先日ご紹介した「ミュージック・オブ・ハート」は、音楽を題材にした感動作・・・なのですが、
この映画の監督は、74歳にもなる最近になっても、ホラー映画ばっかり撮っているウェス・クレイブンという人でした。
「エルム街の悪夢」と「スクリーム」という大ヒット作は、こういった映画が苦手な方でも、タイトルくらいはご存じかと思います。
ちなみに「エルム街の悪夢」は、ホラーとしてもよいですが、サスペンスといいますか、スリラーとしても、とてもよく出来た名作だと思います。
後に、この「これは夢?現実?」と、見ているこちらもわからなくなる手法を、どれだけの映画やドラマが模倣したことでしょうか。
「スクリーム」は、ちゃんとしたホラーなのに、コメディ要素があるので、いわゆる昔ながらの本格ホラー好き(「エクソシスト」とか「サスぺリア」とかに代表される、70年代末~80年代のホラー映画ムーブメントをリスペクトする世代)には、評判が分かれるところだと思いますが(「軽い!」とか言ってね)、でも、見てみると、やっぱりお話が、ちゃんとしていたわけす。
有名になった、あのマスク(←ドンキホーテでも売っているマスクの画像ですが、これだけでも苦手な人はご覧にならないようにー)を世に出しただけでも、凄い事ですが、とにかく、ちゃんとお話を伝えることができる監督さんなのですよね。
題材が、音楽の話であっても。
・・・でも、なんで、「ミュージック・オブ・ハート」、ウェス・クレイブン監督に依頼が行ったのか・・・ちょっと謎です。
いわゆる恋愛ものとか、スペクタクルやSFなどの”ノーマルな”映画で有名な監督が、「実は俺、・・・ホラーが好きでさ」なんていって、一本撮っちゃうケースはあるのですが、こういう逆ケースはあまり例を知りません(笑)。
「死霊のはらわた」のサム・ライミ監督が、その後「スパイダーマン」シリーズを撮ったのは、出世話としても有名ですが、でも、スパイダーマンシリーズには、サムライミ節がちゃんとありましたものね。
「ああ、やっぱりホラーの監督さんなんだよなあ」って、納得するシーンが結構ありましたから。
「ミュージック・オブ・ハート」には、まるでそれがない(笑)。
キースが弾くバッハを聴いて、「え!これ弾いてるの、キースなの?まさかジャズ出身の人だとは!!全然わからなかった!」という驚きに似ているかもしれません。
おそるべし、ウェス・クレイブン(←この笑顔で、毎日スプラッタ、ホラーを撮る)・・・。
キースレベルの天才かもしれません。
こういう「えー、まさか!」
というのって、面白いですよね。
人には、色々な面があるということでしょうね。
まあ、ホラーと美の世界って、ある種、元が一緒といいますか、かなり背中合わせみたいなところがあるようにも思いますので、
どちらかの感性が強いと、もう片方も強いのかもしれません。
そうそう、キースが天にも連れて行ってくれるような最高に美しいピアノを弾いて、
その直後に、地獄のような(というとアレですが)、無調の世界(かなり暗黒面だと思う・・・特に聴いている多くのライトファンには。コアファンは慣れているか、あの中にも楽しみを見つけられるように訓練されてきている・・・、なんて(笑))に行く、
なんてのも、それかもしれませんよね。
両方あるから面白い、的な。
ではー。