スタインウェイのグランドに、ハモンドB-3(奥に見えますでしょうか)。
もう、これぞ、マグロとガリ。
黄金の組み合わせ。
ん?マグロとガリでいいのか(笑)?
どっちがマグロだ、どっちがガリだ。
いえね、でも、僕、お寿司やさんのネタで一番すきなのは、
・・・鯖なんでけど(笑)、
マグロとガリだったら、完全に同じレベルで大好きなんですよ。
で、じゃあ、スタインウェイのグランドは鯖でいいんじゃないか、となりますと、
ハモンドはどうなる、鯵か、というね。
コハダかな。
いやまてよ、
ガリとお醤油、って手もあるな(・・・なんの"手”なんだよ)
とにかくね、素晴らしいピアノと、素晴らしいハモンドでした。
やっぱり、本物はいいです。
今回、実は「オルガンを弾いて欲しい」というオファーがありましたので、僕の方から「では・・・もし可能でしたら、本物のハモンドを使いたいのですが・・・よろしいでしょうか?」と伺ってみましたところ、
なんと、数日後「B-3のあるスタジオを押さえました!」との連絡を頂いたのです。
すごいですよね、ハモンドの録音のために、ハモンドのあるスタジオを用意してくださったのですから。
(海月は・・・ちょっと、なかなか持ち出せませんのですよ。いつか、また必ずやー。)
ハモンドの録音は、
このように、スタジオの真ん中で、行われました。レスリー122は、左奥の小さなブースに入っています。
実は今日の録音、ちょっと面白いいきさつだったのです。
アーティスト本人(および、所属事務所)さん・・・レコード会社さんを通す形で、アレンジャーさんに曲の製作(作曲、アレンジ、録音など)を発注。
レコード会社さん・・・アーティスト本人、事務所と相談して、適任のアレンジャーさんを選び、曲の製作を発注。
アレンジャーさん・・・発注を受け、曲を製作。曲のイメージに合うと思われるレコーディングメンバーを決定。
インペグ屋さん・・・ミュージシャンの紹介、斡旋をする会社。ライブやレコーディングなどへのミュージシャンのコーディネートをするのです。
さて、まず先週、僕のところにインペグ屋さんから連絡がありました。
「初めまして!この度、川村さんにレコーディングをお願いしたいのですが、スケジュールはどうでしょう?」
こんな感じです。
この段階では「製作するレコード会社は”L”という会社ですが、アーティスト名などはまだわかりません。」
そもそも、このインペグ屋さん、僕も「初めまして」だったのです。「どうして、僕の連絡先を?」と伺いますと「会社のミュージシャンリストにありました」とのこと。
訊けば、昔は別の名前の会社だったそうで、数回、DoAsInfinityさんや、平井堅さんのTVのお仕事を紹介して頂いたことがある方がいた会社でした。
その方はもう辞めてしまわれたそうですが、リストに僕の名前が残っていたのだそうです。
そして、「どなたからの発注なのでしょう?」と伺うと
「”L”社のディレクターのSGさんからのご指名です。」
僕は「"L”さんでしたら、僕がライブで関わっているアーティストさんも所属されてますよ。でも、そのSGさんというかたは存じ上げませんね・・・。でも、ともあれ、スケジュールは大丈夫ですので、よろしくお願いします。」
インペグ屋さん「そうなんですかー。それはそれは。では、また詳細がわかりましたら、ご連絡しますね」
こんな感じだったのです。
で、数日前になって、スタジオや入り時間などが決まりまして、
そして、今日、そのスタジオに行きますと、
中には、アレンジャーのMさん、そして、ディレクターのSGさんがおられました。
実は、このアレンジャーMさんとは、かつて、とある女性アーティストさんのサポートで、ライブを一緒に数回やらせて頂いたことがあったのです。
僕のピアノ&オルガンと、Mさんのギター、そしてアーティストさんの三人で、5~6回、アコースティックライブをやったでしょうか。
それにしても、お会いするのは約10年ぶり。
「いやあ、お久しぶりです。」
「どうぞよろしくです。実は、この曲にピアノとオルガンを入れたくて。そこで、川村さんを思い出しましてね。ほら、昔、ステージでオルガンを弾かれてたでしょう?一緒にやってて、かっこいいなあ、と思っていたんですよ。」
と言ってくださるではないですか(嬉しいですねえ)。
そしてレコード会社のSGさんを通して、そのSGさんは、インペグ屋さんを通して、・・・僕を探してくれたのだそうです。
なんともまあ、細い線を辿って繋がったものです・・・
・・・とお思いでしょうけれども、ここがまた凄い。
その、今日の録音の主役あります、アーティストさんというのが、
もちろん、今日もスタジオにいらっしゃったわけでして、
僕がスタジオに「どうも、川村です」と入っていくと、
「あー、ケン坊!よろしくねー!」と、大きく手を振っているではないですか。
はい、その方とは、
・・・なんと、
椎名へきるちゃん、
だったのですよ(笑)。
もちろん、へきるちゃんは僕が来ることは知っていたわけですが(笑)、
今回のレコーディングの発注の大元は、10年前の僕のプレイを覚えていてくれた、アレンジャーのMさんこと、鈴木マサキさん、だったのです。SGさんには「ライブでは拝見してましたが、改めまして、初めまして。」という感じで、ご挨拶を頂きました。ピアノもギターも弾かれるという、とっても耳の良い、素晴らしいディレクターさんでした。
しかし、なんとまあ(←こればっかり(笑))。
本当に、
ありがたいことですよね。
そして、ご縁というものは、いとも不思議なものであります。
レコーディングは、おかげさまで、とっても順調でした。
今日、初めてお会いしたドラムス、ベースの方とは、ご挨拶だけですぐに録音スタートとなりましたが、
2、3回流してみただけで、もうすっかりグルーブが掴めて、4テイク目で、全員OKが出ました。
曲自体は、キーがD♭という、五線譜に♭が5つもつくキーだったのと、あと、凝ったアレンジが施されていて、ちょっとトリッキーで難しい箇所が幾つかありましたので、皆で何度が流して練習をしたのです。
でもね、、難しいキーといっても、こんな風に、音符は全然書いてないんですよ。アクセントの指示と、コードだけ。
あと、自分で赤で注意するポイントに目印をつけたり、「おちるよ!(ダルセーニョした先が、曲が静かになるパートだったのです)」と書いたりしておりました。
オルガンのダビングも、2テイクほどでした。いやあ、それにしても、ハモンドは気持ちいいです。
皆さんにも、とっても好評でした。
最後に、ラフミックスを聴いて帰ってまいりましたが、すでに、すっごくかっこよかったですよ(本番の歌のレコーディングは、まだこれから)。
この曲は、へきるちゃんの、来月25日にランティスさんから発売になるニューシングル、なのだそうです。
どうぞお楽しみにー。
レコーディングを終えて、マサキさんと近況を報告しあっているうちに、
「近々、ご飯行きましょう。あ、お寿司でも行きましょう。安くて美味しいところがあるんですよ」
と誘って頂いた、なんてことがありましたので、
今日の書き出し付近、
・・・僕の頭の中が完全にお寿司になっていた、というわけでした(笑)。
ではー。