ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




卒業を控えたがくせーさんたちにとって、この冬は、人生の大きな岐路なのですね。

特に、ミュージシャンや作曲家、アレンジャーを目指す若いほとんどがくせーさんたちにとって、生まれて初めて「学生」ではなくなる、という現実に直面するわけです。

 

僕のように、すでに学生ではなくなってからの方がもはや長い()人間にとっては(・・・人はこれを、お〇さん、と呼ぶのであった)、

「まあ、そなん時もあるよね、あったよね」という程度の、一つの通過点のように思えてしまいます。

もっと大変なことや、大きな、本当の岐路は、その先にいくらでも待っていたことを、実感として感じているのですが、

彼ら、彼女たちにとっては、そうもいかず。

 

といって、あまり切羽詰った感が無いのは、いい意味での気持ちにゆとりがあるからかな、などとも思ったりします。

勿論、困ったり、悩んだりはしているのでしょうし、たぶん、僕が接する時というのは、目の前に楽器がある時ですので、

そういう時は、皆、気が紛れているというか、音楽の事だけに集中していられる、良い時間なのでしょう

残り少ない学校生活、最後の学生生活、楽しく、実ある時間にして欲しいなあ、と思います。

あと数回の授業で、何が教えられるか

……と、実は僕の方が切羽詰っていたりして(笑)。

 

ともあれ、プロのミュージシャンになるって、なんだろう、と思うことがあります。

条件ってなんだろう、って。

これ、がくせーさんにも、時々、訊かれるんですよね。

「プロになるには、何ができたらいいんでしょうか」

「僕は、何を(どう練習)すればいいのでしょうか」と。

 

この質問には、僕はいつも、……答に窮します。

 

答えが、無いのですよ。

 

例えばスポーツ選手と比べると、結果や成果が、その先につながるかどうかが、全然ぼやけているんですよね。

「誰よりも速く走ればいいんだよ」

「誰よりも強くなって、試合で負けなければいいんだよ」

 

音楽はそういうものでは、ありませんしね。

 

「これは……やっぱり出来た方がいいのでしょうか」

なんて訊かれることもあります。

 

何ができたらプロで、何ができなかったらプロじゃないか、なんて線引きはないのですから、難しいですよね

 

(あ、もしかして「まてまて、そもそも、なんでそんな質問をするのか」という声もあるかもしれませんが、

普段から僕は、「何でも訊きなね」と言っている以上、これは質問はOKなのですが、

「こうだよ」とは、答えられない自分がいるのが、なかなに歯がゆいところもであります)

 

テレビでは、これから年末に向けて、沢山の音楽番組特番を組むようで(昔ながらの紅〇なども含め)、ネットでは出演者の名前がずらりと並んでいたりします。

その沢山の名前を、見るとは無しにみることはあるのですが、

この人たちはどうしてプロなのか……

と思うと、「才能があるから」とかいう答えだけじゃなくて、

なんかちょっと別な角度で、強く思うのが、

 

「なりたかったんだな」

 

という事なんです。

勿論、「プロになる」ということの前に、

「音楽が好きで好きで、ただただ、好きで」という条件があるようにも思います。

 

が、とにかく、「好き」であっても、「プロにはなりたくない」と思えば、少なくとも、

テレビで特番に出たりは勿論、日ごろ、ホールやアリーナ、ドームなどでコンサートをするほどにはならないのだと思うんですよね。

 

ということで、やっぱり

「好きこそ、ものの上手なれ」

意味:好きでやっていることは一生懸命になるし、それに関して勉強したり工夫したりするので、自然に上達する、ということ。

 

そして、「どうしてもなりたい」と思うかどうか、ということ(なるリスクもありますからね(笑))。

 

あとは、なんだろう……。

やっぱり、

運と、縁でしょうかね。

 

うーん、ここまで書いて思うのが、最後のこの二つが、結局一番力を持つように思います。

そしてこればっかりは、何とも「どうしたらいい」というものじゃないですよね。

 

やっぱり、明確な答えはないんですね

 

でも、「好き!好き!」って毎日思って、毎日言って、毎日誰か(自分含む)に伝えていたら、

運も縁も、寄ってくるようには思います(それごはんな)。

 

がんがれー。

好きになれたもの勝ちなのだー。

 

でもこれ、大人も一緒ですよね。

 

ラーメン、ぎょうざ、カレー、から揚げ、音楽……、うむ、みんな好きだ(笑)。

 

ではー。



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