今日も寒いですねー。風邪やらインフルエンザが流行ってるようですが、皆さんもしっかり、うがらいしてくださいね。うがらい・・・うがい、手洗いの略ね(←言わないか(笑))。
リハーサルスタジオにも色々ありまして。
ビルが丸ごと全部スタジオ仕様になっていて、行くとテレビでしか見たことのないような人とエレベーターで一緒になったりしてビックリするようなところもありますし、小ぢんまりした、アットホームなところもあります。
光浩さんバンドでいつも使ってるところは後者なんですが、それにしても、スタジオの壁に「健康は人生で最高の宝です!!!」と張り紙がしてあるスタジオは、多分全国でもここだけでしょう。しかも、ビックリマーク3つです。
このスタジオは、とっても小柄な、人生の先輩に失礼を承知で言えば、可愛らしい雰囲気のご夫婦が経営なさってるんです。お歳の頃は、・・・ちゃんと伺ったことはありませんが、お二人とも65歳位じゃないでしょうか。いつも「おはようございます」「あ、今日は終了ですか?おつかれさまでした」と、ニコニコとご挨拶してくれて、僕みたいのにも、きちんと丁寧な敬語で話して下さってね。
僕達がリハーサルをしている時、お二人はいつも隣のレコーディングブース兼、事務所みたいな部屋にいらっしゃいます。そこは、僕らの爆音がずーっと丸聞こえ。「うるさくないのかなぁ・・・」とよく思うんですが、でも、お仕事ですから、逆に誰も居なくて静かだとそれはそれで困るんでしょうけれどね。たまに「コピー機お借りしたいんですが」なんて言いに行くと、お二人で仲良くご飯食べてたりね。「あ、どうどうぞ!」なんてご飯の入った口元を押さえながら慌てて対応してくれるわけですが、そんな一コマがリハーサルの合間にあるとね、実に微笑ましくて」、和んじゃうわけですよ。
詳しいことは知りませんが、なんでも旦那さんの方が、近年大きなご病気を患ったとかで。でも今はもうお元気なんですが、そんな経験があって、この張り紙なのかな、と。
健康って、空気みたいで、無くなって始めてそのありがたみに気が付くじゃないですか。不摂生をすることの多い僕なぞが言うのもアレですが、やっぱり健康って、ありがたいですよね。そして、年々歳を重ねるごとに、きっとその思いは強く、大きくなっていくんものなんだろうなと思います。
僕は子供の頃、小児喘息を持っていました。当時住んでいた都内某区の公害認定を受けて「減感作療法」という治療をすることになり、これが3年間くらい毎週のように病院に通うという(しかも完治するかどうか、保証は無いですって言われてました)、とっても時間のかかる治療法だったんです。しかもそれをしてくれる病院まで、バスと電車を乗り継いで、片道一時間半。これが憂鬱でねぇ(笑)。木曜日になると、「あぁ、また病院の日かぁ・・・。イヤだなぁ。」って。
病院では毎回、お尻に注射をされて(←途中から恥ずかしくなって、腕にしてもらった(笑)。これで注射針に強くなったのかもなー。)、それから薬を貰って帰るんですが、この薬がまたクセモノでして。毎日朝晩、吸入器で吸い込まなきゃいけないんですが(テレビや映画なんかで見たことありませんか?)、この薬が、めちゃめちゃ苦いんです。しかも、うまくやらないと、咳き込んで、苦しいし。だから、健康な時は、サボるわけです。イヤなもんだから、ちょっと吸って、半分位捨てちゃう。それで「や、やったよー」なんて言って。その位、イヤでした。
でもね、なんと言っても一番辛いのは、・・・発作が起きたとき。起きちゃったとき。
夜になっても、眠るどころか、横にもなれない。喘息は、身体を縦にしてる方が、幾分楽なんです。なので、朝までベッドの上に座って身体を二つ折りにしたまま過ごしたことも何度もあります。「ヒューッ、ヒュ-ッ」って、ミジメーな音を立てながら。止まれ、止まれ!って思うんですけど、アレって、精神的に焦ると、また良くないんですよ。緊張しちゃダメなのね。・・・でも、緊張しますよ。息、出来ないんですから。喘息は、息が吐けなくなるんです。吐けないから、吸えない。空気が吸えなけりゃ、酸素が足りなくなって、頭がクラクラしてきて、・・・酷い場合、死ぬこともあるわけです。
それでも僕は幸い、認定ランク「S、A,B、C」で「Cランク」でしたから、軽い方だったんです。近所に住んでた友人で、Aランクの友達がいましたが、その子は発作が起きると毎回救急車でした。Sランクは、発作が起きたら、死ぬかもしれないランクです。
でもね、Cと言っても、本当に死ぬかと思うほど苦しいものでした。酷い時は、発作止めも全然効かないんです。呼吸が出来ない一分間の、なんと長いこと。一時間もしたら、もう変な汗でびっしょりになって、苦しさで顔が火照って真っ赤になります。勿論親も、色々と助けてくれましたよ。背中をさすってくれたりね。でも、「もう楽になったから、大丈夫。寝て。」って言って、でもまたすぐ発作が酷くなっちゃう事もしょっちゅうで。でも、自分でも「また発作が」なんて言うのイヤなんで(病気である自分を恥ずかしいと思うのですよね)、なんとか一人で解決しようとするんですが、そんな時、ベッドでヒューヒューピーピーと、まるでお湯の沸いたヤカンみたいな音を立てながら、「もう、息さえ吸えたら、なんでもするから、助けて」って、本気で思うんですね。「吸入器、サボらなきゃ良かった・・・。もうサボりませんから、助けて」とも。まったく、勝手なもんですが、その時は必死です。
そして、いつの間にか眠りに落ちて、朝になって発作がおさまってた時の喜しさと言ったら。
「息が吸える!普通に空気が吸える!」
まさに、天国です。空気が吸えるだけで、自分が悩みの全てが、全部解決したように感じるんですね。もう何でも出来るような気持ちになるんですね。息が吸えるだけ、それだけで、幸福感で一杯になるわけですよ、人間。
まーそんなこんなありましたが、お蔭様で、僕の喘息は、その後数年かかりましたが、治りました。
健康は、人生の宝。
普段、わかった様に口には出すことはありますが、実際、子供の頃の、あの発作明けの朝ほどありがたく思えたことは、もう何年も無いような気がします。「人間は慣れの動物だ」って言いますが、ちゃんとありがたいと思って、キープする努力をしないと・・・いかんなー。早食い、大食い、夜更かしなんかも、少し控えないとねー・・・(←ほんとかーできるかー?)。う、うーん。健康だからこそ、出来ることでもあって(←ほらね)。
スタジオのおじさんがサービスで淹れてくれるコーヒーです。確かにアメリカンでね(笑)、「ほんっと、薄いよね-」なんて言いながらも、・・・大人気で、すぐポットが空になります。こんな寒い日のスタジオで飲む、一杯の温かいコーヒー。本当にありがたいものです。
「リラックスしてど~~ぞ!!」
でも本当に健康で、ずっとこうして音楽を楽しめますように。・・・そして、皆さんもね。
さて、今夜は冷えるから、お風呂にでも浸かろうかに。健康にも、よろしいはず。
ではー。