、優しそうにニコニコ笑ってたけど。

 

はい、僕も、靴は履き忘れても、「塊」は忘れないように気をつけます。・・・って、わざとかたまりって書くなー。「魂」は、です

 

・・・しかしおじいさん、魂を忘れて外出しちゃって困ったことがあったのでしょうか。なんか、そのあたりの話、伺ってみたいな。気になるなー。

 

勝手にお察しするにですが、見た感じ、おじいさんは戦中派の御年代では、と思いました。あの頃は分からなかったけど、今は少しくらいは想像することができる(気がする)。でも、あくまで、想像。僕なんかに、その壮絶な「リアル」は、絶対に分からない。・・・人の「魂」とは。そして、若くしてそれを散らしっていった仲間を、家族を、同胞を、実際にその目で見てきた人。でも、本当に無くしちゃいけないものを、「魂」という名の尊厳を、沢山の人がきちんと持っていたであろう時代。

 

僕達は・・・。

 

皆さんも、くれぐれも忘れないように、玄関に貼ってみてはいかがでしょうか

「財布、携帯、魂、靴」って

・・・あ、靴はさすがに、僕だけか(笑)。

ではー。



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